Si/Ge系を用いた超格子などの微細構造電子デバイスの作成法として,原子層エピタキシー法が検討されている。本稿では,このIV族半導体の原子層エピタキシー法を原子層エピタキシー法の新しい研究動向として捉え,まず,これを実現するためのプロセスとその基本となる表面反応機構に関する研究について,これまでの報告例を基に紹介する。また,特に,Si
2H
6(disilane)/Si(100)2×1系を取り上げ,原子層エピタキシー法の基本原理である自己停止機構を得るために必要な飽和吸着現象に関する表面反応機構の解析結果について詳述する。次に,同系に対してArFエキシマレーザー光の照射を行ったときの表面励起反応の機構について述べ,さらに,これらの表面反応機構をSiの原子層エピタキシー法へ応用する場合の可能性について言及する。
抄録全体を表示