表面科学
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13 巻 , 10 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 松本 吉泰
    1992 年 13 巻 10 号 p. 572-580
    発行日: 1992/12/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    気相での化学反応ダイナミックスを理解するうえで反応前後の状態選別をした,状態から状態への化学(State-to-State Chemistry)の果たす役割は大きい。ここでは状態選別という言葉をキーワードとして,この方法論の固体表面での化学反応への適用について考えてみる。表面がかかわるさまざまな過程の中で,気相でいう状態から状態への方法論がほぼそのまま取り入れられているものとしては簡単な分子の固体表面での直接散乱の研究が挙げられる。しかし,一般の表面化学反応ダイナミックスの研究に気相での方法論や取り扱いをそのまま適用することにはいくつかの困難がある。そこで,具体例として2原子分子の非弾性散乱,水素分子の解離吸着,一酸化炭素の酸化反応,光誘起表面反応を概観しながら状態選別した表面科学の研究の現状と今後について議論する。
  • 松本 泰道
    1992 年 13 巻 10 号 p. 581-586
    発行日: 1992/12/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    電気化学反応を用いた複合酸化物,特にペロブスカイト型酸化物膜の作製方法について,その基本的原理,個々の膜作製,新しい電解方法を用いた膜作製,およびこれらの特長を中心に解説した。膜作製のための電解の方法には電解酸化を用いる場合と電解還元を用いる場合の2通りの方法がある。前者は金属電極および金属イオンの酸化とそれに引き続く加水分解による電析を利用したものであり,後者ではプロトンの消費や水酸化物イオンの生成による電極表面のpH上昇によって金属イオンを水酸化物として電析させる。両者の場合とも電解液にペロブスカイト(ABO3)のAサイトイオンが共存すれば,このイオンが膜中に取り込まれ,引き続く焼成によってペロブスカイト膜が得られる。電解酸化を利用して作製されたものとして,チタン,マンガン,コバルト系のペロブスカイトなど,電解還元を利用して作製したものとして,チタン,クロム,鉄系のペロブスカイトなどを取り上げ,その機構や膜の性状などについて解説した。さらに無電解酸化法によってYSZ上に作製したマンガンペロブスカイト,高温高圧下での電解法,さらに単結晶電極を用いたエピタキシャル成長など,新しい電解法による膜作製についても解説している。
  • 阿久津 典子, 山本 隆夫, 阿久津 泰弘
    1992 年 13 巻 10 号 p. 587-594
    発行日: 1992/12/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    表面荒さや表面張力などの表面物理量と結晶粒の外形の熱平衡形(結晶平衡形)との関係を,結晶表面およびステップの「ゆらぎ」の統計熱力学により導く。ラフニング転移温度以下の微斜面をステップの多体問題として取り扱うモデル―TSK(terrace-step-kink)モデル―に基づき,結晶ファセット端でみられる結晶平衡形の「普遍的なふるまい」について説明する。結晶平衡形のファセット形(平らな小面の形)が,異方的ステップ張力によって決まる2次元平衡形であることを示し,このステップ張力の新しい計算法として,原子レベルのステップ凹凸を2次元格子上のランダムウォークとして取り扱う方法を紹介する。
  • 荻原 俊弥, 原田 朋子, 田沼 繁夫
    1992 年 13 巻 10 号 p. 595-599
    発行日: 1992/12/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    It is very difficult to obtained the Auger depth profile of InP multilayer structures with argon ion sputtering because the very large surface roughness is caused; therefore the analyses of InP multilayers have been carried out practically with the angle-lap profiling method. In order to establish an Auger depth profiling analysis method for a InP/GaInAsP multilayer structure specimen with the conventional depth profiling analysis method, we have investigated the dependence of the depth resolution on ion accelerating voltage and ion current density. The depth resolution improved according to the increasing the argon ion accelelating voltage in the range of 1-3keV. We have obtained the excellent Auger depth profile of the InP/GaInAsP multilayer structure by using the argon spot beam of high ion density.
  • 中村 好伸, 岡本 康成, 赤木 与志郎, 木場 正義
    1992 年 13 巻 10 号 p. 600-605
    発行日: 1992/12/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    Factors influencing the secondary ion yield and depth resolution in the SIMS depth profiling of carbon in the tantalum thin films have been investigated. The highest ion yield of C has been achieved with 193TaC- by using Cs+ primary ion beam. However some changes in surface topography during Cs+ ion sputtering were observed. We found that the extent of the changes differed depending on implanted C+ doses and that the depth resolution became lower as the quantity of dosed C increased. These phenomena are supposed to be due to that Ta crystals became amorphous and carbonized.
  • 荻原 俊弥, 田沼 繁夫
    1992 年 13 巻 10 号 p. 606-611
    発行日: 1992/12/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    We have carried out the Auger depth profiling analysis of GaAs/AlAs multilayer structure using the peaks of GaMVV and A1LVV. Since the two peaks of the specimen overlapped each other, we made peak separation with peak synthesis technique using a non-negative least-square curve fit containing a peak-shift correction. The top-hat filtered spectra were used for the calculation to remove their background. This procedure gave excellent results for the peak separation especially for the sample which had a large difference in elemental concentration.
  • 元廣 友美, 竹田 康彦
    1992 年 13 巻 10 号 p. 612-617
    発行日: 1992/12/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    ZnTeとSiO2の2元2方向同時斜めスパッタ蒸着膜に現れる特徴的な異方的ナノ複合構造の透過電子顕微鏡像と筆者宅の床の絨毯の織り模様の類似性から, このミクロとマクロの模様の形成機構の共通性を考察した。また, それを通じてこの方法によるナノ複合物質の研究志向を紹介した。
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