表面科学
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14 巻 , 3 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 増田 茂
    1993 年 14 巻 3 号 p. 132-138
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    希ガスの準安定原子A*を固体表面に衝突させると, A*は直接的に,または中間状態を経て段階的に基底状態に脱励起し,表面から電子が放出される。このイオン化過程の最もユニークな点は,電子の放出が表面最外層から選択的に起こることで,最外層の電子分布(いいかえれば,表面波動関数の空間分布)が重要な役割を果たす。本稿では, A*と表面の相互作用,実験方法を述べた後,測定例をわれわれの研究室で得られた結果を中心に解説する。また, A*のスピンが反転する現象や多体効果についても簡単に紹介し,今後の問題点を探る。
  • 小林 光
    1993 年 14 巻 3 号 p. 139-145
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    半導体電極を電解質溶液に浸した構造をもつ湿式太陽電池では,接合形成が非常に容易で,光エネルギーを直接化学エネルギーに変換することも可能である。湿式太陽電池の原理を解説すると共に,湿式太陽電池で半導体の表面・界面物性が重要である例を紹介する。
  • 鎌田 雅夫, 広瀬 サユミ
    1993 年 14 巻 3 号 p. 146-152
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    最近, SR光を用いた表面研究が盛んに行われるようになってきた。アルカリハライドなどのイオン結晶表面についての研究は,金属や半導体表面と比べてまだ報告例も少ないが,それらとは異なった興味ある現象も見出され,また従来のモデルの再検討を要する実験結果も報告されるようになってきた。そこで,本解説では,アルカリハライド結晶表面からの構成原子の脱離についての研究を概観し,ついで,SR光を用いた励起アルカリ原子の光脱離についてのわれわれの研究結果の一部を報告する。さらに吸着系における光ドーピングついての研究例を紹介し,アルカリハライド表面における動的過程の研究の現状を解説する。
  • 田中 健一郎
    1993 年 14 巻 3 号 p. 153-158
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    放射光を用いた内殻電子励起によるH2O/Si(100)表面吸着系での最近の研究を通して,光刺激イオン脱離反応を紹介する。O-K吸収端前後のエネルギー領域での励起ではH+とOが+主要な脱離イオンであるが,その脱離収量スペクトルには特徴的な違いが見られる。すなわち, H+はK吸収端の手前から観測され,吸収端の前後に極大をもつブロードなピーク構造を示すが, O+はその領域では観測されず,吸収端より約30eV離れた570eV付近から出現する。この結果は,種々の内殻電子励起による多価イオン生成と表面との中性化反応とによるつぎのような簡単な機構で説明が試みられた。吸収端近傍での励起では,オージェ過程を経て2~3価のイオン種が初期生成し,その後生じたO+やO2+は表面に近いため直ちに中性化し,中性化に打ち勝ったH+イオンだけが脱離する。一方,570eV以上の励起では,4価のイオン種が初期生成し,その結果生じたO3+は表面での中性化反応により価数を失うが,一部はO+として脱離することができる。また,表面過程の研究に初めて適用されたPIPICO測定では,この脱離機構から予測されるように, O+とH+は表面から同時に飛び出すことが確認された。
  • 岩槻 正志, 北村 真一, 佐藤 智重, 天草 貴昭
    1993 年 14 巻 3 号 p. 159-164
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
     種々の材料を温度変化のなかで原子的なスケールで観察することは, 単に表面状態の結晶の成長初期過程や相変態過程をミクロスコピックに調べることのみならず, 安定した特性の材料を得るために重要である。高温下での観察は, 表面欠陥の生成メカニズムや異種原子の吸着過程の解明, 低温下での観察では超電導現象の解明など表面物性を研究するためにも関心がもたれている。ここでは, 高温下や低温下で原子レベル観察が可能になった超高真空走査型トンネル顕微鏡 (UHV-STM) の概要説明を行い, その高温での応用例として Si(111) 面での 1×1から 7×7再配列構造への相転移の観察,高温での種々の表面挙動, STM 法を用いた超微細加工法, 異種原子の吸着や成長過程, また低温観察では Si(100) 面でのダイマー列が低温でバックリングを起こす例について報告する。
  • 横塚 達男
    1993 年 14 巻 3 号 p. 165-169
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    Ge(111)表面上のホモエピタキシャル成長では,室温でも高速反射電子回折強度(RHEED)が振動を示し,層状成長が起こっているように見えるなど,興味のある振舞いを示す。Ge(111)表面のホモピタキシャル成長を解析するため, solid-on-solid型のモデルを拡張し,結晶成長シミュレーションを行った。成長中の表面モフォロジーについてステップ密度を算出し,これの膜厚に対する変化と,高速反射電子回折強度の振動の実験を比較し,この両者の間に良い対応関係があることを示した。また,この解析法を利用することで,表面の局所的な原子配列に敏感な到着原子の取り込みプロセスが,特に低温成長において重要な役割をしていることを見出した。
  • 川本 聡, 平井 正明, 日下 征彦, 岩見 基弘, 中村 初夫, 渡部 宏邦
    1993 年 14 巻 3 号 p. 170-174
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    今回の研究により,軟X線分光法のIEV法による非破壊深さ方向分析を用いてパラジウム/シリコン接合界面においてPd2Si相が室温で生成していることを示す結果が得られた。これは,軟X線分光法によって,短時間に堆積させた比較的厚い膜厚のパラジウム薄膜(~20nm)/シリコン基板接合系の埋もれた界面の構造を初めて非破壊的に明らかにしたことを示したものである。また,これにより,その他の系での金属(薄膜あるいは厚膜)/シリコン接合界面における室温界面反応の研究を軟X線分光法を用いてTiうことができるという可能性を示した。
  • 奴賀 謙治, 長島 礼人, 大島 忠平
    1993 年 14 巻 3 号 p. 175-176
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    We have observed photoelectrons from monolayer graphite formed on TaC (100) by using angle resolved ultraviolet photoemission spectroscopy (UPS). It is very important to know to which band observed peaks in the spectra belong. Therefore we have calculated the intensity of photoelectrons from the monolayer graphite, by ignoring the influence of the substrate Ta(100). The result indicates that the intensity of photoelectrons from the π band is much larger than that from the σ band.
  • 谷 忠昭
    1993 年 14 巻 3 号 p. 177-183
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    カラーフィルムに代表される銀塩写真感光材料の性能が写真撮影などにおいて比類ない理由を述べ,それがハロゲン化銀粒子の性質,とくに表面の結晶欠陥に由来する性質に強く依存していることを示す。
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