磁気記録の高密度化を目指して,磁気ヘッドのギャップ幅はますます狭小化されつつあり,現在,すでにサブμmオーダに達している。 このような高密度記録用の磁気ヘッドを開発していくうえで,微小ギャップ空間における漏れ磁界分布の正確な3次元計測が欠かせなくなってきた。最近,電子線を利用した断層撮影手法(Computerized Tomography)にもとつく新しい計測法が提案され,サブμmオーダのギャップ空間に分布する静磁界分布の3次元計測に成功している。さらに,高周波漏れ磁界分布の3次元計測例も報告され始めている。 ここでは,まず,従来の代表的な静磁界分布計測法を簡単に紹介し,つぎに,電子線トモグラフィと名付けられたこの新しい計測法の原理,SEMを利用した計測装置の概略そして計測例などについて述べている。さらに,この計測法の今後の課題などについても言及した。
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