外科と代謝・栄養
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最新号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
特集「腸管リハビリテーションUpdate」
  • 奥山 宏臣
    2020 年 54 巻 6 号 p. 217-220
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/01/15
    ジャーナル フリー
  • 金森 豊, 渡辺 稔彦
    2020 年 54 巻 6 号 p. 221-228
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/01/15
    ジャーナル フリー
     われわれは, 腸管機能不全症に対する腸管リハビリテーションの中で, 腸内細菌叢コントロールは核となる重要な治療の一つと考えている. これまでにビフィズス菌, 乳酸菌, オリゴ糖を使用した治療的シンバイオティクス療法やビフィズス菌, 乳酸菌, 母乳を用いた予防的シンバイオティクス療法という新しい腸内細菌叢コントロール療法を腸管機能不全症患児に施行してその効果を示してきた. 短腸症や腸管蠕動不全症の患児に対するプロバイオティクスを用いた腸内細菌叢コントロールの効果は, 腸内細菌叢を安定化させ重症感染症を予防することと, 腸管機能を賦活化して栄養状態を改善することである. 最近では小児外科疾患に特有の結腸を使用しない患児における腸内細菌叢がどのようなものかを検討し, 同疾患に対する今後の腸内細菌叢コントロールの在り方を検討して若干の治験を得たので報告する. また最近脚光を浴びている腸内細菌叢移植に関して, 小児に対して腸管リハビリテーションの有用なツールになりうるかを考察する. 最後に乳幼児の腸内細菌叢コントロールを考えるにあたっての示唆に富むいくつかの新しい腸内細菌叢に関する研究報告を紹介する.
  • 武藤 充, 加治 建, 矢野 圭輔, 大西 峻, 山田 和歌, Lim DW, 長野 綾香, 松井 まゆ, 松久保 眞, Turner JM ...
    2020 年 54 巻 6 号 p. 229-233
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/01/15
    ジャーナル フリー
     本稿では短腸症候群に焦点をあて, ペプチド成長因子を用いた残存腸管順応誘導について最近の知見を報告する. われわれは, ghrelin, glucagon‐like peptide‐2 (GLP‐2), epidermal growth factor(EGF)に注目している. Ghrelin投与は完全静脈栄養管理中の腸管粘膜委縮を抑制し, 吸収面積拡張にも寄与することが分かった. GLP‐2治療は, 腸切除後早期に行うとより効果的であると推測された. GLP‐2とEGFは相乗して粘膜透過性を抑制し, 腸管バリア機能強化に寄与することが分かった. 現在臨床応用されているペプチド成長因子はGLP‐2 analogのみであるが, さらに複数を組み合わせることで, より効果的に残存腸管順応を推進することが可能かもしれない. Ghrelin, EGFはその候補としてあげられる. これら因子の至適組み合わせ, 適正な投与タイミング, 量などに関する検討は今後の課題である.
  • 田附 裕子, 上野 豪久, 奥山 宏臣
    2020 年 54 巻 6 号 p. 234-240
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/01/15
    ジャーナル フリー
     中心静脈栄養 (total parenteral nutrition : TPN) が必須の腸管不全患者において, 中心静脈カテーテル (central venous catheter : CVC) の管理は, 重要な腸管リハビリテーションの一つである. しかし, 長期TPN患者においては, 種々の合併症が生じうる. 中でも, カテーテル関連血流感染症 (catheter‐related bloodstream infection : CRBSI), CVC留置が可能なアクセス中枢ルートの減少, そして静脈栄養関連肝機能障害 (parenteral nutrition associated liver disease : PNALD) は在宅中心静脈栄養を継続する患者においてQOLの低下だけでなく予後に関わる重篤な合併症である.
     今回,従来のCVCガイドラインでは明確な記載がされていないが,最近実施されている合併症の減少を目指したCVC管理にについて紹介する.
  • 加治 建, 大西 峻, 矢野 圭輔, 長野 綾香, 松井 まゆ, 杉田 光士郎, 春松 敏夫, 山田 耕嗣, 山田 和歌, 松久保 眞, 武 ...
    2020 年 54 巻 6 号 p. 241-244
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/01/15
    ジャーナル フリー
     腸管リハビリテーションプログラムとは, 腸管不全患者の最終的な治療目標である経口あるいは経腸栄養の確立にむけてのさまざまな取り組みである. なかでも, 長期にわたる静脈栄養管理中に起こる腸管不全関連肝障害 (intestinal failure associated liver disease : IFALD) の予防, 治療が患者の生命予後に大きく影響する. FALDの原因としてさまざまな要因が考えられてきたが, 中でも大豆由来脂肪乳剤の影響について研究が行われ, IFALD治療には100%魚油由来脂肪乳剤の有効性が報告されてきた. また, 新規混合脂肪乳剤も欧米では認可され, 臨床経験も集積されてきた. これまでの研究結果から各脂肪乳剤の肝臓に及ぼす影響とその効果について解説する. 加えて, 自施設で行ってきた短腸症候群ラットモデルを用いた各種脂肪乳剤によるIFALDに関する研究では大豆由来脂肪乳剤によるhepatic steatosis, いわゆるNAFLDが起こり, 魚油由来脂肪乳剤ではhepatic steatosisが軽減し, T/T比は正常範囲内であることが明らかになった.
  • 増本 幸二
    2020 年 54 巻 6 号 p. 245-250
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/01/15
    ジャーナル フリー
     短腸症候群に対する包括的治療プログラムとして,腸管リハビリテーションが知られるようになった. その中の外科的な治療法の1つに,腸管延長術がある. その延長術にはintestinal loop lengthening procedureとserial transverse enteroplasty (STEP法) の2つがある. どちらの術式も, 残存小腸が拡張し, 腸管内容が停滞する状態となった場合に行われている.その2つの中で,小児短腸症候群患者では,残存腸管の自律性確立の効果が期待できることから,STEP: 法が広く使われるようになってきている.
     本稿では, 著者のSTEP法の経験とともに, 施行するにあたっての適応やその効果, 施行時, 施行後の注意点などについて, 文献的考察を行い, STEP法の有用性について概説した.
  • 和田 基
    2020 年 54 巻 6 号 p. 251-255
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/01/15
    ジャーナル フリー
  • 若林 秀隆
    2020 年 54 巻 6 号 p. 256-259
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/01/15
    ジャーナル フリー
     狭義の腸管リハビリテーション (以下リハ) は,≒腸管機能改善と使用されることが多い. 一方, 広義の腸管リハは, 腸管不全障害のある方の生活機能やQOLを最大限高めることである. 広義の腸管リハには, リハ栄養の考え方が有用である. リハ栄養とは, 国際生活機能分類による全人的評価と栄養障害・サルコペニア・栄養素摂取の過不足の有無と原因の評価, 診断, ゴール設定を行ったうえで, 生活機能やQOLを最大限高める「リハか, みた栄養管理」や「栄養からみたリハ」である. 低栄養は, GLIM基準で診断する. サルコペニアは, Asian Working Group for Sarcopenia2019基準で診断する. 腸管不全患者では, 加齢, 低活動, 低栄養, 疾患とサルコペニアの原因をすべて認めることがある. 腸管不全患者では, 複数の原因による栄養素の摂取不足を認めることがある. リハとは, 機能訓練や機能改善だけでなく, 生活機能やQOLをできる限り高め, その人らしくいきいきとした生活ができるために行うすべての活動である. 狭義と広義, 両者の腸管リハがさらに発展することを期待したい.
原著(臨床研究)
  • 土屋 尭裕, 土屋 誉, 柹田 徹也, 及川 昌也
    2020 年 54 巻 6 号 p. 260-265
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/01/15
    ジャーナル フリー
     はじめに: 内因子が減少する胃切除術後におけるビタミンB12欠乏と,その補充療法について詳細に検証した報告は少ない. 対象と方法: 【検証1】胃切除術後患者の血清ビタミンB12値と術後経過期間の関係を調べた. 【検証2】血清ビタミンB12値が低値であった症例にメコバラミンの経口投与を行いその有効性を検証した. 【検証3】胃全摘術患者を対象に術前および術後1年時点での血清ビタミンB12値を測定しその推移を確認した. 結果: 胃全摘術後では5年以内でも約7割の症例で血清ビタミンB12値が低値であった. メコバラミンは経口投与にても血清ビタミンB12値の改善効果を示した. 胃全摘術後では血清ビタミンB12値は術後1年で基準値を下回った. 結語: 胃切除術後では早期よりビタミンB12が減少しており測定と補充が重要であるが, その方法として経口投与は有用である.
症例報告
  • 福島 尚子, 青木 寛明, 河野 修三, 小川 匡市, 矢永 勝彦
    2020 年 54 巻 6 号 p. 266-271
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/01/15
    ジャーナル フリー
     胃癌術後合併症として縫合不全や胃内容排泄遅延がある. Double elementary diet tube (W‐ED®tube) は2重管構造で, 管腔の一方は栄養用でチューブの先端に, もう一方は減圧用で先端から40cm口側に開孔している. 今回, 減圧かつ経腸栄養が必要な4症例にW‐ED®tubeによる管理を行った. 症例1: 73歳, 男性. 胃全摘後縫合不全に対し術後10日目に挿入し23日間留置した. 症例2: 84歳, 男性. 胃全摘後縫合不全に対し術後11日目に挿入し28日間留置した. 症例3: 85歳, 男性. 幽門側胃切除後胃内容排泄遅延に対し術後16日目に挿入し26日間留置した. 症例4: 75歳, 男性. 幽門側胃切除後胃内容排泄遅延に対し術後29日目に挿入し28日間留置した. 全例抜去後, 経口摂取可能となり, 独歩で退院した. W‐ED®tubeは, 簡便に留置でき, 胃癌術後合併症管理に有用であると思われた.
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