コンピュータ ソフトウェア
Print ISSN : 0289-6540
24 巻, 3 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 2007 年 24 巻 3 号 p. 3_2-3_3
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/09/30
    ジャーナル フリー
  • 塚本 智博, 吉瀬 謙二, 片桐 孝洋, 弓場 敏嗣
    2007 年 24 巻 3 号 p. 3_4-3_14
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/09/30
    ジャーナル フリー
    本研究では,今まで対応していなかったAlphaアーキテクチャを例にとり,新しいアーキテクチャのためのCOINSマシン記述を実装することで,インフラストラクチャとしてのCOINSの有効性を検証する.容易に新しいコンパイラを構築できるか,実用に耐えうるコンパイラを構築できるか,という2つの点に着目する.実装を通じて,678個のテストプログラムの99%以上を正しくコンパイルできるAlpha用のマシン記述を,51日間という短期間で開発できることを示す.また,出力されたコードの速度を評価し,GCCと比較して,平均で25%の速度低下に抑えた実用的なコンパイラを構築できることを確認する.これらの経験を踏まえて,新しいCOINSマシン記述の開発を短期間で実現するための提言をまとめる.
  • 南出 靖彦
    2007 年 24 巻 3 号 p. 3_15-3_19
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/09/30
    ジャーナル フリー
  • 渋沢 潮, 林 貴宏, 尾内 理紀夫
    2007 年 24 巻 3 号 p. 3_20-3_28
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/09/30
    ジャーナル フリー
    質問応答技術の分野において,Who,When,Where,What型の質問に対する回答をWebから自動抽出する研究はさかんに行われている.しかし,Why,How型の質問を対象にした研究や実用的なシステムはほとんどない.Why型の質問の回答は,単語ではなく文であることが多いため,その抽出に従来の手法を適用することは難しい.そこで本論文では,Why型質問を表す文と,その回答を表す文の,文章内における位置関係に着目し,Why型質問の回答をWebページから自動抽出する手法を提案し,試作システムRE:Whyを実装した.本システムにおいて20問の質問を用い,精度と再現率を求める実験を行った.実験結果に基づき,従来の検索エンジンに対する本システムの有効性を考察した.
  • 高橋 伸, 中村 卓, 田中 二郎
    2007 年 24 巻 3 号 p. 3_29-3_40
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/09/30
    ジャーナル フリー
    遠隔地に離れたグループ間のコミュニケーションを図るためにライブカメラ画像を用いることはよく行われている.ライブカメラ画像では,その場の状況は一目瞭然であり,インスタントメッセンジャ等のプレゼンス情報提示よりもわかりやすい.しかし,ライブカメラ画像は基本的に現在の状況だけを表示していて,過去の状況の推移や未来の予定は表示されていない.本研究では,効果線など漫画的な表示手法を用いてライブカメラ画像だけでは分かりにくい情報をライブカメラ画像上に視覚化するシステムKokaCamを設計し実装した.KokaCamでは,ライブカメラで表示されている空間をグループ内での共有スペースとして捉え,伝言などのコミュニケーションメディアとして応用している.我々は,大学内の分散した複数の研究グループ間でのコミュニケーションメディアとしてKokaCamを試験的に運用し,予備的な評価を行った.
  • 小関 悠, 角 康之, 西田 豊明, 間瀬 健二
    2007 年 24 巻 3 号 p. 3_41-3_50
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/09/30
    ジャーナル フリー
    本稿では研究発表会や博物館見学といったイベント空間において取得可能な体験データを,ユーザーが閲覧・編集するためのシステムを提案・実装する.種々のカメラやセンサー機器の発達により大量の取得が可能となった体験データを,ユーザーの扱いやすい形にすることで,その編集や共有を促すことが狙いである.システムは大きく二つの部分に分けられる.一つは体験データを自動的に要約してユーザーに提示するシステムであり,特にセンサー情報を用いることで映像データを「ぱらぱらアニメ」,すなわち,シーンを表現する複数枚の特徴的なスナップショットのセットへと変換する手法について述べる.もう一つは要約された体験データの鑑賞・編集システムであり,こちらでは「ぱらぱらアニメ」の特性を生かし漫画的なレイアウトを組むことで体験データを好みの観点で観賞・編集が出来ることを中心に述べる.本システムは体験データの閲覧や編集へのアクセシビリティを高めるため,Webアプリケーションとして実装した.
  • 野村 芳明, 江本 健斗, 松崎 公紀, 胡 振江, 武市 正人
    2007 年 24 巻 3 号 p. 3_51-3_62
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/09/30
    ジャーナル フリー
    スケルトン並列プログラミングは,並列スケルトンと呼ばれる並列計算パターンを組み合わせてプログラムを構成する手法である.本論文では木スケルトンを用いてXPathクエリ処理を実現する.XML木はさまざまな形状を持ちうるため,XPathクエリ処理の効率的な並列実装は難しい.木スケルトンは木の形状によらない効率的な実装がなされており,本手法によるXPathクエリ処理はXMLデータの形状によらずよい台数効果を示した.
  • 岩田 一, 白銀 純子, 深澤 良彰
    2007 年 24 巻 3 号 p. 3_63-3_74
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/09/30
    ジャーナル フリー
    ソフトウェアの多機能化に伴って,その操作方法は複雑化している.そのため,ユーザに対してソフトウェアの操作方法を簡単,効果的に学習させるための支援が必要となってきている.チュートリアルシステムは,実際のソフトウェア上で操作を実演することにより,ユーザに操作方法を学習させるシステムであり,高い有用性を持つ.しかしながら,チュートリアルシステムを新たに作成するためには大きな労力が必要となり,時間的制約や金銭的制約などの点から困難であることが多い.本手法では,ユースケース図, シーケンス図, テストデータを基にして, チュートリアルシステムを生成し,ソフトウェアに付加することを目的とする.具体的には, ユースケース図から抽出した機能名,シーケンス図から抽出した操作情報,テストデータから抽出した入力文字列および選択内容, の各情報を利用する. 本論文では,本手法によりチュートリアルシステムを作成するために必要となる労力と,チュートリアルシステムの操作の再現性を評価した.
  • 番原 睦則, 田村 直之, 井上 克已
    2007 年 24 巻 3 号 p. 3_75-3_86
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/09/30
    ジャーナル フリー
    本論文では,PrologからJavaへのトランスレータ処理系Prolog Cafeについて述べる.本システムでは,Prologプログラムは,WAMを介して,Javaプログラムに変換され,既存のJava処理系を用いてコンパイル・実行される.つまりProlog Cafeでは,項,述語などPrologの構成要素のすべてがJavaに変換される.このため,Prolog CafeはJavaとの連携,拡張性に優れたProlog処理系となっている.Prolog Cafeはマルチスレッドによる並列実行をサポートしており,スレッド間の通信は共有Javaオブジェクトにより実現される.また任意のJavaオブジェクトをPrologの項として取り扱う機能を有しており,Prologからメソッド呼び出し,フィールドへのアクセスも行える.最後にProlog Cafeの応用として,複数SATソルバの並列実行システムMultisatについて述べる.
  • 辻 将悟, 山本 喜一
    2007 年 24 巻 3 号 p. 3_111-3_126
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/31
    ジャーナル フリー
    本研究では,ユーザの誤操作や並行実行を含む複雑な作業プロセスにおける作業認識を実現するために,アプリケーションの状態に基づく作業認識手法を提案する.本手法では,作業を作業対象と,その対象の初期状態及び終了状態に基づいて定義する.作業認識は,これらの状態定義と,ユーザが操作を実行することによって蓄積される状態履歴とを比較することによって行う.これにより,従来手法のように事前に,操作に基づく完全な作業モデルを構築しておくことなく,作業遂行過程におけるユーザの操作列に影響を受けずに,適切な作業認識が可能になることを示す.また,本手法が従来のインテリジェントヘルプにおける作業認識の問題解決に有用であることを示すために,Emacs上に実装した作業認識システムとその結果についても説明する.
  • 服部 健太, 数馬 洋一
    2007 年 24 巻 3 号 p. 3_127-3_140
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/31
    ジャーナル フリー
    近年,インターネットの普及と利用の高度化にともなって,通信プロトコルを実装する機会が多くなってきた.通信プロトコルは主として(1)メッセージの形式と,(2)メッセージ送受信の手順から規定されるが,通信プロトコルを実装するプログラマは,これに応じて,受信メッセージの解析や送信メッセージの組み立て,タイムアウトや非同期入出力といった処理を書く必要がある.これらはある程度,定型的な処理ではあるが,比較的煩雑なコーディングを必要とするため,結果としてプログラムの保守性を低下させたり,バグの原因となりやすい.本稿では,通信プロトコルの記述から自動的にプロトコル処理コードを生成するPreccsコンパイラについて説明する.Preccsではメッセージの形式を正規表現を独自に拡張した記法によって,また,メッセージの送受信手順はプロセス計算に基づいた記法によって記述を行う.Preccsコンパイラはこれらの記述からプロトコルの処理を行うCのコードを自動的に生成する.これによってプログラマは煩雑なコーディングから解放され,信頼性や保守性に優れた通信プログラムを短期間で開発することが可能となる.
  • 櫻井 孝平, 増原 英彦
    2007 年 24 巻 3 号 p. 3_141-3_152
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/31
    ジャーナル フリー
    本研究はアスペクト指向プログラミング(AOP)の新たなポイントカット機構として,テストに基づいたポイントカットを提案する.AOP言語はアスペクトを適用する時点を指示しなければならない.既存のAOP言語のポイントカットは,アスペクトが適用されるプログラム中の型名やメソッド名により指示を行うため,プログラムの些細な変更に応じてアスペクトの変更が必要であった.テストに基づいたポイントカットでは,テストを通じて間接的にアスペクトが適用される時点を指示する.そのため,プログラムの変更時にテストも修正される前提の下では,ポイントカット記述の変更が必要なくなる.またテストに基づいたポイントカットは,テストごとに異なる実行履歴を利用して,プログラムの実行時の実行履歴に依存したアスペクトの適用を指示することができる.そのため,適用するプログラムの特定の分岐などの時点を詳細に指示する必要がなくなり,簡潔な記述を得ることができる.実際にいくつかの事例に対してテストに基づいたポイントカットを利用し,ほとんどの場合に既存のAspectJによる記述よりも変更に強く簡潔な記述が可能であることを確認した.
  • 谷口 考治, 石尾 隆, 神谷 年洋, 楠本 真二, 井上 克郎
    2007 年 24 巻 3 号 p. 3_153-3_169
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/31
    ジャーナル フリー
    オブジェクト指向プログラムの動作を理解するためには,生成されるオブジェクト群がどのようにメッセージ通信を行うかを理解する必要がある.しかし,オブジェクトの動作は動的束縛などによって動的に決定されることが多く,静的な情報であるソースコードからオブジェクトの動作を理解することは困難である.本研究では,Unified Modeling Language (UML)のシーケンス図に着目する.プログラムの実行履歴を基にシーケンス図の作成を行うことで,プログラム実行中に生成される各オブジェクトがどのように動作するのかを視覚的に示す.一般に実行履歴は膨大な量に上るため,作成されるシーケンス図は非常に大きくなる.この問題に対し,本研究では,実行履歴中から繰り返しや再帰構造になっている部分を検出し,簡潔な表現に置き換えることで,提示する情報量を削減する手法を提案する.
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