表面科学
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14 巻 , 7 号
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  • 尾浦 憲治郎
    1993 年 14 巻 7 号 p. 382-384
    発行日: 1993/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    表面あるいは界面の構造解析手法の一つとして,広く用いられているイオン散乱法について,その特徴,利点および解析限界などを概説する。 イオン散乱法は,エネルギーと方向のそろったイオンビームを固体試料にあて,そこから散乱(反跳)されるイオンや原子の種類やエネルギーを解析することにより,表面や界面の構造を調べるものである。その特徴は,(1)常に元素の種類を区別しながら,それらの配列構造を解析できる,すなわち,元素分析と構造解析が同時にできる。(2)散乱過程がよくわかっており,しかも古典的粒子として取り扱えるので,定量的なデータが得られ,しかもその信頼性が高い。(3)イオンのエネルギーを適当に選ぶことにより,表面最外層の解析から,深さ1ミクロン程度の埋もれた界面の構造まで調べることが可能である。(4)0.1オングストロームの分解能での構造解析を実空間でできる。ことなどである。
  • 木村 健二, 万波 通彦
    1993 年 14 巻 7 号 p. 385-390
    発行日: 1993/09/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    中高エネルギーのイオンを用いたラザフォード後方散乱分光法(RBS)は表面領域の分析に広く利用されている。最近,高分解能のエネルギー分析器を用いて,表面の1原子層ごとの散乱を分離して観測した例が,相次いで報告された。この高分解能RBSは,原子層ごとの組成分析や表面原子構造の解析をはじめ,表面研究に広く応用することができる。ここでは,まず高分解能RBSによって,モノレイヤーアナリシスが可能になるための条件を検討した後,報告された例を紹介する。
  • 越川 孝範, 安江 常夫
    1993 年 14 巻 7 号 p. 391-396
    発行日: 1993/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    中エネルギーイオン散乱法(MEIS)は非破壊かつ深さ方向に高分解能で構造解析や濃度測定が可能であるため表面や界面の研究にとって非常に有力な測定法として認められている。最近では,1原子層オーダーの深さ方向分解能での測定も可能になってきた。ここでは,シリコン上に金属薄膜を成長させたいくつかの実験例を示し,MEISを用いた研究の一端とその動向につき解説を行う。
  • 西岡 孝, 住友 弘二
    1993 年 14 巻 7 号 p. 397-403
    発行日: 1993/09/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    中エネルギーイオン散乱法(MEIS)では,結晶成長もしくは種々のプロセスにより形成された表面層,あるいは埋もれた界面の急峻性,原子の変位,組成に関する知見をほぼ非破壊で得ることができる。MEISによる測定とシミュレーションとの比較解析により,化学処理にて形成した自然酸化膜下のSi(111)結晶では2-bilayer程度の原子が酸化膜側に持ち上がった構造をもつことがわかった。熱酸化膜/Siでは自然酸化膜/Siに比べて結晶のSi原子の変位は小さい。自然酸化膜/Siに見られる結晶Siの変位は500℃のJ処理により解消する。MBE成長をしたGe/Si(111)における界面近傍のGe原子は膜厚方向に0.1~0.2Åの歪みをもつ。室温で形成したGe/Si(111)に熱処理を施すと,500℃以上の温度でGeとSi原子の相互拡散が生じ混合層が形成される。熱処理に伴って相互拡散開始前後の温度(~550℃)までは膜厚方向の歪みが存在しているのに対し,より高温では混合層の形成とともに歪みが緩和されることが示された。
  • 久保 実, 成沢 忠
    1993 年 14 巻 7 号 p. 404-409
    発行日: 1993/09/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    表面構造に敏感な低エネルギーイオン散乱を利用してMBE成長その場観察法を開発した。この方法を用いて,ステップ密度の定量的な評価やInAs/GaAs系などの成長初期における表面構造や成長機構の観察を行った。まず,微傾斜GaAs基板の表面ステップを,表面シャドーイング条件下で散乱イオンの測定を行い,ステップ密度の定量化を行った。検出感度は,~105cm-1であった。つぎに,格子不整合系であるInAs/GaAsのMBE成長において,成長初期過程における成長様式の変化(2次元成長~3次元成長)を観察した。格子不整合による歪の変化を,散乱強度の入射角度依存性よりチャンネリングディップを測定し,評価した。また,傾斜方向により異なるAステップとBステップを表面チャンネリングにより測定し,ステップエッジ構造の凹凸に差異があることを確認した。さらに,このような微傾斜GaAs基板へInAsのMBE成長を行い,その成長過程のその場観察を行った。成長機構はステップ構造に依存し,特に成長初期(0~4ML)において,Aステップでは島状成長から層状成長に移行し,Bステップではステップフロー成長となっていることを明らかにした。
  • 左右田 龍太郎
    1993 年 14 巻 7 号 p. 410-416
    発行日: 1993/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
     低速イオンの固体表面における中性化はイオン種や表面の電子状態によってまったく異なった様相を呈し, 見かけ上きわめて複雑な現象である。これは衝突過程で形成される準分子状態を媒介として, イオンが表面の電子系と多彩な相互作用をするためである。この小論では,低速イオン散乱における電子遷移の素過程について述べるとともに, 重水素イオン散乱を用いた新しい最表面原子の結合状態の解析手法を提案する。また, この手法に基づく, アルカリおよびアルカリハライド吸着表面の解析結果をあわせて紹介する。
  • 生地 文也, 尾浦 憲治郎
    1993 年 14 巻 7 号 p. 417-422
    発行日: 1993/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    高エネルギー弾性反跳粒子検出法による表面吸着水素の定量に,低エネルギー弾性反跳イオン分光法が新たに加わり,これまで実験的に測定が困難であったSi表面水素の吸着構造に関する情報が得られることを不した。
  • 片山 光浩, 中山 知信, 青野 正和
    1993 年 14 巻 7 号 p. 423-428
    発行日: 1993/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    同軸型直衝突イオン散乱分光法(CAICISS)は,膜成長などにおいて動的に変化しつつある表面の組成や構造をリアルタイムで時間分解して解析するのにきわめて適している。この特徴を利用して,CAICISSによって膜成長をリアルタイムで観察しながら,そのモニターされた情報をMBEシステムにフィードバックすることにより,膜成長しつつある表面の組成や構造をコントロールする新しい膜成長自動制御装置を開発した。本稿では,この“CAICISSモニター膜成長自動制御装置”の動作原理と特徴およびこの装置を用いて行ったいくつかの応用例を紹介する。
  • 藤田 大介, 吉原 一紘
    1993 年 14 巻 7 号 p. 429-435
    発行日: 1993/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    A practical and simple calibration procedure for determining the energy scale in Auger electron spectroscopy (AES) by using a newly developed idea of a spectrometer offset function is proposed here. This method enables transformation of the uncalibrated energy scale to be the calibrated and Fermi-level-referenced ones. The reliability of the calibrated energy scale can be estimated by the standard error of least-square fitting of the spectrometer offset function to the experimental values. A round-robin test involving the different kinds of twelve spectrometers has been conducted to clarify the effectiveness of this calibration method. Compared with the Fermi-level-referenced kinetic energies of Ni L3VV and M3VV, the scatter of these calibration-corrected peak positions is found to be very low, amounting to 20∼30% of the scatter of uncorrected values. It is also found that the spectrometers with the higher energy resolution tend to have the lower standard errors. These results clearly suggest that this procedure is very useful for the practical calibration of AES energy scale.
  • 諸橋 智彦, 星 孝弘, 大岩 烈, 劉 春明, 安彦 兼次
    1993 年 14 巻 7 号 p. 436-439
    発行日: 1993/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    Auger Electron Spectroscopy (AES) is one of the common and useful methods used for the analysis of grain boundary segregation of solutes. We have applied this method by using a newly designed field emission electron gun for the small area analysis of grain boundaries in a high purity Fe-S alloy. It is found that sulfur segregates to grain boundaries and precipitates as Fe-sulfide, and that some of the precipitate particles consist of sulfide (FeS) and oxide. This result suggests that the oxide acts as the nucleus of FeS precipitation.
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