表面科学
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17 巻 , 9 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 白沢 勝彦, 福井 健次
    1996 年 17 巻 9 号 p. 510-515
    発行日: 1996/09/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    太陽電池の本格的な実用化に向けての動きが非常に活発になってきている。今後更に低コスト化が図られ太陽光発電が地球環境問題を打開する新エネルギーとして一役を担う時代が到来するであろう。まずは結晶系シリコン太陽電池が先導役を担っていくであろうが,それには更に高効率化と低コスト化を達成しなければならない。高効率化には多くの手法があり多種にわたる研究が行われている。特にパッシベーション技術は今後の薄膜化に向けても非常に重要な技術として位置づけられている。本稿では,結晶系シリコン太陽電池のパッシベーションの種々の技術について述べてある。パッシベーション技術には表面パッシベーション技術とバルクパッシベーション技術がある。表面パッシベーション技術は大きく分けて熱酸化による方法と薄膜を表面に形成する方法があり,表面再結合速度としてエミッタでは102 cm/s以下,裏面では10cm/s以下を目指した研究が進められている。また,バルクパッシベーション技術は色々な手法が検討されているが本質的にはどれも水素によるパッシベーションである。表面パッシベーションにより表面でのキャリア再結合を減らし,バルクパッシベーションによりシリコン基板のライフタイムを向上させることができる。
  • 徳本 洋志, 森田 行則
    1996 年 17 巻 9 号 p. 516-522
    発行日: 1996/09/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    サブクォーターミクロンからナノスケール領域に入ったULSI分野では,Si表面の精密制御が最重要課題の一つとなっている。なかでも,H原子によって終端(パッシベーション)したSi表面が,大気中でも自然酸化が防止できる,各種の汚染を軽減できるなどウルトラクリーンテクノロジーの観点から注目されている。ここでは,Si表面のH原子パッシベーションの方法として,最もデバイスプロセスに受け入れやすいHF系溶液へ浸す方法について紹介する。Si(111)表面の原子オーダー平坦化と水素原子終端に関しては研究が最も進み,原子オーダーで平坦なSi-SiO 2界面作成とpH=8程度のHF系溶液を用いることによりほぼ自由に制御できるようになっている。一方,Si(001)表面は実際のデバイスに用いられる表面であるため非常に精力的な研究が行われているが,まだ,制御できる段階にはない。極く最近,微傾斜Si(001)基板をpH<1の溶液の中へ一定の方向に浸すことにより,原子ステップ以外には欠陥のほとんど存在しない表面を作成することが報告された。本解説では,si(111)およびsi(001)表面の溶液処理を行った後速やかにSTM装置を用い,表面構造を原子オーダーの精度で観察した結果について紹介する。
  • 南日 康夫
    1996 年 17 巻 9 号 p. 523-528
    発行日: 1996/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    GaAsは,未だに制御しきれていない材料である。Siと比べると,残留不純物は多く高濃度である。さらにストイキオメトリーのずれのために,空格子点や格子間原子あるいは逆格子位置原子などの構造点欠陥が,多い上に,互いに反応して複合体を形成する。この材料の表面は,謎であった。酸素も含め,多くの金属の付着に際し,表面のフェルミ準位は,ほぼ同じ位置にピニングされた。(多)硫化アンモニウム溶液による表面処理は,表面(界面)での欠陥密度を減少させることによって,この束縛をほどいた。鍵は,硫黄原子の膜が,酸素をはじめとする他の原子をGaAsから隔離することにあった。硫黄が,GaAsと結合する原子と形態は,多相であり,さらに詳しく表面を観察するとその超構造は多段階(マルチステージ)的に変化する。この多段階的変化が,実用的にどのような意義があるかは疑問であるが,理論的には面白い問題を提供している。硫黄による表面処理は,湿式・乾式で実行でき,実用的には有用であり,幅広い応用分野が開けている。また程度の差はあるが,他のIII-V族化合物半導体と他のカルコゲン分子の間でも,類似の効果が見られている。
  • 長谷川 英機, 児玉 聡, 橋詰 保
    1996 年 17 巻 9 号 p. 529-538
    発行日: 1996/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    化合物半導体デバイス技術においては,その優れた電子輸送特性や光学的特性をさらに生かすため,実用デバイスのスケールダウンや,ナノスケールの薄膜多層構造や微細量子構造を用いた,量子力学的デバイスが開発されつつある。このように,微細化,薄膜化を押し進めると,相対的に表面・界面の占める割合が増大し,従来以上に表面・界面の理解とその工学的制御が重要となる。本稿では,化合物半導体表面のパッシベーション技術に関して,その重要性や界面制御の必要性やその新しい試みを述べる。ことに界面制御法の1つとして,筆者らが開発した「シリコン超薄膜界面制御層」を利用する新しいアプローチと,その量子構造への応用例を紹介する。まず,界面準位がデバイスに与える影響や界面準位の発生機構に関するモデルを説明する。次に,界面制御に基づく化合物半導体表面パッシベーションの最近の試みを概観する。最後に,筆者らが開発したシリコン界面制御層を利用した新しい界面制御技術について,その原理や具体的手法,界面の構造と電子物性について述べ,これを,表面近傍のGaAs量子井戸およびInGaAs量子細線に適用した例を議論している。
  • 内山 登志弘
    1996 年 17 巻 9 号 p. 539-545
    発行日: 1996/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
     超1Gbit級の半導体デバイスの実現に向けて, シリコン半導体表面の酸化反応を原子レベルで制御し, 絶縁性の高い極薄 (膜厚3nm以下の) 酸化膜を形成する技術が必要となりつつある。このためには, シリコン表面における酸化反応の原子過程やその機構などを包括的に理解することが不可欠である。ここでは, Si(001)表面の初期酸化過程で期待される酸素原子の吸着構造を中心に, その第一原理計算による最近の研究を紹介する。特に, 走査型トンネル顕微鏡を用いた, 酸素吸着による表面構造変化の観察方法について議論する。
  • 石井 敏也
    1996 年 17 巻 9 号 p. 546-552
    発行日: 1996/09/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    Polyethylenterephtarate (PET) films with deposited Al or SiOx thin films are utilized for a wide variety of package materials. The interfacial interaction between PET films and vapor deposited thin films was investigated using X-ray Photoelectron Spectroscopy (XPS). We studied some influences of the vapor deposition process on the surfaces of PET films, using commercial samples. In order to get the information at the interface between vapor deposited thin films and PET films, analysis of PET surface structures was carried out by breaking samples in the vicinity of the interface. The XPS data, the full width of half maximum (FWHM) of C-C bonding peaks and the changes in the peak area of functional groups obtained by means of peak separation, suggested that the surface structure of PET films was influenced by vapor deposition process, and Si-C bonding was formed at the interface.
  • 越川 孝範
    1996 年 17 巻 9 号 p. 553-558
    発行日: 1996/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
  • 森田 清三, 菅原 康弘, 大田 昌弘
    1996 年 17 巻 9 号 p. 559-561
    発行日: 1996/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    AFMの試作と像解釈のノウハウについて明らかにするために,第一回目は「AFMの検出量と校正方法」という題で,市販装置に使われている光テコ方式のAFMと光干渉方式のAFMの相違の紹介と,垂直抗力と摩擦力の校正方法やクロストークのチェック方法の紹介を行う。第二回目は「AFMの単原子観察条件」という題で,AFMによる凹凸測定や摩擦力測定で,本当にテコ先端の一個の原子により,試料表面の一個の原子を見ているのかと,その判定方法の紹介を行う。第三回目は「UHV-AFMによる単原子観察」という題で, UHV-AFMによる単原子観察の測定条件と測定方法の紹介を行う。
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