表面科学
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16 巻 , 12 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 長町 信治, 上田 雅弘, 石川 順三
    1995 年 16 巻 12 号 p. 724-728
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    集束イオンビームの新しい利用法として,低エネルギー集束イオンビームによりイオンビーム蒸着を行う「集束イオンビーム直接蒸着法」を開発した。この方法は,原料ガスを用いることなく,また電流密度の大きなビームを用いるため高純度の成膜ができることが特長である。われわれは低エネルギーにおける集束特性に対して特に考慮を払った集束イオンビーム装置を設計製作した。この装置により30~200eVのエネルギーにおいて最小ビーム径0.5μm,ビーム電流密度20mA/cm2のAu+ビームなどが得られている。これらのビームを用いて付着確率,蒸着膜の純度,抵抗率,臨界温度などの測定を行った。その結果,予想どおりの高純度成膜が可能であること,金,銅においてバルクの1.5~1.6倍程度の抵抗率であること,ニオブにおいて超伝導薄膜が作成可能であることなどの結果が得られた。現在,この手法の特長を最大限生かした応用を開拓中である。
  • 古室 昌徳
    1995 年 16 巻 12 号 p. 729-734
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    集積回路の故障診断や修正技術として利用されている最新の集束イオンビーム装置では,10nmのビーム径を得ることが可能であり,操作性も向上している。また,走査電子顕微鏡鏡筒との複合化により故障位置の加工と評価を短時間で行える。一方,研究レベルでは,低エネルギー化による低損傷加工,イオン後方散乱分析での空間分解能の向上などが検討されている。より高輝度なイオンビーム形成のために色収差補正レンズ,電界電離ガスイオン源が検討されているが,実用レベルには至っていない。また,集束クラスターイオンビームによる結晶成長も試みられている。
  • 蒲生 健次
    1995 年 16 巻 12 号 p. 735-741
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    半導体ナノ構造の製作技術は,電子波デバイス,単電子トランジスタなど新しい極微量子化機能素子実現の鍵をにぎっており,電子ビーム,イオンビームやSTMを用いた超微細加工技術の開発が進められている。集束イオンビームはマスクレス加工ができるため,クリーンな界面の形成が必要な半導体ナノ構造の作製に有望な技術の一つである。これまで100nm程度の微細構造の作製ができていたが,最近ではビーム径10nm以下の装置も開発され,これを用いて10nm程度の超微細パターンの形成も実現されており,微細加工の能力も向上している。本稿では,イオン注入,イオンビームミキシング,その場加工など集束イオンビームを用いた加工技術について紹介する。
  • 二瓶 好正, 冨安 文武乃進
    1995 年 16 巻 12 号 p. 742-748
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    細束で,かつ高電流密度を有する集束イオンビームは,材料の任意の位置での切断加工や配線など,サブミクロンでの微細加工に広く用いられている。一方,イオン衝撃による2次イオン放出現象に基づく2次イオン質量分析法は,固体表面の高感度・3次元分析手法として実用化が進んでおり,各種固体材料の評価に広く利用され高い評価を得ている。2次イオン質量分析法の1次ビームに集束イオンビームを用いれば,従来の2次イオン質量分析法では不可能な,0.1μm以下の高い面方向分解能での局所形状観察や元素分布解析,ならびに局所定量分析,さらには3次元局所分析が可能となる。本稿では,はじめに,2次イオン質量分析法の1次ビームに集束イオンビームを用いた際の,特徴的な分析例を2例解説する。ついで,著者らが開発した,ガリウム集束イオンビームを1次ビームとし,かつ2次イオンマルチチャンネル並列検出系を備えた,サブミクロン2次イオン質量分析装置の特徴について述べる。さらに,サブミクロン2次イオン質量分析装置を用いた,新しい局所定量分析と局所3次元元素分布解析の応用例を示す。最後に,集束イオンビームを1次ビームとした2次イオン質量分析法の今後の展開について解説する。
  • 高井 幹夫
    1995 年 16 巻 12 号 p. 749-754
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    局所分析への応用を目的とした中高エネルギー集束イオンビーム技術について,半導体微細構造の分析例を中心に,その現状と最近の発展について解説する。特に,多層配線層の非破壊3次元分析,集束イオンビーム注入層のチャネリングコントラストマッピング分析,および半導体メモリーの信頼性分析法であるソフトエラーマッピングとイオンビーム誘起電流測定法について,これらの分析技術の特長について述べ,最後に将来の展望について言及する。
  • 多留谷 政良, 開原 義之, 高井 義造, 志水 隆一
    1995 年 16 巻 12 号 p. 755-760
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    集束イオンビーム(FIB)微細加工法は,加工の状況を走査イオン顕微鏡(SIM)像で観察しながら,サブミクロン領域の特定位置を指定して薄片化できるという優れた能力をもつ。この特徴は,透過型電子顕微鏡(TEM)用断面試料作製にとってきわめて有用である。本稿では,FIB-TEMによる材料の表面界面研究に関する話題をいくつか紹介し,その実用性,工夫した点,実際上の問題点などを述べる。以下に示すように,Si酸化膜の膜厚の直接観察などのルーチンワークはもとより,ダイヤモンド薄膜などの超硬質かつ界面の剥離しやすい試料を確実に断面試料とし観察することができる。さらに,デバイスの故障箇所と同様に微粒子の核発生点付近などの特定領域の断面観察を行うこともできる。FIB加工した試料断面の表層に形成される損傷層は比較的厚いがイオン種であるGaの汚染はほとんどなく,結晶格子像観察や定性的な組成分析を行ううえで致命的な問題点はないと思われる。多彩な応用ができるFIB法は,従来より格段に進歩したTEM観察を可能にし,表面界面研究に飛躍的な発展をもたらすと期待される。
  • 渡辺 宏治, 上塚 洋, 国森 公夫
    1995 年 16 巻 12 号 p. 761-765
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    The measurement of infrared chemiluminescence of the nascent CO2 molecules desorbed in molecular-beam surface reactions has been made to study the dynamics of HCOOH decomposition and HCOOH oxidation on metal surfaces (Pt, Ni). The formation of CO2 in CO oxidation is a bimolecular process (i.e., the LH type reaction between CO(ad) and O(ad)), and vibrationally and rotationally excited CO2 molecules are desorbed from the metal surfaces. In contrast, the CO2 molecules produced by HCOOH decomposition on Pt(or Ni) are not so much excited as those by CO oxidation. The CO2 is formed via decomposition of HC00(ad) (a unimolecular process) with the internal energy distributions as being in equilibrium with the surface temperature. The CO2 formed by HCOOH oxidation (HCOOH+O2 reaction) on the Ni surface is not excited, indicating that the dynamics of the CO2 formation is similar to that of the HCOOH decomposition. On the Pt surface, however, the CO2 is excited substantially, that is, the vibrational and rotational states of the CO2 formed by the HCOOH+O2 reaction are quite similar to those of the CO2 formed by CO oxidation. This finding suggests that the final step of the CO2 formation in the HCOOH oxidation on Pt comprises the bimolecular reaction between CO(ad) and O(ad). The difference in the internal energy distributions of the nascent CO2 can provide us with new information on the dynamics of catalytic reactions.
  • 内田 裕久, 渡邉 聡, François GREY, 青野 正和
    1995 年 16 巻 12 号 p. 766-771
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    A method to estimate the differences in binding energy among surface atoms at crystallographically different sites is presented. Single Si adatoms can be extracted from the Si(111)7×7 surface using a scanning tunneling microscope (STM). In such experiments, center Si adatoms are extracted with a larger probability than corner Si adatoms, by a factor of 1.6. This difference shows that the binding energy of the center Si adatom is smaller than that of the corner Si adatom by about 0.01eV. Empirical calculations using a cluster model of the Si(111)7×7 structure are performed, and the calculated results agree with an experimental finding that the center Si adatoms are extracted more frequently.
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