表面科学
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17 巻 , 12 号
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  • 安達 洋
    1996 年 17 巻 12 号 p. 712-717
    発行日: 1996/12/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    電界放射現象は,真空中で発生する基本現象の一つである。電界放射顕微鏡(FEM)は,構造が簡単で容易に製作できることから,表面研究の草分けの時代には大々的に用いられ,その研究が表面物性の研究をおおいに発展させた。その成果が電界放射陰極の実用化になって現れ,電子線干渉現象を実用の段階にまで高めた。半導体の微細加工技術との組み合わせで,この世に出てきた電界放射陰極列(FEA)は,まだ,野のものとも山のものともわからないが,研究が急速に進んでいる。本稿では,表面物性の見方からすこし離れて,放射電子を利用する電子放射源の立場から,研究の流れを追ってみた。
  • 伊藤 順司, 金丸 正剛
    1996 年 17 巻 12 号 p. 718-723
    発行日: 1996/12/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    単結晶Siを用いたゲート電極付電界放射列(FEA)の研究は,ここ数年間で急速に進展してきた。最新のSi-LSI技術を利用することで,高い再現性と精度で構造を作製でき,また,半導体としての電気伝導メカニズムに基づく多様な電子放射特性を示す,などがその理由であろう。本稿では,Si-FEAの構造,作製プロセス,放射電流の揺らぎ,p/n接合を内蔵するエミッタの放射特性を述べ,最後に放射電流の安定化に対する試みについて最近の研究成果を紹介する。特に,エミッタに近接して一体形成されたゲート電極が,Si基板内での電流の生成とエミッタへの供給メカニズムにおいて重要な役割を果たしていることについて述べる。また,この現象をうまく利用すれば,非常に簡単なトランジスタ構造のFEAを実現でき,これが放射電流の制御に有効であることについても言及する。
  • 岡野 健, 山田 貴寿
    1996 年 17 巻 12 号 p. 724-730
    発行日: 1996/12/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    ダイヤモンド冷陰極はその負の電子親和力に起因して著しく優れた特性が得られる可能性が示唆されているが,今までのところ有効に負の電子親和力を利用した電子放出特性を確認するまでには至っていないように思われる。本稿では,現在までに報告されているダイヤモンド表面の電子親和力の評価やダイヤモンドからの電子放出特性,さらにディスプレーの試作や電子放出メカニズムの解析などに関する研究を紹介する。
  • 渡鍋 文哉, Gary M. MCCLELLAND, Harry HEINZELMANN
    1996 年 17 巻 12 号 p. 731-737
    発行日: 1996/12/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    電界放射現象は単吸着子に対する感度を持ち,フェムト秒台で連続的時間分解を行うに十分な電流量(>10μA~6×1013e-/s)を単一原子から放出する。フェムトセコンドフィールドエミッションカメラ(Femtosecond Field Emission Camera, FFEC)は電界放射線を電気パルスで走査し時間分解することにより,単吸着子の超高速ダイナミックスを解明できる装置である。タングステンチップ上でのセシウム原子の拡散と銅フタロシアニン分子の振動測定について紹介する。また,電気パルスにより吸着子の運動を制御するメモリー素子への応用例も紹介する。
  • 長岡 克己, 大島 忠平
    1996 年 17 巻 12 号 p. 738-744
    発行日: 1996/12/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
     超伝導状態のクーパー対からの電界放出電子を利用して, 超コヒーレント電子ビームの実現を試みている。理論的に予想されるビームのエネルギー半値幅は, 従来のものと比較して, 3桁近く狭い(0.05meV以下)が, この狭いエネルギー幅を確認した報告はない。本稿では, この現象を実験的に確認するために我々の研究室で立ち上がりつつある装置と予備実験について報告する。また, この研究テーマ周辺の研究動向についても紹介する。
  • 蒲生 康男, 長島 礼人, 若林 聖, 寺井 真之, 大島 忠平
    1996 年 17 巻 12 号 p. 745-749
    発行日: 1996/12/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    The atomic structure of monolayer graphite formed on a Ni (111) surface was investigated by means of LEED intensity analysis. We measured the I-V curves of the (1, 0), (0, 1) and (1, 1) diffraction spots from a 1×1 atomic structure, and analyzed them by using the Van Hove's analytical program based on dynamical theory. Three different atomic structures meeting the experimental requirement of the 3-m symmetry were evaluated with Pendry's reliability factor. The final best-fit structure characterized by the minimum Pendry's reliability factor of 0.22 is as follows; one carbon atom in a unit cell of the graphite overlayer is located at the on-top site of the topmost Ni atoms, while another carbon atom exists at the fcc-hollow site. The spacing between the flat overlayer and the topmost Ni layer is 2.11 ± 0.07 Å, which is much narrower than the interlayer spacing in bulk graphite (3.35 Å).
  • 金崎 英二
    1996 年 17 巻 12 号 p. 750-757
    発行日: 1996/12/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    Naphthalene-2, 6-, -1, 5- and -2, 7-disulfonates (abbreviated as N26DS, N15DS and N27DS, respectively, and collectively abbreviated as NijDS) are intercalated individually in the interlayer region of Zn and Al layered double-hydroxides (Zn/Al-LDH). The intercalated products are prepared by means of mixing one of the organic isomers and 500°C-calcined carbonateintercalated Zn/Al-LDH under weak alkaline conditions. When N26DS or N15DS is used as an intercalated guest, two solid phases with basal spacings, 15 Å and 17 Å, abbreviated as 15 Å and 17 Å phases, respectively, are observed in powder X-ray diffraction (XRD) patterns. In contrast, only the 17 Å phase appears when N27DS is intercalated. The different basal spacings result from alternative orientations of NijDS (ij = 26 and 15) in the interlayer. The 15 Å phase appears exclusively in XRD patterns although the 17 Å phase is produced together with a by-product. NijDS (if =15 and 26) is more closely packed in the interlayer of the latter phase. The solid state chemistry has been investigated by using UV-visible diffuse reflection (DR) spectroscopy, differential thermal analysis/thermogravimetry (DTA/TG) and X-ray photoelectron spectroscopy (XPS).
  • 荻原 俊弥, 田沼 繁夫
    1996 年 17 巻 12 号 p. 758-763
    発行日: 1996/12/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    We have conducted Auger depth profiling analyses of InP/GaInAsP multilayer specimens, in which the surface roughness was caused by the argon ion sputtering. We have, then, carried out the quantitative evaluation of the surface roughness using the distribution of the each pixel height taken by an atomic force microscope. The obtained histograms of surface roughness were used to calculate the resolution function together with the functions of electron escape depth and atomic mixing (Hofmann's MRI model). We also compared the resulting resolution function with the one obtained by the depth profiles measured. In this convolution calculation, we have assumed that the atomic mixing layer thickness was 2 nm and the information depth was 0.75 nm. The resulting resolution function was in excellent agreement with the one obtained from Auger depth profile. Therefore, we conclude that the distribution of the height of each pixel taken by AFM corresponds to the functions of surface roughness of the depth resolution function on the AES depth profile with sample cooling method.
  • 山下 和男, 播磨 裕
    1996 年 17 巻 12 号 p. 764-770
    発行日: 1996/12/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    半導体/金属界面が電子またはホールに対して理想的なブロッキング接触であるとき,Schottky-Mott則が成立する。ZnTPP固体膜について,このSchottky-Mott則を検証した結果,ZnTPP膜が表面準位のない理想的な有機半導体として挙動すること,またこの関係則よりZnTPPなどの有機半導体の仕事関数φsが容易に求まることが判明した。一方,Kelvin法ではポルフィリン分子固体膜のφsを正しく評価することができなかった。UPSの実験結果から導かれるZnTPP/金属界面のエネルギー構造モデル(c)は,Schottky-Mott則で仮定されるモデル(a)およびKelvin法の結果から間接的に推測されるモデル(b)のどちらにも対応しなかった。モデル(a)は,ZnTPP/金属界面で真空レベルとフェルミ準位がともに一致し,空間電荷層でバンドの曲がりが生じるエネルギー構造である。モデル(b)では界面で真空レベルが一致するが,フェルミ準位は揃わず,バンドの曲がりはない。また,モデル(c)では界面においてほぼ一定(約-0.7eV)のシフトがある構造である。現段階では,いずれか一つのモデルで有機半導体/金属界面がかかわる現象を統一的に説明することは困難であり,それらの妥当性をさらに検討する必要があることが示された。
  • 大津 元一
    1996 年 17 巻 12 号 p. 771-774
    発行日: 1996/12/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    エバネッセント場を利用した近接場光学顕微鏡の原理,基本構成について概説する。特にエバネッセント場のもつ二つの基本的性質(物質寸法依存のパワー局在,プローブ・試料の寸法に関する共鳴)について述べ,これをもとに分解能はプローブ先端の寸法が決めることなどについて指摘する。微小なプローブを作成する技術,プローブ位置を制御する方法などを述べる。
  • 1996 年 17 巻 12 号 p. 778
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
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