表面科学
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10 巻, 11 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 表面核融合の提唱
    太田 時男
    1989 年 10 巻 11 号 p. 896-900
    発行日: 1989/12/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    1989年3月23日にユタ大学とサザンプトン大学の2人の研究者によってアナウンスされたcold fusion(常温核融合)の可能性は,comfusion(condenced matter confinement nuclear fusion)と呼ばれ,もし実際に起りうるとすれば今世紀有数のトピックスとなる。一方,ミュオン核融合の研究は10年以上の歴史を持ち,ブリガムヤング大では,これに類似の現象が観測されたと主張する。 本稿は水素エネルギーの立場から,金属水素化物と重水電解系の界面でのダイナミックな非平衡系で核融合が可能なことを提唱する。この現象は,まだよく知られていないこともあって,特に今日までのcold fusion研究の経緯について述べ,理解を容易にした。 要点はcold fusionは優れて表(界)面の特徴的現象でsurfusionとも呼ばれてよいことも併せて提案した。
  • 小谷 正博
    1989 年 10 巻 11 号 p. 901-907
    発行日: 1989/12/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    固体,液体の表面で起こる光学的非線形現象(第2高調波発生SHG,和周波数発生SFG)を利用して表面をしらべる可能性について概説する。表面はバルクの構造が途切れているということのために対称性がおちて,反転対称が失われている。このためバルクではSHGが禁制であるような系でも表面ではこの禁制は解けている。 ここ数年さかんになりはじめた表面の非線形光学の研究について現状を紹介し,あわせてわれわれのグループでみつけた強い面内配向を示す色素薄膜についての研究経過をのべる。表面でおこる非線形光学現象は金属,半導体,イオン結晶,分子性結晶,さらには液体表面などの研究にも使われはじめている。
  • 一宮 彪彦
    1989 年 10 巻 11 号 p. 908-917
    発行日: 1989/12/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    実際の結晶表面は表面層としての2次元結晶の下に3次元バルク結晶が接続している。ここではバルクによる電子線の屈折による回折波の方向の変化とそれによるRHEED図形について,種々の表面の例について述べる。
  • 小宮山 政晴
    1989 年 10 巻 11 号 p. 918-924
    発行日: 1989/12/20
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
     走査型トンネル顕微鏡 (STM) を用いたナノメーターレベルでの固体表面の超微細加工について紹介した。STMによる超微細表面加工の手法を, 1) 機械的加工, 2) 電気的加工, 3) 熱的加工, 4) 化学的加工, 5) 液体中での加工の5つに分類し, 各々の原理を解説した。また各手法による超微細表面加工の例を示し, 作成された構造の大きさや密度を比較した。
  • 白鳥 昌之
    1989 年 10 巻 11 号 p. 925-932
    発行日: 1989/12/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    本論文は,現在実用化されているガスセンサについて,半導体式センサを中心に解説したものである。半導体式センサは接触燃焼式あるいは熱線半導体式と同じく,主として可燃性ガス検出用に用いられ,その他固体電解質式及び隔膜ガルバニ電池式センサは酸素センサとして,また定電位電解式は特殊ガス用に使用されている。半導体式センサの構造は直熱型と傍熱型に大別でき,傍熱型はさらに半導体と触媒材料の一体型と,触媒材料が分離して形成された2層構造型の2種がある。半導体式センサによるガス検出は,半導体表面において吸着酸素と被検ガス(還元性ガス)との酸化反応が起こり,その結果,吸着酸素から半導体へ電子が移行することによって生じる半導体の電気伝導度変化を用いたものである。吸着酸素については,TPDあるいはオージェ分光法等で調べられている。酸素を含めた各種気体の反応性は用いる触媒に大きく依存し,種々のガス感度特性,選択性が得られることになる。現在実用化されているセンサの半導体材料としては酸化スズが大半を占めており,その他酸化亜鉛,酸化鉄が一部使用されている。
  • 平坂 雅男, 佐藤 和彦, 浅野 光夫, 橋場 正男, 山科 俊郎
    1989 年 10 巻 11 号 p. 933-938
    発行日: 1989/12/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    Stainless steel films with various contents of Cr were formed by sputtering a 304-type stainless steel plate with different numbers of Cr tips as the target. The concentration of Cr in these films were determined by AES analysis using the 304-type stainless steel as a standard specimen. The concentration of Cr in the films evaluated by AES analysis was higher than that determined by atomic absorption analysis with an increasing Cr content. This difference was not explained in terms of the crystallinity of the films and was considered to be caused by a matrix effect. The hydrogenated amorphous silicon solar cells were made on those stainless steel films used as backside electrodes, and the photovoltaic properties of the cells were characterized. The cell made on the stainless steel film with Cr content of 23% showed the best conversion efficiency.
  • 土佐 正弘, 吉原 一紘
    1989 年 10 巻 11 号 p. 939-940
    発行日: 1989/12/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    We investigated the diffusion phenomena of Ti in Nb film prepared with a r. f. magnetron sputtering method. The in-situ observation with Auger electron spectroscopy (AES) showed that Ti appeared on the surface of Nb film on Ti deposited Cu substrate by heating the sample at more than 748K in a high vacuum. The diffusion coefficient of Ti in Nb film was estimated by the AES observation of the Ti diffusion onto the surface of Nb film. It was found that the diffusion coefficient of Ti in Nb film was about 105 times as large as that in Nb bulk. We considered that this mechanism was due to the diffusion of Ti at the interface of nodule in Nb film.
  • 対馬 勝年
    1989 年 10 巻 11 号 p. 941-943
    発行日: 1989/12/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    氷の滑りの関与する身辺の問題と,各種の氷の摩擦説を紹介し,最後に氷の摩擦に関する最新の話題について述べた。
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