表面科学
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16 巻 , 10 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 米原 隆夫
    1995 年 16 巻 10 号 p. 608-616
    発行日: 1995/10/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    非晶質基板上に堆積されたままの薄層の構造は,下地の長距離秩序の欠如のため短距離秩序のみ保持された非晶質か,良くて微細な結晶粒が無秩序な粒界を隔てて集合した多結晶となる。本研究は,新規な結晶成長法,SENTAXY(選択的単一核形成法)に基づき,非晶質基板上で核形成サイトの位置を人工的に制御することを提案する。すなわち,基板上の任意の位置で結晶核を発生させ,任意の大きさに結晶粒を成長させ,さらには粒界位置をも指定することが可能となる。本稿では,その基本的な考え方を説明し,シリコンにおける単一核を選択する手法を紹介し,その機構と解析について議論する。
  • 小口 信行
    1995 年 16 巻 10 号 p. 617-623
    発行日: 1995/10/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    10mm程度のサイズの半導体微結晶を他の半導体中に埋め込んだ構造は量子井戸箱あるいは量子ドットと呼ばれているが,現在この創製法を確立するための研究が盛んに行われている。これらの方法は,大別すると,紫外線あるいは電子線リソグラフィなどを用いた微細加工を利用する方法,および結晶成長を利用する自己形成的な方法とに分けられる。これらのうち,微細加工を利用する方法は,リソグラフィの際の加工損傷および空間分解能の点に関して解決すべき問題点が多い。 本報告においては,自己形成的に量子井戸箱を作製するためには,まず半導体のエピタキシャル微結晶を作製する必要があるとの観点から,GaAsのエピタキシャル微結晶を,通常の分子線エピタキシャル結晶成長装置(MBE)で作製するためにわれわれの研究している方法,液滴エピタキシイ法の研究成果を紹介する。
  • 荒川 泰彦, 北村 雅季
    1995 年 16 巻 10 号 p. 624-630
    発行日: 1995/10/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    これまで行われてきた量子ドット構造の作製技術の研究の中で,特に薄膜の成長様式のひとつであるStranski-Krastanov(SK)成長モードによる自然形成技術に焦点を合わせて論じる。 まず量子ドット作製技術が満たすべき一般的要件およびStranski-Krastanov成長モードを用いた量子ドット作製の研究の流れについて概観する。これらをふまえ筆者らの成果を中心に論じている。成長温度,成長時間および使用する基板を変えたときのドットの形成の様子を明らかにし,ある成長時間以上で急激にドットの密度が高くなることを示した。また,ドットの形成は基板にも敏感で傾斜基板を使用すると同じ成長時間でもJust基板に比べてドットの密度が高いことを示した。さらにドットの形成について詳しく調べるためにAFMにより表面構造を観察した。マルチステップを形成することによりドットがステップ端に形成されやすいことを確かめた。また,この特徴を利用してステップに沿ってドットを配列することに成功した。
  • 松井 真二, 馬場 雅和, 落合 幸徳, 藤田 淳一
    1995 年 16 巻 10 号 p. 631-637
    発行日: 1995/10/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
     電子線照射によって誘起された基板表面原子と吸着分子との反応を利用した電子ビームデポジションによる3次元ナノ構造形成について述べる。まず, 電子ビームデポジションの基礎特性として, WF6ガスソースを用いたWのデポジションの基板温度依存性, オージェ分析および透過電子顕微鏡その場観察結果について述べる。これらの実験結果から, デポジション薄膜の基礎特性が明らかになった。また,集束電子線, STMを用いた3次元ナノ構造形成の実例を示す。さらに, これまで電子の粒子性を用いた3次元ナノ構造について研究を行ってきたが, 今後の展開として, 物質波の利用, つまり, 電子線描画技術によって作製されたComputer Generated Hologramを用いた電子・原子の物質波による3次元立体構造形成の可能性について言及する。
  • 安藤 精後, 小林 直樹, 安藤 弘明
    1995 年 16 巻 10 号 p. 638-643
    発行日: 1995/10/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    有機金属気相成長法による選択成長を用いて,(111)B面上で成長条件を最適化すると六角柱の成長が得られることを示す。この六角柱の側面の(110)ファセットは,基板に完全に垂直でかつ劈開面に匹敵する平坦性をもつためにレーザーの反射ミラーとして応用することができる。作製したレーザーは,低しきい値で発振し,そのモードは内接する六角形のシングルモードであった。さらに(111)B面上では,矩形構造の選択成長も可能なため,これを光導波路として六角柱の角に結合した光導波路一体型レーザー構造についても紹介する。
  • 坪内 和夫, 益 一哉, 横山 道央
    1995 年 16 巻 10 号 p. 644-650
    発行日: 1995/10/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    筆者らは,超LSIの微細配線金属形成技術への応用を目的にジメチルアルミニウムハイドライド(DMAH)を用いた選択Al CVD技術を開発してきた。本CVDの特徴は,Siなどの導電性基板表面にはAlが堆積し,SiO2Oなどの非導電性基板表面には堆積しない選択成長が可能なことである。また,特にSi上へは単結晶Alが堆積する。Si上への選択堆積に関して,「表面電気化学反応モデル」を提案し,実験的に検証してきた。表面に存在する自由電子の触媒的寄与により,単原子層終端水素とDMAHのメチル基が反応し,メタンとなって脱離し,Alが堆積する。堆積したAl表面は水素で終端され,終端水素とメチル基が反応・脱離し,Al堆積反応が持続するというモデルである。われわれは,このモデルをもとに,Si表面の単原子終端水素層を電子ビームでパターニングすると照射部分の水素は脱離し,Si表面は酸化し,Al堆積のマスクとなることを利用して,終端水素の残った部分のみにAlを堆積させる「アトミック水素レジストプロセス」を開発した。本稿では,選択Al CVD技術,選択成長メカニズム,さらにアトミックレジストプロセスによるAlパターニングについて紹介する。
  • 古川 義純
    1995 年 16 巻 10 号 p. 651-654
    発行日: 1995/10/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    氷結晶の表面は,融点近傍の温度になると表面融解と呼ばれる1次の表面構造相転移を起こし,擬似液体層で覆われる。雪の結晶の成長機構は,このような表面微細構造と密接に関連している。表面構造の温度依存性と面方位依存性を考慮すると,雪の結晶の複雑な形態変化のしくみさえ解明できる可能性がある。最近の研究の発展について紹介する。
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