表面科学
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37 巻, 10 号
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巻頭言
特集: 走査型プローブ顕微鏡を用いた電極表面科学
研究紹介
連載企画
安全な社会と表面科学
  • 保坂 三継
    2016 年 37 巻 10 号 p. 510-512
    発行日: 2016/10/10
    公開日: 2016/10/25
    ジャーナル フリー

    バイオフィルムとは,細菌によって器物表面に形成される膜状の付着物で,浴室や台所等の水回りにできるヌメリもそのひとつである。大規模なものでは,循環式浴槽や空調用冷却塔など,温水を繰り返し使用する施設・設備を広く汚染する。バイオフィルムの内部には,各種の細菌や真菌類,原生動物など様々な微生物が生息する。この中に,もともとは土壌細菌と考えられているレジオネラ属菌が繁殖し,バイオフィルムの形成された水から発生したエアロゾルを吸引した人の肺に感染し,レジオネラ症等の健康被害を引き起こす場合がある。レジオネラ属菌に汚染された冷却塔水や循環式浴槽水が原因となって,大規模な集団感染が度々発生している。その対策として,バイオフィルムが出来にくい素材の検討や適切な維持管理によるバイオフィルムとレジオネラの繁殖制御,そして効果的な消毒等が必要である。くらしの中に潜む健康リスクとしてのレジオネラ属菌が引き起こす感染を防止するため,身近な水回りのバイオフィルムの制御が求められる。

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