表面科学
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15 巻 , 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 宇佐美 誠二, 藤川 高志
    1994 年 15 巻 1 号 p. 2-8
    発行日: 1994/01/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    数keV以上の電子線を表面に照射して, 電子エネルギー損失スペクトルを測定すると, イオン化励起損失ピークに続いて振動構造 (EELFS) が現れる。この振動は, 励起された電子が内殻から離れた後, 周辺の隣接原子によって散乱されて生じる干渉効果である。したがって, 振動現象の観測を行うことによって, 局所的な原子間距離を知る手掛かりが得られる。この振動はX線吸収に見られるXAFS (X線吸収端微細構造) と類似であるが, XAFSの解析法がそのまま電子線励起の場合に適用できるとは限らない。まず, この点を明らかにするEELFSの理論を概説し, それから導かれるXAFSとの対応関係について述べる。続いて, この理論的背景の下に, 実際に行ったNiO (100), O/Ni (100) などの吸着系に対する測定とその解析結果を紹介する。
  • 白井 誠之, 岩澤 康裕
    1994 年 15 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 1994/01/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    固体表面上の異種吸着原子あるいはその集団 (クラスター, 微粒子, 層など) は自身のもつ配位不飽和性により表面垂直方向と平行方向とで結合様式が異なり非対称な関係にある。また, 構造や配向は異方的である。これら表面原子のもつ結合の非対称性や異方性は触媒作用などの動的物性に大きな影響を与える。単結晶基板上に形成された微粒子, 層状化合物などの担持構造決定を例として, 表面非対称および異方性構造解析のためのその場観察偏光全反射蛍光EXAFS法を紹介する。また, XANES法についても述べる。
  • 伊藤 秋男
    1994 年 15 巻 1 号 p. 16-22
    発行日: 1994/01/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    イメージングESCAあるいは光電子分光顕微鏡という言葉が最近聞かれるようになった。X線光電子分光 (XPS) はマクロ領域の分析法であるというこれまでの常識が破られ, マイクロプローブとしてのXPS装置が現実のものとなってきている。本稿では, ラボラトリー用XPS装置を中心にして現在まで開発されてきた各種の微小領域XPS測定法について概説する。
  • 河合 潤, 足立 裕彦
    1994 年 15 巻 1 号 p. 23-29
    発行日: 1994/01/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    銅の2p X線光竃子分光スペクトルの「シェークアップ」サテライトの実験結果とその解釈についてまとめた。この「シェークアップ」サテライトをDV-Xα分子軌道法でどのようにして計算するかを解説した。まずX線光電子分光法へDV-Xα法を応用する場合の特徴をまとめた後, DV-Xα法を用いて簡単なCuO4クラスターの庵子状態を計算することにより, 銅の「シェークアップ」サテライトの解釈が詳しくできることを述べた。さらにDV-Xα法により基底状態の銅酸化物の電子状態をどの程度まで知ることができるかを概観した。最後に銅酸化物を含むさまざまな酸化物の酸素2p部分電子状態密度の測定と計算について述べた。
  • 青木 貞雄
    1994 年 15 巻 1 号 p. 30-33
    発行日: 1994/01/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    レーザープラズマX線によって励起された微小領域における光電子の観測を行った。アルミニウムプラズマX線を多層膜分光器によって単色化した。236eV (波長5.25nm) の軟X線をウオルター型X線ミラーによっておよそ50μmに集光した。金の4f電子およびSiO2の2P電子を静電半球型霜子エネルギー分析器で検出し, 約3eVの分解能を得た。20チャンネルの検出器の利用によって, 高速のパルス光電子エネルギー分布計測の可能性を示した。
  • 白水 正樹, 堀 良万
    1994 年 15 巻 1 号 p. 34-39
    発行日: 1994/01/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    高分子材料表面の官能基を明確に同定する手法として, XPSに高感度なヘテロ原子を含む試薬を目的とする官能基と選択的に反応させ, ヘテロ原子をXPSで測定することにより官能基を同定するXPS化学修飾法が提案されている。本稿ではXPS化学修飾法での試薬, 反応法の最近の研究成果と表而改質高分子フィルムへの応用例について紹介する。
  • 田中 彰博
    1994 年 15 巻 1 号 p. 40-45
    発行日: 1994/01/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    オージェ電子分光法やX線光電子分光法で測定されているスペクトルには, 深さ方向に関する情報も含まれている。この情報を単純化した形式で抽出し, イオンエッチングも角度依存性の測定も行うことなく, 深さ方向の層構造について情報を得る方法を述べる。
    特にX線光電子分光法で用いるスペクトルの解析において, バックグラウンドを差し引いた後のスペクトルを用いたカーブフィッティングによる化学状態の推定は, 利用される頻度の高い重要なデータ処理手法となっている。ここに述べるスペクトル解析法は, このバックグラウンドの差し引きに対して基礎的な知見を与える。この知見から得られる結論のひとつは, Janos Végh (ヤーノシュ・ヴェーグ) によって導入された散乱係数が, カーブフィッティングにおいて理論的裏付けのあるバックグラウンドを算出するための良い方法だということである。Véghの方法について簡単な利用法を紹介する。
    カーブフィッティングはバックグラウンドの差し引きを必要とするデータ解析である。フィッティングに先立つバックグラウンドの差し引き演算を行ううえで, バックグラウンドの評価を高精度に行う必要性が高くなってきている。バックグラウンドについての評価誤差は, フィッティングそのものの誤差として, ピーク検出や量の評価に対し大きな影響を与えるからである。実際に, バックグラウンドの差し引きに際して理論的・定量的な考察を省くと, 極端な場合には, 実際には存在しないピークを作り出すことさえもある。この可能性について, 指摘した。
  • 渡部 一史, 杉田 利男
    1994 年 15 巻 1 号 p. 48-53
    発行日: 1994/01/31
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    The micro-sputtering apparatus, developed by the authors and based on the discharge sputtering with Penning ionization gauge type electrode arrangement, can form a minute thin film and can etch locally a substrate with any area in μm-to-mm square range. In a former apparatus of outer-magnet type developed by the authors, a substrate must be set in a vacuum chamber. Recently some new applications required to make deposition or etching on an arbitrary position of a large substrate or on a curved surfaces of fishes and shells.
    In this study, an inner-magnet type apparatus is developed anew in response to such requests. Design procedure of magnetic circuits is given. A newly designed apparatus is equipped with a discharge space surrounded by a soft iron envelope so as to form a magnetic circuit of 64 mm in outer diameter, 60 mm in inner diameter and 31 mm in height, in which an anode, target cathodes and magnets are installed. With the apparatus, the deposition or etching beam is drawn out from the discharge space through a hole of 6 mm diameter. When the hole is applied to a substrate aided by a sealing material, a thin film can be formed on the substrate or the substrate surface can be etched locally.
    The deposition rates of thin films on a glass substrate were 15 nm/min for Au and 22 nm/min for Ag, while the etching rates were 65 nm/min for a synthetic diamond and much greater for semiconducting materials, for example, 340 nm/min for a Si wafer and 1000 nm/min for a GaAs wafer.
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