表面科学
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13 巻 , 3 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 古野 泰二, 雀部 博之
    1992 年 13 巻 3 号 p. 122-127
    発行日: 1992/04/20
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    空気/水の界面に合成ポリペプチドの1種であるポリベンジルヒスチジンの単分子膜を展開し, 吸着を利用してフェリチンおよびカタラーゼの2次元結晶を作成した。これらを疎水処理したシリコンウエハに移し取り, 高分解能SEMを用いて観察した。バルク基板表面におけるタンパク質配列の解析にSEMが有効であることを示した。
  • 宇高 融, 八瀬 清志
    1992 年 13 巻 3 号 p. 128-132
    発行日: 1992/04/20
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    一般に極微量しか得られないタンパク質などの生体高分子の構造を議論するために, 2次元結晶化によって試料を作製し, 電子顕微鏡を用いる結晶構造解析が盛んに行われている。気/水界面・液/液界面・水銀表面などを利用した2次元結晶化の努力が行われているが, その過程を詳細に検討したものは少ない。
    そこで, Subphase上の脂質展開膜にタンパク質分子が吸着, 結晶化していく過程を電子顕微鏡観察し, その2次元結晶成長の機構を解析した。
    試料は, 脂質分子としてN, N-dimethy1-dioctadecy1-ammoniumbromide, タンパク質として馬脾臓由来のferritinを用いた。脂質展開膜 (従来のLB法とは異なってSubphase上に脂質分子を展開して製膜するのみで “圧縮操作” は行っていない) への吸着の様子をタンパク質注入後の時間をパラメーターとして, 吸着分子数, 結晶核の個数と形態の変化を透過型電子顕微鏡によって観察した。その結果, 時間に比例してタンパク質の吸着分子数が増加することと, 結晶核の発生および核成長の様子を定量化した。
  • 青山 一弘
    1992 年 13 巻 3 号 p. 133-140
    発行日: 1992/04/20
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    水面膜に蛋白質分子を吸着させ結晶化したとき, その結晶性は膜の性質に大きく依存する。理想的な水面膜の条件は, 均一であること, 膜自体が柔らかく2次元方向の運動が自由であること, 蛋白質を吸着する力が強いこと, 蛋白質を変性させないことの4点である。単分子膜は, 膜厚の薄さにおいて理想的であるが, 以上の条件をすべて満足するような成膜物質は発見されていない。このような単分子膜は, 電荷をもった2次元の液体と見ることができるが, それを薄い3次元の液体層で代用することも可能であることが明らかになった。このとき, つぎの二つの点で不利である。第一に, 膜厚を薄く制御することが困難であるために, 電子顕微鏡観察時にノイズレベルが高くなってしまうこと。第二に, 界面へ吸着する分子が界面にとどまらず有機液層にまで混入するおそれがあることである。反対に単分子膜を作製するのに比べて格段に簡易な方法で均一な膜ができるという利点もある。電荷をもった有機液体としては, デヒドロアビエチルアミンを用いた。これを蛋白質溶液上に薄く展開すると, 溶液中の蛋白質分子はアミノ基の正電荷に吸着され水との界面に2次元結晶を形成する。得られた2次元結晶は単分子膜を用いたときに比べて, 結晶の大きさにおいても結晶性においても優れていることが確認された。
  • 富岡 明宏
    1992 年 13 巻 3 号 p. 141-149
    発行日: 1992/04/20
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    水溶性蛋白質の2次元結晶を溶液中で作製し, 3次元構造解析を行った。この方法は蛋白質の生理活性を維持するうえで最も信頼性が高い。最後に脂質単分子膜への吸着法による結晶化の試みについても紹介する。この方法を用いれば, 吸着された状態で「操作」を加えることも可能である。
  • 吉村 英恭
    1992 年 13 巻 3 号 p. 150-155
    発行日: 1992/04/20
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    清浄な水銀表面の平坦さと大きな表面張力を利用して蛋白質の2次元結晶を作る方法を紹介する。蛋白質は高純度酸素ガスと水銀との界面に結晶化させる。水銀-酸素ガスの界面は親水性が高く, 特に水溶性蛋白質を配向させ2次元結晶を作る基板として都合がよい。この方法によれば, 少量の試料で短時間に2次元結晶を作ることができる。ここではフェリチンとシャペロニンの例を中心に, 結晶化法を紹介する。
  • 永山 国昭
    1992 年 13 巻 3 号 p. 156-162
    発行日: 1992/04/20
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    結晶のキャラクタリゼーションを抜きに蛋白質2次元結晶化の手法は進展しない。本稿では結晶の観察手法について高分解能, 低分解能にわたって現状を概説する。電子顕微鏡, 走査型プローブ顕微鏡を高分解能観察の代表として多くの事例を紹介する。一方各種分光法および光学顕微鏡は低分解能法の標準計測手段であり, 特にその場観察に威力を発揮している。蛋白質はナノメートルの世界の物質であり, 高分解能その場観察は困難であるが, その情報が結晶化法にすぐれた指針を与えるので, 究極のキャラクタリゼーション (観察法) と考えられる。
  • 長島 礼人, 奴賀 謙治, 井藤 浩志, 市ノ川 竹男, 大谷 茂樹, 石沢 芳夫, 笠村 秀明, 工藤 正博, 大島 忠平
    1992 年 13 巻 3 号 p. 163-168
    発行日: 1992/04/20
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    Electronic states of monolayer graphite formed on TiC (111) surface have been investigated by means of LEED, XPS and UPS. The chemical shift of XPS Cls peak has indicated that a small amout of charge (10_-2 electrons per carbon atom) transfers from the substrate to the monolayer graphite, which is in consistent with the work function change. In addition, UPS spectra has shown a large change in the energy band structure of the graphite layer. From those data, it has been concluded that the change in the electronic states originates mainly from the interaction between the overlayer and substrate.
  • 池辺 義紀, 石川 勝彦, 住谷 弘幸, 田村 一二三
    1992 年 13 巻 3 号 p. 169-175
    発行日: 1992/04/20
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    Much data on sputtering yields under the bombardment of non-reactive ions such as Ar+, Ne and other ions is avaibable, at present, but not for the sputtering of the samples in secondary ion mass spectrometry (SIMS) analysis. In the analysis, chemically active primary ion species such as O2+, Cs+ and O- ions have been used widely, and thus the primary ion species are im-planted into the sample surface layers. As a result, the mixing layers (compounds), composed of primary ion species and sample elements are formed during the subsequent sputtering processes. Therefore, from a practical perspective, it is necessary to measure the sputtering yields of the target having a different constitution from the original under chemically active ion sputtering.
    This paper presents the sputtering yields of Si (Ys) in an oxidized SiO2 layer, and the Si sub-strate, sputtered by cesium (Cs) and oxygen (O2) ion beams. The quantitative sputttering yields were measured from sputtered crater volume after sputtering, and from sputtering rate under ion bombardment.
    The values of Ys for SiO2 layer during Cs+ and O2+ bombardment at 15 keV measured by spur tering rate method were respectively 1.3 and 2.4 atoms /ion. For Si substrate, the values were 2.7 and 5.4 atoms/ion respectively.
  • 岸尾 光二
    1992 年 13 巻 3 号 p. 176-180
    発行日: 1992/04/20
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    約5年前に誕生し, 超伝導の歴史を完ぺきといえるほどまでに書き換えてしまった高温の超伝導体は, そのほとんどが銅の酸化物を基本としている。酸化物の発見以前にはその上昇を強く拒んでいた超伝導臨界温度 (当時23Kが最高であった) が, またたく問に100K近くに上昇するという大事件であった。酸化物の分野ではほぼ未開拓であったともいえるこれら銅の複合酸化物群に, その後続々と見出された一連の超伝導体は, 真っ黒な色を示す。なぜ, これらの物質は黒く見えるのか, 黒いことに何らかの必然性があるのかについて考えるとともに, この件についての発見当時の混乱状況などについても紹介してみたい。
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