表面科学
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12 巻 , 6 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 広中 清一郎
    1991 年 12 巻 6 号 p. 348-352
    発行日: 1991/08/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    トライボロジーがいかに界面科学とかかわりをもった科学であるかを概観し,そのうち極性化合物のトライボロジー特性(特に摩擦低減作用,耐摩耗性)について概説する。脂肪酸などの極性化合物は,その分子構造の相違によりトライボロジー特性を大きく異にする。これは極性化合物の摩擦表面への吸着熱,表面に形成される潤滑膜の油膜強度,吸着分子の配向などの相違によることを著者らの研究結果を中心に議論する。
  • 羽田 肇, 田中 順三
    1991 年 12 巻 6 号 p. 353-358
    発行日: 1991/08/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    セラミックス粒界の組成と状態を評価する手法として,SIMSとSAMが最近盛んに用いられるようになってきている。空間分解能・対象元素・状態分析といった,この2つの手法の特徴と限界について概説する。SIMSとSAMを利用した粒界研究の例として,酸化物セラミックス中の酸素イオンや添加物の粒界拡散,粒界付近の構成元素の分布の測定結果について述べるとともに,添加物による粒界の酸化還元状態の変化についてふれる。
  • 篠田 純雄, 山川 哲
    1991 年 12 巻 6 号 p. 359-366
    発行日: 1991/08/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    γ-アルミナ,ゼオライト上のモリブデンカルボニル吸着種を例として,NMR分光法による化学吸着種のキャラクタリゼーションの方法を解説した。固体(多結晶)Mo(CO)613C化学シフト異方性粉末スペクトルに対比して,種々の条件で測定された化学吸着サブカルボニル種(Mo(CO)6(ads),Mo(CO)3(ads))の13CNMRスペクトルは,表面上での構造および運動性に基づいて解釈できる。Mo(CO)5(ads)/γ-アルミナにおけるシス位およびトランス位カルボニル間の特徴的な違いから,この吸着種はMo-表面の結合を軸とするほとんど自由な回転(≫105s-1)を行っていると考えられる。これと対照的に,段階的なMo-O結合の切断を伴うと思われるMo(CO)3(ads)/γ-アルミナでの回転はずっと束縛されている(~220s-1)。一方,NaXゼオライトのスーパーケージ中,高温(>400K)において,Mo(CO)3フラグメントのカルボニルの配向はランダムとなっていることから,3次元的な広がりをもつスーパーケージの中での速い等方的な運動が示唆される。関連分野におけるNMR分光法の適用性についても簡単に議論した。
  • 一村 信吾, 後藤 敬典
    1991 年 12 巻 6 号 p. 367-374
    発行日: 1991/08/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    表面分析において必要となる電子・イオンなどの荷電粒子の検出方法を,アナログ検出法とデジタル検出法に分けて紹介し,それぞれの特徴・検出限界について解説した。アナログ検出法では,エレクトロメータを用いた検出法を取り上げ,電荷増幅のために使用する電子増倍管とエレクトロメータとの信号接続法を含めて議論した。デジタル検出法については,これまで多用されてきたパルスカウント法と,並列検出に対応できて感度向上が図れるため最近利用の進んでいるポジションセンシティブ検出器(PSD)を用いた方法とに分けて論じた。また,パルス的な信号に対して非常に高い応答特性をもつ新しいデジタル検出法として,画像処理を併用する検出方法を取り上げ,その検出原理・システム構成と動作特性を記述した。
  • 竹中 亨
    1991 年 12 巻 6 号 p. 375-379
    発行日: 1991/08/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
     有機超薄膜の分子配向や構造を研究する有力な手段として, 最近, FTIRと組合せた反射吸収法(RAS)がよく使われるようになってきた。この方法は, 高感度での測定が比較的容易にできるとともに, 得られたスペクトルの表面選択性のために, 膜中の分子配向が明確に議論できる特徴をもっている。ここではRASの原理と特性を説明し, ステアリン酸カドミウムのラングミュア・ブロジェット (LB) 膜のRAスペクトルと透過スペクトルとの強度比から, 膜中の分子配向を定性的ならびに定量的に評価した例を解説する。つぎに, 薄膜の赤外スペクトルをより高感度で測定する目的で最近石田らが開発した, 金属蒸着ATR法を説明し, これとRASとの特性の類似性および感度増大率などを議論する。
  • 廣田 幸弘, 本間 芳和, 杉井 清昌, 峰岸 延枝
    1991 年 12 巻 6 号 p. 380-392
    発行日: 1991/08/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    Dissolution of arsenic and gallium oxides on GaAs surface during running deionized water (RDIW) and ultrasonic-running deionized water (U-RDIW) treatments is investigated by X-ray photoelectron spectroscopy (XPS). The U-RDIW treated (001) GaAs surfaces are also investigated by reflection high-energy electron diffraction (RHEED). The deionized water used in these treatments is thoroughly deoxygenated to less than 0.3 ppm by bubbling nitrogen gas. RDIW treatment removes arsenic oxide more rapidly than gallium oxide. U-RDIW treatment accelerates the removal of both oxides from GaAs surface and produces oxide-free GaAs surface within 1 hr. After U-RDIW treatment, RHEED observation of the acid-etched surfaces shows a spotty (1×1) pattern at room temperature and a (2×1) streaky reconstruction pattern at 360 C. Ammonium-etched surfaces, on the other hand, show a (2×4) streaky reconstruction pattern at 310 C. The experimental results indicate that chemically-clean and damage-free GaAs surfaces can be produced by U-RDIW treatment. They also show that As/Ga ratios between the acid- and ammonium-etched GaAs surfaces after the U-RDIW treatment are different.
  • 石川 豊, 内原 士, 中道 一郎
    1991 年 12 巻 6 号 p. 393-398
    発行日: 1991/08/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    The thermal oxidation of silicon at lower temperature by using dinitrogen monoxide (N2O) gas and UV-irradiation has been investigated. A low pressure mercury lamp is used as light source. Silicon can be oxidized thermally at 300°C. The main oxidizing species are the atomic oxygen O(1D) which is created by the dissociation of N2O during UV-irradiation. Oxide thickness is 4.7 nm at 500°C for 4h oxidation. It is clear from AES analysis that the composition of silicon and oxygen atom in the film formed by the present technique is same as that formed by high temperature oxidation in common dryO2 ambient. High frequency C-V characteristics for the film in the present technique is better than that in common dryO2 oxidation.
  • 脇田 稔
    1991 年 12 巻 6 号 p. 399-404
    発行日: 1991/08/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    歯の痛みとくにウ蝕(虫歯)の痛みは,ほとんどの人が体験する不快きわまりないものとして知られている。しかし,ウ蝕の原因については,不明な点も多いが,必ず歯の表面から最初に始まる。歯は,咀嚼器官としてのほかに,比較解剖学,人類学,法医学の分野で,重要な研究対象である。歯の最外層を被うエナメル質の表面にある複雑な皺(裂溝)が,それぞれの歯に特有の外形を与えている。裂溝はウ蝕好発部位の一つである。エナメル質は95%以上がハイドロキシアパタイトの結晶であり,知覚や自己修復能がないことも特徴である。エナメル質は容易に酸に溶解する。ウ蝕発生の最初の変化は,歯垢の細菌が産製する酸によるエナメル質の脱灰である。エナメル質表面のハイドロキシアパタイトを構成するCa2+やOH-は,口腔内の種々のイオンと容易に置換する。とくに,OHをFに置換すると,ウ蝕に対する抵抗性が増すので,ウ蝕予防の重要な手段となっている。
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