外科と代謝・栄養
Online ISSN : 2187-5154
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51 巻, 4 号
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会  告
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学会賞について
特  集
  • 堤 理恵, 井内 茉莉奈, 中西 信人, 西村 匡司, 阪上 浩
    原稿種別: 特  集
    専門分野: 「侵襲時の生体反応を改善する新しい試み」
    2017 年 51 巻 4 号 p. 145-150
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/02/22
    ジャーナル フリー
  • 苛原 隆之, 佐藤 格夫, 大嶽 康介, 邑田 悟, 播摩 裕, 柚木 知之, 石原 健吾, 伏木 亨, 井上 和生, 横田 裕行, 小池 ...
    原稿種別: 特  集
    専門分野: 「侵襲時の生体反応を改善する新しい試み」
    2017 年 51 巻 4 号 p. 151-156
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/02/22
    ジャーナル フリー
     侵襲時の栄養療法に関しては,種々のガイドラインが作成されているものの詳細はいまだ不明瞭な部分が多い.また運動介入についても近年ICUAW 予防としての意義が注目されているが,早期の運動介入が代謝や生存率に与える効果についての報告はない.本研究ではマウス敗血症モデルを用いて間接熱量測定および尿中窒素測定により栄養代謝動態の変化を調べ,敗血症の重症度・時期による糖質・脂質・タンパク質の三基質の代謝動態の変化を明らかにした.また低強度の運動介入による効果についても調べ,急性期の低強度運動によりPGC-1α(Peroxisome proliferator-activated receptor gamma coactivator 1-alpha)が活性化された結果,内因性脂肪利用が上昇して脂質代謝が改善することが転帰改善に寄与していることが示唆された.早期運動介入が病態そのものに対する治療的効果をもつ可能性があるというのは画期的な知見であり,臨床における重症患者への栄養療法にも応用が期待される.
  • -リゾリン脂質に注目して-
    松田 明久, 宮下 正夫, 山田 真吏奈, 松本 智司, 櫻澤 信行, 川野 陽一, 関口 久美子, 松谷 毅, 山田 岳史, 内田 英二
    原稿種別: 特  集
    専門分野: 「侵襲時の生体反応を改善する新しい試み」
    2017 年 51 巻 4 号 p. 157-164
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/02/22
    ジャーナル フリー
     手術侵襲などによる組織障害や感染が生じた生体では,障害・感染を受けた部位のみならず全身からさまざまな外因性・内因性のメディエーターが放出される.リゾリン脂質は,近年の研究により多彩な生理活性を有する脂質メディエーターとして注目されており,その免疫学的作用も豊富であることから侵襲後の炎症性生体反応にも大きく関与している可能性が高い.本稿では主要なリゾリン脂質であるリゾホスファチジルコリン(lysophosphatidylcholine:LPC), リゾホスファチジン酸(lysophosphatidic acid:LPA), リゾスフィンゴシン脂質(スフィンゴシン-1- リン酸(sphingosine 1-phosphate:S1P)の3 つに焦点を当て,手術侵襲後の炎症性生体反応における役割について,自験結果に文献的考察を加え概説する.
  • 延原 浩, 眞次 康弘, 伊藤 圭子, 板本 敏行
    原稿種別: 特  集
    専門分野: 「侵襲時の生体反応を改善する新しい試み」
    2017 年 51 巻 4 号 p. 165-174
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/02/22
    ジャーナル フリー
     周術期口腔ケアは術後肺炎や口腔癌の手術部位感染(SSI)予防に効果があるといわれてきた.心臓外科や整形外科領域におけるSSI 予防効果を示す報告は散見するが,消化器外科におけるSSI など感染性合併症予防効果の報告は少なく不明な点が多い.消化器外科手術のなかでも外科的侵襲が大きく,術後合併症が多いとされる膵頭十二指腸切除術に対して術前から口腔ケアを実施すると,感染性合併症の減少を認めた.口腔細菌が全身に影響を及ぼす機序として,気管や消化管への直接移行,局所からの血行性・リンパ行性移行,エンドトキシンや炎症性サイトカインによる影響などが報告されている.消化器外科手術においては,消化管に流入する細菌の量的かつ質的制御,口腔内感染症の術前治療などが感染性合併症減少につながった可能性がある.今後,さらなる有効性の検証や,より効果的な口腔ケア介入方法の検討が望まれる.
  • ~「術前栄養+エクササイズプログラム」の概要
    山本 和義, 永妻 佑季子, 福田 泰也, 西川 和宏, 平尾 素宏, 鳥山 明子, 中原 千尋, 宮本 敦史, 中森 正二, 関本 貢嗣, ...
    原稿種別: 特  集
    専門分野: 「侵襲時の生体反応を改善する新しい試み」
    2017 年 51 巻 4 号 p. 175-182
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/02/22
    ジャーナル フリー
     加齢に伴う筋力,身体機能の低下と定義されるサルコペニアは各種疾患でその概念が普及し,治療アウトカムにおける影響が盛んに報告されている.われわれも高齢胃癌患者におけるサルコペニア症例が非サルコペニア症例にくらべて術前摂取エネルギー量,タンパク質量が有意に少なく,サルコペニアが胃癌術後の重篤な合併症発生の独立したリスク因子であることを報告している.つぎのステップとして,初診時にサルコペニアと診断された65 歳以上の高齢胃癌術前患者を対象にして,エクササイズとしてハンドグリップ,ウォーキング,レジスタンストレーニング,栄養介入として1 日28kcal/kg(IBW)のエネルギー量と1.2g/kg(IBW)のタンパク質の摂取およびβ-hydroxy-β-methylbutyrate(HMB)の補充を推奨する,「術前栄養+エクササイズプログラム」を作成・実践しているので,その概要について報告する.
原  著(臨床研究)
  • 吉松 和彦, 佐川 まさの, 横溝 肇, 矢野 有紀, 岡山 幸代, 佐竹 昌也, 佐久間 晶子, 松本 敦夫, 藤本 崇司, 浅香 晋一, ...
    原稿種別: 原  著(臨床研究)
    2017 年 51 巻 4 号 p. 183-190
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/02/22
    ジャーナル フリー
    【目的】大腸癌患者における術前のControlling Nutritional Status(CONUT)score の臨床的意義を明らかにする目的で検討した.
    【対象と方法】大腸癌切除を施行した351 例を対象に,surgical site infection(SSI)発生との関連からCONUT score cut-off 値をReceiver operating characteristic curve(ROC 曲線)を用いて求め,5 年生存率との関連をみた.
    【結果】SSI 発生頻度(≧Grade II)は9.1%(32 例)で,CONUT score cut-off 値は3.0(AUC;0.66,感度63%,特異度74%,95% CI;0.54-0.76)であった.CONUT score>3.0 の5 年生存率は38.5%で,CONUTscore≦3.0 の78.4%と比較して低かった(<0.001).
    【結語】大腸癌患者において,術前のCONUTscore>3.0 では,SSI 発生頻度が高く予後不良であった.CONUT を指標に術前患者に対する栄養介入でこれらの改善が可能か検討する必要がある.
臨床経験
  • 河原 秀次郎, 秋葉 直志, 矢永 勝彦
    原稿種別: 臨床経験
    2017 年 51 巻 4 号 p. 191-195
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/02/22
    ジャーナル フリー
    【目的】直腸前方切除術におけるDPC を考慮した術後在院日数の合理的な短縮法について検討した.
    【対象および方法】当科で施行された直腸前方切除術でdouble stapling technique 再建施行例中,一時的人工肛門非造設例を対象にprospective に検討した(2011~2014 年).クリニカルパスで縫合不全や腸閉塞などの合併症非発生例では術後4 日目に食事を開始した.食事は3 分粥から開始し,1 日ごとに内容をステップアップした.
    【成績】登録100 人(平均年齢64.3(32-90)歳,男52 人,女48 人)の術式の内訳は高位前方切除術33 人,低位前方切除術は67 人であった.術後縫合不全はみられず全例が術後4 日目に食事が開始でき,術後7 日目に常食が摂取可能であった.術後在院日数は10.8(10-14)日であった.
    【考察】在院日数が14 日のDPC に適応するには,手術2 日前に入院して手術を施行した場合,術後11 日以内の入院になる.われわれのクリニカルパスは術後4 日目から食事を開始しても術後在院日数が10.8 日であったため,合理的な管理法と考えられた.
記  録
巻  末
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