【目的】大腸癌患者における術前のControlling Nutritional Status(CONUT)score の臨床的意義を明らかにする目的で検討した.
【対象と方法】大腸癌切除を施行した351 例を対象に,surgical site infection(SSI)発生との関連からCONUT score cut-off 値をReceiver operating characteristic curve(ROC 曲線)を用いて求め,5 年生存率との関連をみた.
【結果】SSI 発生頻度(≧Grade II)は9.1%(32 例)で,CONUT score cut-off 値は3.0(AUC;0.66,感度63%,特異度74%,95% CI;0.54-0.76)であった.CONUT score>3.0 の5 年生存率は38.5%で,CONUTscore≦3.0 の78.4%と比較して低かった(<0.001).
【結語】大腸癌患者において,術前のCONUTscore>3.0 では,SSI 発生頻度が高く予後不良であった.CONUT を指標に術前患者に対する栄養介入でこれらの改善が可能か検討する必要がある.
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