表面科学
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17 巻 , 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 山田 啓文
    1996 年 17 巻 1 号 p. 2-7
    発行日: 1996/01/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    原子間力顕微鏡は,その最初の論文が登場して以来10年が経過し,すでに表面科学などさまざまな分野において,原子・分子スケールの分解能をもつ表面微細構造分析法として定着している。しかしながら最近においても,原子間力顕微鏡を表面のナノメートル領域における種々の物性情報を取得する手段として応用するための新規手法の開発が精力的に進められている。本稿では,この数年の間に特に進展の著しい非接触動作ダイナミックモード,単一スピンによる力の検出を目指す磁気共鳴顕微鏡,ピコ秒レベルの超高速現象をとらえる時間分解AFM,分子間力測定による材料識別法,変位センサーを内蔵する微細加工カンチレバーの開発など最近のAFM関連研究の動向について報告する。
  • 大久保 俊文
    1996 年 17 巻 1 号 p. 8-14
    発行日: 1996/01/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    走査型プローブ顕微鏡のファミリの一つで,磁性サンプルの漏洩磁界を大気中において,非接触・非破壊で測定可能な磁気力顕微鏡について,その原理を概説した。また検出感度,空間分解能,応答速度などの基本性能の向上に寄与したいくつかの技術をピックアップし,これらにも焦点をあてて述べた。加えて,力顕微鏡の測定例を磁気記録の場合を例に示すとともに,磁界測定のみならず高密度記録を目的として積極的にサンプルの磁化操作を行った例もあわせて述べた。
  • 山中 一司
    1996 年 17 巻 1 号 p. 15-21
    発行日: 1996/01/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    原子間力顕微鏡における力変調法,試料の横振動によるカンチレバーの捩れ振動を用いた横振動モードAFM(LM-AFM),および探針と試料問に超音波振動力を作用させ,その結果誘起されるカンチレバーの曲げ振動を測定して,固い試料でも弾性率が計測でき,表面下の欠陥が検出できる超音波力顕微鏡(UFM)を紹介する。これらの方法は,材料のミクロな粘弾性の計測法として,従来の技術(粘弾性試験や超音波計測法)の空間分解能の限界である1μmの壁を破り,微小な素子や材料組織,細胞,分子などの力学的物性の多様な側面を浮き彫りにすることができる。そこで,通常の原子間力顕微鏡や摩擦力顕微鏡を補って,電子工学,機械工学,生命科学,トライボロジーなどの研究や機器/部材の品質管理などに役立つと期待される。
  • 森田 清三, 菅原 康弘, 藤沢 悟, 大田 昌弘, 上山 仁司
    1996 年 17 巻 1 号 p. 22-26
    発行日: 1996/01/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
     《力の単原子観察》を期待して開発された原子間力顕微鏡 (AFM) は, つい最近まで, 「AFMで何を見ているのか?」「何が見れるのか?」さえ不明の状態であった。ここでは, 原子レベルの接触 (斥力) 測定の場合, 光干渉方式のAFMではてこの 《Z変位》 つまり真の凹凸測定が可能だが, 光てこ方式の原子間力/水平力顕微鏡 (AFM/LFM) では, AFM機能でてこの 《たわみ 》がLFM機能でてこの 《ねじれ》 が測定可能で, 結果的には, 2次元の摩擦力ベクトルを測定できる2次元摩擦力顕微鏡 (2D-FFM) となることを紹介する。また, 光干渉方式の超高真空AFMを用いて, InP(110) へき開面の原子レベルの欠陥が観察できたことより, 非接触 (引力) 測定では真の力の単原子観察が可能なことも明らかにした。さらに光てこ方式のAFM/LFMつまり2次元摩擦力顕微鏡を用いて, ミクロな摩擦を原子レベルで研究した結果, 原子レベルでの摩擦の原因は原子間の凝着で, 凝着点は格子位置に2次元的にかつ不連続に分布しており, この凝着点へのスティック (凝着) とスリップ (滑り) が交互に起きるスティック・スリップモデルで, 周期や波形だけでなく, 摩擦力による (変位) 振幅が定量的に予想可能で実験的にも定量的一致が得られることを紹介する。
  • 坂井 文樹
    1996 年 17 巻 1 号 p. 27-30
    発行日: 1996/01/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    AFMを起源とする走査型フォース顕微鏡はここ数年の間に急速に高機能化している。高機能化を(1)形状測定モードの多様化,(2)測定できる物性の種類の拡大,(3)装置の高機能化,という三つの視点からとらえて解説する。まず形状測定モードの多様化であるが,これにより硬い試料はもちろん,有機物や生体のような柔らかい試料まで安定して測定できるようになってきた。このため,広い分野で高分解能観察装置としての地位を固めつつある。また,形状と同時に測定できる試料表面の物理的な性質の種類も磁気力,摩擦力,電位,粘弾性と増える一方である。表面形状に対応した物理的性質のマッピングは試料のミクロな解析方法として期待されている。さらに装置の高機能化という点では1台の装置でいくつかの機能を果たせる多機能化,他の装置と組合せて得られる情報量を増やしたり使いやすくする複合化,限定された試料に対して測定能率を向上させるための専用化など多方面からのアプローチがなされている。
  • Hong LIN, Won Seon SEO, Katsumi KUWABARA, Guo Qing DI, Susumu UCHIYAMA ...
    1996 年 17 巻 1 号 p. 31-37
    発行日: 1996/01/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    To investigate the possibility of the control over crystal growth on oriented organic film surfaces, bismuth (Bi) metal was vacuum-deposited on cadmium stearate Langmuir-Blodgett (LB) films with surfaces of either hydrophilic head groups or hydrophobic tail groups at room temperature. Interaction in both geometric and chemical senses between organic functional groups and evaporated metal seems critical for its growth. Different growth manner of Bi was observed on different surfaces in the initial stage of deposition ; A very low deposition rate, 0.01 nm/s, resulted in the large crystals grown on the hydrophilic surfaces, while fine particles formed on the hydrophobic surfaces. Time dependence of the average size of fine particles (∝t1/3) indicated high diffusivity of Bi adatoms on the hydrophobic surface, while crystallization of Bi on the hydrophilic surface possibly implied their strong chemical interactions.
  • 荻原 俊弥, 田沼 繁夫
    1996 年 17 巻 1 号 p. 38-42
    発行日: 1996/01/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    We have investigated the dependence of the depth resolution of Auger depth profiles of InP/ GaInAsP multilayer specimens on the sputtering rate, and the surface roughness caused by the ion bombardment. Ar ions having energies of 1.0 and 3.0kV were used for the sputtering. The depth resolution of the measured Auger depth profiles was improved by increasing the sputtering rate. Thus we obtained, by 3.0kv Ar ion sputtering, excellent Auger depth profiles with constant depth resolution from the outermost surface of the samples. We found that the obtained depth resolutions of the trailing edge group were largely different from those of leading edges in several specimens. We also found that the resulting resolution of Auger depth profiles could be determined by the surface roughness caused by the Ar ion sputtering.
  • 湯本 久美, 木名瀬 良紀, 石原 正統, 馬場 宣良, 亀井 一人
    1996 年 17 巻 1 号 p. 43-48
    発行日: 1996/01/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    Co-Ni系においてホロー結晶が成長するが,このホロー結晶には筒型(pH2.0,1000~1500A/m2)とお椀型(pH3.4,200~1500A/m2)の2種類が存在した。 このホロー結晶は陰極で発生する水素バブルの周囲に沿ってできるCo(OH)2膜を介して成長する。したがってホロー結晶の形は水素バブルの形で決まるものと思われる。 Co-Ni系はZn-Ni系と同様に異常共析型であるが,Zn-Ni系に見られたひげ結晶は成長せずホロー結晶が成長した理由の一つは,酸化膜ができず水酸化膜のみが形成されたためと思われる。
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