日本ストーマリハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8806
Print ISSN : 0916-6440
20 巻, 1 号
20巻1号(通巻51号)
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
表紙
学会総会報告
第21回学会シンポジウム
原著
  • 上加世田 豊美, 石川 眞里子, 溝上 祐子, 江口 忍, 島田 憲次, 林 奐, 橋都 浩平, 中條 俊夫, 川村 猛, 沼田 悟
    2004 年 20 巻 1 号 p. 39-44
    発行日: 2004年
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル フリー
     日本小児ストーマ研究会(現在は「日本小児ストーマ排泄管理研究会」以下本研究会と略)装具等検討委員会において、乳児の退院後用ストーマ装具(一品型)の検討を行った。アルケア(株)の協力により試作品(以下本品と略)を作製し、本研究会会員有志に試用して頂き、その試用状況についてアンケートを行った。試用申し込みのあった20施設49例のうち回答のあったのは14施設32例であり、回収率は65.3%であった。そのうち、本品は乳児用装具であることから、試用時の体重が1歳児の平均体重を超える2例を除き、30例で検討を行った。製品全体の評価については、「良い」が12例、「普通」が9例と70%が使用できるとの評価であった。今後については30例中10例が「使用しない」であり、その理由は、現在の装具に慣れている、漏れやすい、面板とバッグとの連結部(以下フランジと記す)の漏れなど、多くは使用者の慣れや使用方法によると考えられた。乳児期の装具が少なく装具選択の幅が少ない現状にあって、貼付時間、皮膚保護剤の溶解程度、フランジやバッグの形態、皮膚保護作用、全体評価などから、本品は有用であると考える。
  • 畠山 義子, 登坂 有子, 浦野 理香
    2004 年 20 巻 1 号 p. 45-50
    発行日: 2004年
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル フリー
     在院日数の短縮化がすすむ中、ストーマリハビリテーションへの影響が懸念される。そこで全国の中核病院440病院を調査し、影響の有無と理由を明記した98施設の結果を分析 した。結果、66.3%が<影響あり>と回答した。その理由は、セルフケアの未確立での退院、心理的サポート不足から不安を抱えての退院や転院、等で患者への影響を理由としたものが85.7%を占めた。<影響なし>の理由は、受け持ち患者制度やストーマケア専門職の導入、ストーマ外来の設置、また、早期から指導を開始、継続看護の充実等であった。<影響なし>と回答した施設の対応は、今後さらに加速する在院日数の短縮化への対応として示唆を与えるものと考える。
症例報告
  • 佐藤 明代, 小橋 重親
    2004 年 20 巻 1 号 p. 51-55
    発行日: 2004年
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル フリー
     患者は、ストーマ造設後20年以上経過しストーマ合併症を抱え、排便方法を自己流で対応し過ごしていた。その間、特に就業への問題を抱えていたこれらオストメイト2例に対しストーマ再造設を行った。ストーマトラブルにより身体的・精神的・社会的にも問題を抱え複雑になってしまった場合、看護介入での問題解決は不可能と判断し、再手術を行なうべきであると考える。再造設は容易ではないが、その際術前検査やリスクの検討、サイトマーキングをしっかり行なう事で、問題なく実施できた。特にストーマサイトでは、患者の意見を可能な限り尊重し実施することが重要である。その結果満足度の高いストーマが作られ、自己管理も容易となりQOL向上の一手段になったと考えられた。
  • 河島 秀昭, 樫山 基矢
    2004 年 20 巻 1 号 p. 56-59
    発行日: 2004年
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル フリー
     粘膜皮膚移植は,ストーマ管理を困難にするまれな合併症である.今回われわれは,液体窒素による凍結治療を行い良好な結果を得た1例を経験したので報告する.症例は77歳 男性.再発直腸癌に対し2001年8月29日ハルトマン手術を行った.人工肛門はS状結腸の単孔式ストーマで,術後7ヶ月目に人工肛門周囲にわずかなびらんが発生し,14ヶ月目に発赤した隆起として認められた.生検で粘膜移植と診断し,液体窒素による凍結療法を施行したところ一回の治療で完治した.凍結療法は,粘膜移植に対する治療として比較的簡便に行えるので治療法の選択肢の1つとして有用と思われた.
臨床速報
  • 松井 禎子, 長谷 陽子, 藤田 ひと美, 塚田 邦夫
    2004 年 20 巻 1 号 p. 60-65
    発行日: 2004年
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル フリー
     ストーマ装具メーカー5社のガス抜きフィルター付きストーマ袋のフィルターの問題点について水様便を想定して実験を行い検討した。漏れ実験では全14製品のうち5製品に漏れがみられた。目詰まり実験では、全14製品のうち8製品で目詰まりがみられた。漏れも目詰まりもしなかった装具は6製品であった。オストメイトの日常生活においてストーマ袋ガス抜きフィルターの漏れと目詰まりは大きな問題点になる。ガス抜きフィルター付きのストーマ袋は割高であり、しかも、漏れたり目詰まりするため、使用を躊躇するオストメイトが多い現状がある。我々の実験で明らかなようにストーマ袋のガス抜きフィルターは今後さらに改善が必要である。
地方会抄録(地域研究会記録)
編集後記
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