表面科学
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15 巻 , 7 号
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  • 伊藤 正時, 犬飼 潤治
    1994 年 15 巻 7 号 p. 412-418
    発行日: 1994/09/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    電極表面を詳細に検討する手段として,電極を超高真空中に引き上げて表面科学の豊富な分析手段を利用するex Situ分析の流れと,溶液中でその場観察可能な手法を駆使するin situ分析の流れが存在する。両者はそれぞれ相補的であるにもかかわらず,同じ系において同じ分光法がin situとex situの両方に応用された例は,筆者らが知る限り存在しない。
    筆者らは,反射赤外吸収分光法(IRAS)を超高真空中に引き上げた電極の測定に応用できる装置を開発した。この装置を用いたex situ IRASの結果とin situ IRASとの結果を比較して,電極系と超高真空系との類似点,および相違点について考察する。具体的な実験として,1)Pt(111)電極表面上の硫酸水素イオンおよび過塩素酸イオンの吸着,2)Pt(111)電極表面上の銅の電析への硫酸起源の吸着種の影響について述べる。
  • 張 暁剛, 高須 芳雄
    1994 年 15 巻 7 号 p. 419-425
    発行日: 1994/09/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    平坦で細孔のない炭素質担体の表面に,真空蒸着法により白金あるいはパラジウム超微粒子を作製し,それを担持貴金属触媒電極のモデル電極として各金属超微粒子の触媒物性を調べた研究を紹介した。すなわち,各金属超微粒子のサイズに着目し,1)高分解能走査顕微鏡およびタッピングモード原子間力顕微鏡により観察した微粒子の形態と担持状態,2)電子分光法により観察した微粒子の電子帯構造,3)ボルタンメトリーにより評価した微粒子の水素の吸着・吸収挙動,水素電極反応,ギ酸および一酸化炭素の酸化反応挙動,などについて解説した。これらの研究の成果は,燃料電池用触媒電極の設計指針を与えるだけでなく,金属超微粒子の基礎物性の理解にも寄与すると考えられる。
  • 石川 雄一, Hugh S. ISAACS
    1994 年 15 巻 7 号 p. 426-432
    発行日: 1994/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    金属表面での腐食溶解反応により生じた電流密度分布をin situ,リアルタイム観察できる走査型振動電極について概説する。振動電極は腐食溶解で流出する電流が溶液抵抗により形成した電位勾配を測定するものである。検出する電位勾配の大きさと電極の表面からの高さの関連について示した後,局部腐食反応の解析に適用した例をいくつか紹介する。これらは電流密度分布図,局所領域の分極挙動,そして電流密度ベクトルからの解析の三つに大きく分けて示す。孔食から全面腐食への移行,インヒビター添加による全面腐食の局所化,半田づけ接合部の異種金属接触による局部腐食などのビジュアライゼーション,そしてピットや単一結晶粒の電気化学分極曲線と試験片全体の分極曲線の違い,さらに電流ベクトル表示によるアノードからカソードへの電流流出,流入状況について説明する。
  • 高橋 英明, 藤原 和俊
    1994 年 15 巻 7 号 p. 433-439
    発行日: 1994/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    アルミニウムアノード酸化皮膜中には多くの欠陥が含まれているが,これらがアノード酸化皮膜の形成の際,どのようにして生成するのかを述べるとともに,欠陥を評価する電気化学的な方法について,電位走査カソード分極法を中心に述べている。電位走査カソード分極法は,カソード分極により発生するピットの数を調べ,欠陥の数を求める方法である。高純度アルミニウム上に生成したアノード酸化皮膜の欠陥度は一般に小さいが,これを化学溶解すると,欠陥度が大幅に増大する。このことからアノード酸化皮膜の化学構造は不均質で,化学溶解の際,局部的な選択溶解が進行しやすいことと推論できる。また,結晶性酸化物を多く含む熱酸化/アノード酸化複合酸化物皮膜は,通常の無定形酸化物からなるアノード酸化皮膜に比べてかなり多くの欠陥を有することなども述べている。
  • 杉本 克久
    1994 年 15 巻 7 号 p. 440-445
    発行日: 1994/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    人工不働態皮膜は,高性能な極薄防食被覆として,また,自然不働態皮膜の物性を解明するためのモデル不働態皮膜として,今後の発展が期待されている。ここでは,人工不働態皮膜の作製法,種類と特徴,性質と利用途について解説する。
  • 水流 徹
    1994 年 15 巻 7 号 p. 446-451
    発行日: 1994/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
     鉄および鉄合金を例にとって, 金属のアノード溶解機構について, 電気化学的手法を中心にその解析法と考え方を解説した。従来の定常分極法とともに, 交流インピーダンス法とチャンネルフロー電極法による反応機構解析について述べ, その適用例を示した。交流インピーダンス法では複雑な電極反応機構をモデル化とシミュレーションによって解析できることが示された。また, チャンネルフロー電極法では, 従来の方法では測定できなかった反応中間体の吸着量をその場測定により定量できることから, より詳細で確実な反応機構の同定ができることが示された。
  • Hitoshi SHINDO, Hisakazu NOZOYE
    1994 年 15 巻 7 号 p. 452-455
    発行日: 1994/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    Cleaved surfaces of K4Nb6O17·3H2O, a layered compound with two different interlayer structures, were observed with Atomic force microscope (AFM). Comparison of the atom-resolved images with the crystal structure clearly showed that there are two different ways of cleavage. The more flexible but weaker interlayer was broken in a 'slow' cleavage with application of a very weak tensile force, while the stronger and more rigid interlayer was mainly broken in a 'rapid' cleavage with an excessive force. In estimation of cleavability, dynamic factors must be taken into account in addition to static parameters.
  • 富塚 仁, 菖蒲 明己
    1994 年 15 巻 7 号 p. 456-462
    発行日: 1994/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    A study for the neutralization of charge-up potentials observed in monochromatized XPS analysis of α-alumina single crystal plate without electron flood gun was carried out. In order to reduce the very large charge-up potential of 470∼481 eV, when no neutralization technique was used, the alumina surface was masked with a thin gold film with a hole of 1∼7 mmφ. The charge-up potential strongly depended on the monochromatized X-ray flux and the diameter of the hole. It became smaller than +15 eV for both the focus and defocus modes of X-ray source with diameters of 2 and 5 mmφ of hole, respectively. These results indicate that exposure of the gold mask to X-ray flux is essential so that photoelectrons, Auger electrons, and secondary electrons emitted from the gold mask are supplied to the sample surface with charge-up potentials. Further, the relationships among charge-up potential distributions, X-ray flux distributions, peak height (and/or area), full width at half maximum of Al 2 p, and the difference in binding energy between O1 s and Al 2 p were elucidated.
  • 松井 昇
    1994 年 15 巻 7 号 p. 463-466
    発行日: 1994/09/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    固体デバイスの電荷担体は,多くの場合,電子かホールである。固体の中には,支配的な電荷担体が電子やホールではなく,電子の数千倍の質量をもつイオンであるイオン伝導体と呼ばれる物質がある。電荷担体がイオンの場合に限らず,電子やホールの系でも電気的特性を調べるには電極が不可欠である。電極には,系を乱さないで計測をするために工夫されたものから,積極的に電極反応を起こして,生成物やエネルギーを効率的に取り出すものまでたくさんの種類がある。生体電極は前者,電池は後者の代表例である。イオン伝導を応用する系は,デバイス全体の構成が電子伝導体(電極)/イオン伝導体/電子伝導体(電極)となる。この系は,全体が電子伝導の系と比べ,電極部での電荷担体のやりとりが異なるなど複雑で,電極に求められる機能も多岐にわたる。ここでは,最初に電荷担体が電子(ホール)とイオンの場合での電極機能の違いを考える。つぎに,電荷担体がカチオン(陽イオン)のイオン伝導体(β-アルミナ)と,アニオン(陰イオン)のイオン伝導体(定安化ジルコニア)の場合の電極挙動を比較して考える。安定化ジルコニアの系については,さらに応用時の電極の問題について具体例で示す。
  • 宮崎 修一
    1994 年 15 巻 7 号 p. 467-472
    発行日: 1994/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    形状記憶合金は,マルテンサイト変態という無拡散の1次の相変態に関連して,特異な形状記憶効果を示す。マルテンサイト変態が起こると,幾種類かの界面が結晶内に必然的に形成される。たとえば,マルテンサイト晶が未変態領域と接するために必要な晶癖面,この面を形成するためにマルテンサイト相内部に導入される双晶界面,異なる方位のマルテンサイト晶同士の接する界面などがある。これらの界面の性格と挙動が形状記憶効果を理解するために重要であることを解説する。さらに,これらの界面を同定すると共に動きを観察するために,試料表面はきわめて重要な場所であることを説明する。
  • 浅野 新
    1994 年 15 巻 7 号 p. 473-478
    発行日: 1994/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    太陽紫外線の特性,それにより引き起こされるさまざまな皮膚反応,その防御技術と防御効果評価法など,紫外線と皮膚とのかかわりについての簡単な解説を試みた。 地表に到達する紫外線の波長範囲は290~400nmであり,320nmを境に短波長側をUV-B,長波長側をUV-Aとに分類されている。290nm以下の紫外線はオゾン層に吸収され,地表には到達していない。皮膚には,ケラチン蛋白とメラニン色素が存在し,紫外線を物理的,化学的に遮断している。しかし,多量の紫外線を浴びた場合には急性皮膚反応,また長期間にわたり浴びた場合には慢性皮膚反応が起こる。急性反応としては,一般的に日焼け反応として知られている,紅斑,表皮肥厚,落屑反応がある。慢性反応としては,しわ,たるみに代表される光加齢反応がある。このような紫外線による皮膚障害を防御するために,さまざまな紫外線吸収剤,散乱剤を配合した,サンスクリーン製品が開発されている。サンスクリーン製品の紫外線防御効果を評価するために,SPF(San Protecting Factor)測定法基準が設定されている。
  • 1994 年 15 巻 7 号 p. 491
    発行日: 1994年
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
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