表面科学
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13 巻 , 8 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 板倉 明子, 荒川 一郎
    1992 年 13 巻 8 号 p. 448-455
    発行日: 1992/10/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    原子的に均一かつ平坦な表面に物理吸着した気体分子の系は,その相転移において2次元的な振舞いを示すことが知られている。吸着平衡測定,熱量測定,X線,粒子線回折などの手段を用いて,この系の熱学,統計力学の実験的な研究が行われてきた。これまでは実験上の制約から,異なる系,異なる手法での結果を互いに比較することは困難であった。偏光解析法は,測定圧力などの実験条件の制約が少なく,実験対象の選択の自由度も大きい。偏光解析法を測定手段として用いることによって,異なる吸着媒上の2次元系の広い範囲での相図を比較対照し,下地の影響などを議論することが可能となる。また,厚い物理吸着相の有力な観察手段となる。本稿では,物理吸着系の研究における偏光解析法の特徴と役割を紹介し,現在までにグラファイト単結晶表面および金属単結晶表面で得られた研究成果を紹介する。
  • 上田 壽
    1992 年 13 巻 8 号 p. 456-461
    発行日: 1992/10/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    脱臭剤といわれるものにはいろいろなものがあるが,おおざっぱに見ると,大気中の悪臭をまったく別の良い薫りを混合することによってごまかすタイプのもの(芳香剤)と,大気中に存在する悪臭の成分を凝縮相に吸着(または吸収)除去するタイプのものに分かれる。本稿では後者について論ずることにする。吸着タイプの脱臭剤をさらに分類すると,活性炭のように表面積で吸着するかのように思われているもの,鉄/アスコルビン酸やキレート樹脂のように化学反応的な過程ないしは配位吸着によって臭気物質を吸着するもの,あるいは内部に空孔をもった粘度鉱物系のもの(これはいかにも物理吸着型に見える)などに分類される。これらの代表例として,鉄(マンガン)・アスコルビン酸・NH3の系を中心として取り上げて,これらの物質系のすべてにおいて,ガス吸着が不対電子数の変化を伴ったものであることを示す。すなわち,吸着型脱臭剤の本性は,電子スピンの相互作用を主とした『スピン状態変化型吸着』とでも呼ぶべきものであることを示したい。
  • 武内 隆
    1992 年 13 巻 8 号 p. 462-471
    発行日: 1992/10/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    この数年間に,ガスセンサの研究開発は,(1)NOx,CO2,フロンなど,環境問題に関係したガスセンサの研究開発の活発化,(2)新方式のセンサの出現,(3)動作機構の解明,(4)低温作動,低消費電力センサの開発,(5)多素子を用いたガス識別,などの点でかなり進展した。ここでは,これらの状況を概観した後に,主にガスセンサの実用化開発という観点から,ガスセンサと表面のかかわりについて考察する。 ガス検出の方法には,大別して,ガス自体の性質を計測して検出する方法(A方式)とガスと他の物質との相互作用を利用して検出する方法(B方式)がある。一般にガスセンサと呼ばれているほとんどのものは,このB方式に属する検出法であり,いずれも物質表面でのガスの吸脱着・反応を第1ステップにしてガスに感応している。その結果,優れたガスセンサ実現のためには1表面の活用が特別の重要性をもつことになる。その具体例を最近の研究開発の中から取り上げる。 B方式のセンサは,表面を利用しているがゆえに,表面の不安定性に由来する本質的な問題点をもっている。その問題点と対応策の実例を示しながら,脱表面という観点からのアプローチの方法について議論を進め,これが実用的なガスセンサ開発にとってひとつの有効な発想となりうることを示す。
  • 荻原 俊弥, 田沼 繁夫, 長沢 勇二, 池尾 信行
    1992 年 13 巻 8 号 p. 472-477
    発行日: 1992/10/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    We have investigated the Auger depth profiling analysis of InP/GaInAsP multilayer specimens. It is difficult to obtain the Auger depth profile of InP sample by argon ion sputtering because it causes a great increase in surface roughness of the specimens. In order to reduce the roughness caused by the argon ion bombardment, the Zalar rotation method and sample cooling method were applied to the depth profile analysis of InP/GaInAsP specimens. The ion species used for sputtering was Ar+. Ar+ accelerating voltage was 1.0kV. The electron accelerating voltage was 5keV, the beam current was 0.1 μA and measured Auger lines were In-MNN, P-LVV, Ga-LMM and As-LMM. The Zalar rotation method gave good results in the depth profiling of In-MNN and P-LVV. The surface roughness was observed by SEM. On the other hand, the sample cooling liquid nitrogen temperature gave excellent analytical results the depth resolution was about 80Å at the depth of 4600Å. We found few cones on the sample surface after depth profiling analysis using the sample cooling method.
  • 林 泰夫, 松本 潔
    1992 年 13 巻 8 号 p. 478-482
    発行日: 1992/10/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    Surface structures of the acrylate resin substrates with and without plasma exposure were analyzed by SEM, XPS, and static SIMS in order to examine the influence by plasma exposure prior to sputtered film deposition. In general, both the morphology and composition of a resin surface are changed by plasma exposure. However, it was found that the difference in the surface roughness was hardly discernible at the initial stage of the exposure. On the other hand, surface chemical structures such as functional groups are markedly modified. Furthermore, analysis of XPS valence band spectrum based on the molecular orbital calculation has been successfully applied to distinguish the position of cleaved band in the molecule. The results obtained from XPS and static SIMS analyses are described in detail.
  • 田村 一二三
    1992 年 13 巻 8 号 p. 483-490
    発行日: 1992/10/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    SIMSの開発が始まってから20数年が経過し,まだ未解決な課題を多く抱えているが,実用的な見地から,ようやく一分析法としての位置を占めるに至った。特にエレクトロニクス材料をはじめとする一般固体材料における微量元素の深さ方向プロファイルの測定は他の分析法の追従を許さないユニークな分析モードといえる。 本稿では,SIMS誕生の胎動期,主な製品化推移および基本技術の開発過程について概観する。
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