表面科学
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14 巻 , 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 小尾 欣一, 渋谷 一彦
    1993 年 14 巻 4 号 p. 192-198
    発行日: 1993/06/01
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    気相中で中性クラスターを生成し検出する実験方法について概説し,最近のクラスター内光反応の研究成果を中心に紹介する。まず,種々の原子・分子の組合せでクラスター生成が可能なレーザー蒸発/超音速ジェット法について述べる。つぎに,クラスターの検出感度の高いレーザー誘起蛍光法・光イオン化質量分析法の特徴を述べ,その他の吸収分光法についてもふれる。最後に,最近注目されているクラスター内光反応として,電子移動・水素原子移動・プロトン移動の光化学素反応の研究例のほかに,光誘起半反応も紹介する。
  • 中嶋 敦, 茅 幸二
    1993 年 14 巻 4 号 p. 199-208
    発行日: 1993/06/01
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    近年,数原子から1000原子程度から構成される金属クラスターは,固体金属と原子とを結ぶ中間相として,また固体表面のモデルとして注目され,電子構造や幾何構造,さらには吸着反応性が明らかにされてきた。金属クラスターの吸着反応は,クラスターの電子状態と幾何構造との両者に支配されており,吸着反応を各原子数ごとに調べるとクラスターの構造が明らかにできる。また,合金クラスターの吸着反応では,イオン化ポテンシャルを指標とすることにより,それぞれ元素の混ざり方を知ることができる。コバルトとバナジウム(ConVm)またはナトリウム(ConNam)の二つの合金クラスターでは,金属元素同士は混ざり合いながら,安定な幾何構造へ再編されるが,シリコンとナトリウムのクラスター(SinNam)では,半導体元素と金属元素は混ざり合わず別々に存在していることが明らかになった。
  • 佐藤 満雄
    1993 年 14 巻 4 号 p. 209-214
    発行日: 1993/06/01
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    テクトアルミノけい酸塩の一種であるゼオライトの化学組成と3次元フレームワークの構造特性について概説し,これらゼオライト格子空間を利用したクラスターの合成法と生成クラスターの構造,物性論的特徴を述べた。クラスター生成の場としてのケージやチャネルは3次元空間中に規則配列しており,これら幾何学的分布の特性を選択しクラスター濃度を制御することにより,完全に分離したクラスターからスーパクラスターまでの合成が可能であること,また,チャネルを利用したSeやTeの1次元細線の合成,導電性ポリマー,非線形光学細線の合成などについて,最近の成果をまとめた。
  • 中田 宗隆
    1993 年 14 巻 4 号 p. 215-221
    発行日: 1993/06/01
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    低温マトリックス単離赤外分光法を用いた炭素クラスターの研究を中心に,最近のクラスターサイエンスの発展について紹介する。とくに,炭素数が10以下の基本的なクラスターの幾何学的構造に関して,低温マトリックス単離赤外分光法の結果と,高分解能赤外分光法およびab initio計算の結果とを比較する。ab initio計算の結果では,奇数の炭素数をもつクラスターは直線型であり,偶数の炭素数をもつクラスターは歪環型であるという報告があるが,低温マトリックス単離法では,C3クラスターからC9クラスターまで,すべて直線型であるという結果が得られている。また,炭素とその同族元素であるケイ素との混合クラスターについても,低温マトリックス単離赤外分光法による最新の研究結果を紹介する。
  • 富宅 喜代一
    1993 年 14 巻 4 号 p. 222-228
    発行日: 1993/06/01
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
     気相シリコンクラスターは分子状表面を形成し Si 固体表面の分子モデルとなるため, 構造, 物性や反応性の研究が非常に活発に進められてきている。本稿ではこれまで報告された Sin クラスターの研究を固体表面との関連でまとめて紹介する。
  • 管野 善則, 安田 榮一, 吉村 昌弘
    1993 年 14 巻 4 号 p. 229-235
    発行日: 1993/06/01
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    The wet corrosion by high temperature-high pressure water has been studied on the three types of Si-Ti-C-O system (Tyrano) fibers at 300∼800°C under 100 MPa for 2h. The X-ray diffraction analysis and SEM observation of the scale layers and the measurement of the mass change of reaction products revealed that the pyrolysis together with forming β-SiC crystal took place in lower temperatures, while the hydro-thermal oxidation with following the formation of amorphous silica films propagated in higher temperatures. The oxidation reaction was sharply reduced as the amor-phous silica crystallizes to form cristobalite, whence the porous oxide layer is densified. The densification hindered the gaseous diffusion through the oxide film. The fiber containing 18% O (rich type), where atomic arrangement was disordered, showed a comparatively rapid pyrolytic rate. On the contrary, the fiber containing 12% O (poor type) showed a rapid oxidation rate.
  • 清水 延男
    1993 年 14 巻 4 号 p. 236-237
    発行日: 1993/06/01
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    This note reports about a new fabrication technique for transmission electron microscope samples by utilizing reactive ion etching. This technique has an advantage of high throughput.
  • 最田 優
    1993 年 14 巻 4 号 p. 238-242
    発行日: 1993/06/01
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    ウイスキーのおいしさは,その由来から<穀物のうまさ><醸しのうまさ><蒸留のうまさ><熟成のうまさ>の四つに分けられる。中でも熟成のうまさを兼ね備えていることがウイスキーを世界中で飲まれる酒に育て上げた大きい要因と考えられる。ウイスキーの熟成はオーク樽に長い年月貯蔵して初めて得られるものであり,ウイスキーを飲むことは時間を飲むことだといえる。 樽貯蔵中には樽材を通した蒸散,樽材成分の分解溶出,種々の成分間の反応などの物質の変化と共に,物性の変化がゆっくりと起こる。樽貯蔵はアルコール度数60%前後で行われているが,貯蔵中にエタノールと水の分子会合が進み,大きいクラスターが貯蔵年数と共に増加する。また、熟成したウイスキーなどでは誘電率の低下や,気相でのエタノール蒸気分圧の低下などが知られている。このような溶液の状態の変化が,物質の変化と共にウイスキーの味わいのまろやかさをつくりあげている。 最近のクラスターの解析から幅広い濃度でのエタノール水溶液の特徴がわかってきている。ウイスキーを水割りで飲む場合の濃度は溶液の状態が大きく変化する範囲にあり,水割りとして好まれる濃度との関係でおおいに興味をひかれる。
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