土壌の物理性
Online ISSN : 2435-2497
Print ISSN : 0387-6012
109 巻
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  • 山田 一郎
    2008 年 109 巻 p. 1
    発行日: 2008年
    公開日: 2021/09/09
    ジャーナル フリー
  • 平井 優也, 森 也寸志, 宗村 広昭, 江草 直和, 森澤 太平
    2008 年 109 巻 p. 3-14
    発行日: 2008年
    公開日: 2021/09/09
    ジャーナル フリー
    流域管理において,面源負荷源たる森林,畑地,水田の広域調査では,迅速かつ非破壊の試験方法が望まれる。そこで,非破壊土壌環境モニタリング技術として,森林,水田,果樹園,茶畑で多周波数電磁探査を行い,水分の増減や施肥による電気伝導度の変化,また土地利用の違いを面的に,かつ鉛直方向に調査した。従来法による表層電気伝導度は最高周波数から得られる値とほぼ一致し,森林での降雨前後や水田での湛水前後の変化,畑地での施肥の影響を示すことができた。圃場の水分の増加は深部にわたる伝導度の増加,施肥による影響は表層付近の伝導度の増加として区別することができ,多深度調査ができる利点が得られた。土地管理の違いを伝導度の違いとして表すことができ,流域全体での管理を行う場合に非常に有効であることを示すことが出来た。これらの値の変化は数十mSm-1以下で生じており,従来示されてきた探査よりずっと低濃度である。このような低濃度を示す農林地で,多周波数による検証を行った例は恐らく初めてで,圃場管理や流域水管理など多周波数電磁探査機の土壌環境計測への可能性を示すことが出来た。
  • 齊藤 忠臣, 藤巻 晴行, 安田 裕
    2008 年 109 巻 p. 15-26
    発行日: 2008年
    公開日: 2021/09/10
    ジャーナル フリー
    誘電率水分計は,その出力値が温度に依存することが知られており,正確な土壌水分決定のためには校正が必要である。本研究では,静電容量法を採用した安価な誘電率水分計として知られるECH2O土壌水分プローブ(Decagon Devices)を対象とし,室内実験を用いた温度依存性の補正手法を提示した。供試土に中国黄土高原の黄土を用い,水分量が既知の土壌に温度変化を与え,出力値•水分•温度の関係を明らかにした上で,経験的な校正式を導いた。また,校正試験の結果を元に,本プローブの温度依存性の理論的背景に関する考察を行った。さらに,得られた校正式を中国黄土高原における土壌水分モニタリング結果に対し適用し,校正式の妥当性と乾燥地環境下における温度依存性校正の重要性について検討した。
  • 小原 洋, 高橋 智紀, 細川 寿
    2008 年 109 巻 p. 27-44
    発行日: 2008年
    公開日: 2021/09/10
    ジャーナル フリー
    大豆は水田の転換作物として広く全国的に栽培されているが,東海,西南日本,北海道等でクラストによる発芽不良が問題となっている。本研究では,土壌の性質からクラストの障害が起こりやすさを推定する上での基礎的知見を得るため,全国から収集した土壌27点を用いて,人工降雨装置によりクラス卜発生させ,その特徴と土壌の理化学性•粘土鉱物との関係を調べた。37 mm/時の人工降雨により,全サンプルで形態的にはクラストと見なされるもの(2サンプルでは部分的)が形成された。クラストの性質と 土壌の性質の間の関係では,透水性低下率は耐水性団粒平均直径との間で最も高い相関を示した。クラストの硬度は,シルト含量と正の相関,酸性シュウ酸塩可溶A1と負の相関を示した。亀裂面積は主に粒径組成と相関が認められた。クラストの性質と粘土鉱物との関係では,カオリナイトとバーミキュライトのX線ピークが不明瞭な土壌及びスメクタイトのピークがきわめて明瞭な土壌で硬度が低いという関係が認められた。
  • 濱田 浩正, 渡部 洋己, 諸泉 利嗣, サックスクチャン ソム
    2008 年 109 巻 p. 45-50
    発行日: 2008年
    公開日: 2021/09/10
    ジャーナル フリー
    東北タイは透水性の良い砂質土が広く分布している。そのため,地表に到達した降水は地下に浸透することが想定されるが,その一方で表面流出による土壌侵食の被害も報告されている。本研究は,東北タイの砂質土の傾斜地を試験地として表面流出の発生のメカニズムについて検討した。試験地は, 1 m厚の砂質土の下に難透水層の粘土が存在する。そのため,砂質土内に浸透した水は粘土層の上に貯留され,降水量が砂質土の土壌水分貯留容量を超えた時,超過分が表面流出となるものと仮定して解析を実施した。土壌水分貯留容量は,プロファイルプローブで測定した砂質土の最大水分量と測定した水分量の差と定義した。解析の結果,表面流出量は全降水量の約 30 %と算出され,表面流出が発生すると推定 された時期とその表面流出が流入するため池の水位上昇の時期が一致した。
  • 花山 奨, 粕渕 辰昭, 安中 武幸
    2008 年 109 巻 p. 51-56
    発行日: 2008年
    公開日: 2021/09/10
    ジャーナル フリー
    Fujimaki et al. (2000)によって提案された田面水の対流速度を測定する装置の改良を行った。センサーに気泡がつくことで測定値に影響がでることを確認し,気泡を付着させない装置を作製した。また,測定機器の作動に必要な交流電源を確保しにくい圃場での測定を可能にするため,直流電源で測定できるよう測定装置を改良した。そして,この改良装置を用いて現地圃場で測定した結果,改良装置は十分な測定能力を有すると判断された。
  • 矢崎 友嗣, 庄子 侑希, 登尾 浩助
    2008 年 109 巻 p. 57-65
    発行日: 2008年
    公開日: 2021/09/10
    ジャーナル フリー
    水田の温室効果ガス挙動を理解するには,湛水深の経時的な測定が欠かせない。本稿では,time domain reflectometry (TDR)法を用いて,簡便に水位を測定する手法を紹介した。室内実験の結果, さまざまなロッド長のTDRプローブで測定した水深は,水深が大きいときに実測の水深と一致し,TDR法を用いれば水深が測定できることが確認された。水田における測定の結果,降雨日にノイズが現れる可能性が示唆されたものの,20 cm長のTDR ロッドを使ったTDR水位計の水位は,圧力式水位計の値と root mean square error (RMSE) 0.28cm でよく一致した。
  • 小宮 康明, 新城 俊也
    2008 年 109 巻 p. 67-74
    発行日: 2008年
    公開日: 2021/09/10
    ジャーナル フリー
    粒度試験(JIS A1204)では,ふるい分析結果と沈降分析結果がうまく接続しないことがある。これは浮ひょうを用いる沈降分析ではさまざまな原因から誤差が発生し,加積通過率や粒径の計算に誤差が含まれるためと言われている。このことを試算によって明らかにした。また,浮ひょうの器差,水の密度誤差,水の粘性係数誤差を明らかにし,これらによって補正した沈降分析結果は追加した 45 μmふるい, 32 μmふるい, 20 μmふるいによるふるい分析結果とおおよそ一致することを確認した。簡便な修正方法として, 32バmふるいによるふるい分析を追加し,粒径 32 μmにおけるふるい分析と沈降分析の加積通過率の差を沈降分析に含まれる定誤差とみなし,この誤差を沈降分析の加積通過率から差し引く方法は有用である。
  • 登尾 浩助
    2008 年 109 巻 p. 75-79
    発行日: 2008年
    公開日: 2021/09/11
    ジャーナル フリー
  • 溝ロ 勝
    2008 年 109 巻 p. 81-82
    発行日: 2008年
    公開日: 2021/09/11
    ジャーナル フリー
  • 中村 公人
    2008 年 109 巻 p. 85
    発行日: 2008年
    公開日: 2021/09/11
    ジャーナル フリー
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