表面科学
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16 巻 , 6 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 松浦 孝, 室田 淳一
    1995 年 16 巻 6 号 p. 346-352
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    原子層エッチングのためには,エッチャントの表面吸着過程と基板との反応過程を完全に分離し,さらに,おのおのの過程における吸着量や反応量が熱力学的飽和条件で自己制限されるようにすることが不可欠である。著者らは,高清浄雰囲気下での塩素吸着と低エネルギーイオン照射を交互に繰返すことにより,Siの原子層エッチングを,自己制限型にかつ方向性をもたせて実現した。Si(100),(111),(110),(211)面について調べた結果,1サイクル当たりのエッチング量は,表面の塩素吸着量とともに増加し各面方位ともそれぞれの1原子層厚に簡単な分数を掛けた値に飽和することがわかった。また,塩素分子のみを供給した場合,それらの飽和値は,塩素ラジカルの供給を含む場合の1/2倍になる。さらに,Si表面への塩素のLangmuir型吸着を仮定すると1サイクル当たりのエッチング量が定量的に説明でき,飽和エッチング量は各面方位の表面ボンド構造と塩素の吸着サイトとに単純な対応関係がある。本稿では,これら低エネルギーイオン照射によるSiの原子層エッチングの著者らの研究について解説する。
  • 松井 真二, 馬場 雅和, 渡部 平司, 藤田 淳一
    1995 年 16 巻 6 号 p. 353-359
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    電子線照射によって誘起された基板表面原子と吸着分子との反応を利用した電子ビーム励起エッチングによるナノメータエッチングについて述べた。まず,集束電子ビームによるXeF2ソースガスを用いたSiの直接描画エッチングを行い,コンピューター制御による任意パターンのマスクレス直接描画エッチングが可能であることを示した。また,電子ビーム励起エッチングの特徴の一つである3次元加工をCIF3ソースガスを用いたPMMAレジストを用いて示した。さらに,電子ビーム励起エッチングはイオンエッチングに比べて低損傷であり,低損傷ドライエッチング技術として有用であることを示した。まず,大面積のブロード電子ビームを得る方法として,一般的にドライエッチングのプラズマソースとして用いられているECRソースから,ブロード電子ビームを引き出す方法を提案し,この方法を用いてGaAs/AlGa1-xAs量子井戸基板をエッチングし,フォトルミネッセンスによる光学的測定により,その低損傷性を示した。さらに,STMを用いてGaAs基板上に塩素吸着層を形成しSTM走査することによって原子層エッチングを行った。最近では,5nmビーム径の電子ビーム描画も可能になっており,今後,電子ビーム励起表面反応を用いた低損傷ナノメータエッチング技術が有望視されていくものと思われる。
  • 寺門 伸悟
    1995 年 16 巻 6 号 p. 360-366
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    X線を用いた加工技術は,低温,低損傷,そして高制御性といった特長をもっており,原子層程度で制御された微細加工を可能にする技術として期待できる。本稿では,高制御(空間選択)エッチングおよびサブミクロンサイズの微細加工など,X線を用いたエッチング技術の現状について,われわれの結果を中心に紹介する。さらに,原子層単位で制御された微細加工をX線を用いて実現するためのアプローチ方法や将来展望などについてふれる。
  • 持地 広造
    1995 年 16 巻 6 号 p. 367-372
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
     多価イオンのもつ電子的内部エネルギーを利用した原子層エッチングについて述べる。この方法は, 多価イオンを表面に照射したときに多価イオンの中性化によって表面に生成する複数正孔間の反発力による表面原子の脱離反応を原理とするものである。GaAs表面にAr多価イオンの価数を選択して照射した結果, 表面原子の脱離収率が多価イオンの価数, すなわち電子的内部エネルギーとともに著しく増大する現象が見出された。これは多価イオンを利用した原子層エッチングの原理的可能性を示すものである。今後,多価イオンの極低速化ならびにイオン照射を受けた表面状態の解析などを進めることにより高性能な原子層エッチングの開発が期待される。
  • 高桑 雄二
    1995 年 16 巻 6 号 p. 373-377
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    塩素によるSiエッチングの表面反応素過程を水素と酸素の脱離反応と比較しながら,表面吸着構造モデルを用いて説明する。Si原子層エッチングにおいて原子層のエッチング速度だけでなく,原子スケールで平坦なエッチング表面を得るためには,表面ステップからのSi吸着原子の放出とその表面泳動の励起が必要であることを指摘する。
  • 西嶋 光昭
    1995 年 16 巻 6 号 p. 378-384
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    Pd(110)表面と炭化水素(エチレン,ベンゼン,アセチレン)との相互作用にたいして,アルカリ金属を用いた表面修飾がどのような効果をもたらすかについての筆者らの高分解能電子エネルギー損失分光,昇温脱離分光などを用いた研究結果を解説する。水素修飾効果についてもふれる。
  • 安田 祐介
    1995 年 16 巻 6 号 p. 385-390
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    ここで述べる周波数応答(FR)法の特色は,気体/表面の界面で起こっている諸現象に関する知見を,気相の体積を正弦波的に変動させたときに誘起される,ガス圧の変動を観測することによって得ようとする点にある。FR法は分光法に似た一種の共鳴法であるから,(i)ミラー指数の異なるさまざまな表面やエッジあるいは微細孔の存在などのために,混在しているさまざまな速度過程を区別して測定できることのほかに,(ii)吸着媒の量にはよらない(したがって,吸着サイトあるいは触媒の活性点当りの)速度定数を得ることができることが,この方法の大きな利点である。特にFR法を触媒反応系に適用した場合には,新規な速度定数が現れてくる。
  • 綿森 道夫, 尾浦 憲治郎
    1995 年 16 巻 6 号 p. 391-396
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    RBS法において入射エネルギーを3.045MeV,散乱角を150~180°に設定すると,入射イオンであるヘリウムと標的中に存在する酸素原子が鋭い共鳴現象を起こして,散乱強度が増加する。この増加の割合は,散乱角に大きく依存し,10倍程度から30倍程度になる。このように増加した酸素信号を利用すれば,酸素信号の検出感度が従来のRBS法に比べて数倍から10倍程度となり,高感度な酸素分析ができることになる。そのうえ,通常のRBS法によって酸素を分析できる酸化膜はきわめて限られているのに対し,このRBS共鳴散乱では,ほとんどすべての酸化膜に対して酸素含有量の深さ分析が行える利点をもつ。ここでは,RBS共鳴散乱法の原理と特徴を示した後,応用例として透明電極に用いられるITO薄膜の深さ分析を行い,酸素の含有量がITO薄膜の電気特性に及ぼす影響について考察する。
  • Kazuo SASAKI, Atsusi HIRATA, Munemi MICHIGAMI
    1995 年 16 巻 6 号 p. 397-399
    発行日: 1995/06/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    For the purpose of measuring the work function of CdS single crystals in ultra high vacuum, an all metallic probe head which can be baked up to 400°C was fabricated. Replacing the specimens facing the Kelvin electrode is made by utilizing a turntable. Use of these newly designed parts has made it possible to perform the measurements of about thirty specimens without opening the vacuum chamber and reevacuating it.
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