皮膚保護剤使用例のストーマ周囲皮膚状況と皮膚保護剤粘着特性を検討した結果,保護剤の慢性障害はCMC系に高く,混合,カラヤ系で低かった。粘着特性はCMC,混合系は高粘着性,,カラヤ系は低粘着性を示した。これらより以下のことが推論される 1)CMC系では高粘着性による物理損傷と修復が高頻度で繰り返されているのではないか。2)高粘着性の混合系の皮膚障害発生率が低いのは,CMCにはなく混合系には存在するカラヤカムが損傷治癒を促進しているのではないか。
カラヤガムはストーマ装具としては物性的な欠点があるが,極めて優れた皮膚保護作用とともに,ドレッシング材としても優れた特性を持つ。今後の保護剤開発は,カラヤを中心とした配合設計の工夫か,あるいはカラヤを越える親水ポリマーを見出すかの両面からの取り組みが必要である。
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