コンピュータ ソフトウェア
Print ISSN : 0289-6540
19 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
特集にあたって
特集論文
  • 椎尾 一郎, 山本 吉伸
    2002 年 19 巻 4 号 p. 246-253
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2012/01/10
    ジャーナル フリー
    コンピュータを服のように体に装着して,日常生活のあらゆる場面で人々の活動を支援するウェアラブルコンピュータの実用化が進んでいる.高性能で安価な小型コンピュータと無線ネットワーク,軽量な装着型ディスプレイ,高性能バッテリーと省電力ハードウェアにより,従来のデスクトップコンピュータに匹敵する機能を持つコンピュータ装置を身につけて携帯することが可能になった.その結果,ウェアラブルコンピュータは一部で商品化されて,メンテナンスや製造などの限られた分野で実用化されている.しかしながら,アプリケーションの多くは,デスクトップコンピュータで使われているシステムをそのまま外で使う形態が多く,誰でもウェアラブルコンピュータを使いたくなるような魅力的なアプリケーション(キラーアプリケーション)に欠けている.筆者らは,ウェアラブルコンピュータのキラーアプリケーションの一つは,人々のコミュニケーションを支援するメディアへの応用であると考えた.そこで,仮想の手描きメモによるコミュニケーションをウェアラブルコンピュータにより実現する「空気ペン」システムを試作し,位置検出等の性能評価と,試用したユーザからのフィードバックによる評価を行った.
  • 後藤 真孝, 伊藤 克亘, 秋葉 友良, 速水 悟
    2002 年 19 巻 4 号 p. 254-265
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2012/01/10
    ジャーナル フリー
    本論文では,ユーザがある単語を思い出せずに断片だけを発声しても,システム側がその残りを補って入力することを可能にする「音声補完」という新しい音声インタフェース機能を提案する.既にテキストインタフェースでは,ファイル名の入力等で補完の概念が広く受け入れられているが,音声では効果的な補完機能は提案されていなかった.我々は,ユーザが単語発声途中に有声休止(母音の引き延ばし)によって言い淀むと,それを含む補完候補の一覧を見ることができるインタフェースを構築し,労力をかけずに自発的に補完機能を呼び出しながら音声入力することを可能にする.実際に,有声休止検出機能と補完候補作成可能な音声認識機能を備えたシステムを実装して運用し,音声補完の有用性を確認した.本研究での有声休止は,従来の言語情報中心の音声入力インタフェースに導入された,新たな非言語情報のモダリティと捉えることができる.
一般論文
  • 松崎 智広, 鈴木 徹也, 徳田 雄洋
    2002 年 19 巻 4 号 p. 266-282
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2012/01/10
    ジャーナル フリー
    Webアプリケーションのプログラムを作成するには,アプリケーションロジック以外にもデータ入出力,セッション管理,セキュリティ管理等のプログラムを作成する必要があり,その作成に多くの手間とWeb関連知識が必要となる.我々は,Webアプリケーションの実行をパイプ/フィルタアーキテクチャに基づくプログラムの実行とみなすことにより,Webページとアプリケーションロジックの記述からWebアプリケーションを構築する生成系PF-Webを設計し実現した.Webアプリケーションの記述にはWebページとプログラム間の値の流れを図示したWeb遷移図とフィルタの出力値を定める等式を用いる.これらの記述にはCGI等のWebの規格に関する知識は不要であり,データ入出力,セッション管理,セキュリティ管理等のプログラムは自動生成されプログラマが作成する必要はない.図を用いる全体的動作の定義と値の依存関係に基づく計算の定義によってWebアプリケーションを容易に構築できる.
小論文
チュートリアル
  • 齋藤 孝道
    2002 年 19 巻 4 号 p. 296-307
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2012/01/10
    ジャーナル フリー
    本稿では,ネットワークシステムにおけるセキュリティの要とも言える認証プロトコルについて,その前提となる議論からメカニズムや設計例などを交えながら,特に,その「安全性」についての説明を試みたいと思う.通信の盗聴,改竄,成り済ましなどの脅威があるインターネットのような通信路において,たとえば,認証を行っているネットワークシステムを用いるとなぜ「安全」な通信を実現できるのか?という疑問を解く鍵となるように,なるべく分かり易くまとめてみた.また,単に利用の観点だけでなく,仕組みの理解を中心にまとめた.たとえば,認証プロトコルを設計や変更する際に,もしくは,それをネットワークアプリケーションなどに実装して組み入れる際に,なにかしらの助けになるように,実例を用いて説明を試みている.
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