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Print ISSN : 0289-6540
25 巻 , 4 号
選択された号の論文の23件中1~23を表示しています
  • 栗原 聡, 秋山 英三, 伊藤 孝行, 今井 倫太, 岩崎 敦, 大須賀 昭彦, 小野 哲雄, 北村 泰彦, 松原 繁夫, 峯 恒憲, 森山 ...
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_1-4_2
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/12/31
    ジャーナル フリー
  • 木下 哲男, 横尾 真, 北村 泰彦, 菅原 俊治, 寺野 隆雄, 新谷 虎松, 大須賀 昭彦, 峯 恒憲
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_3-4_10
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/12/31
    ジャーナル フリー
  • 鄭 顕志, 石川 冬樹, 吉岡 信和, 深澤 良彰, 本位田 真一
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_11-4_19
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/12/31
    ジャーナル フリー
    エージェントは,環境変化に対応して適切な動作を選択,実行する適応能力を備えるソフトウェアとして,実環境への適用が期待されている.このような適応能力を備えたエージェントを実環境上で実行させる場合,実環境の状態を把握し,さらに実環境に影響を与える動作を実行するためのシステムが必要となる.一方で,ユビキタスコンピューティングの分野では,実環境への入出力に関する研究が活発に行われ,様々なミドルウェアが提案されている.本論文では,ユビキタスコンピューティング向けのミドルウェアを紹介し,適応能力を備えたエージェントとの連携についての可能性や課題について論じる.
  • 伊藤 孝行
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_20-4_32
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/12/31
    ジャーナル フリー
    計算論的メカニズムデザインは,分散された個人情報を持つ自律的意思決定主体(エージェント)の社会的決定と,計算量や通信コストといった計算機科学の概念を同時に扱う新しい分野である.ミクロ経済学やゲーム理論の概念及び知識と,マルチエージェントシステムや計算機科学の概念及び知識が必要となる.さらに,計算論的メカニズムデザインは,理論からダイレクトに応用が可能な分野の一つである.本解説では,古典的メカニズムデザインの基本概念を概説した後,組合せオークションなどの計算論的メカニズムデザインの基本問題を解説する.その後,現在,計算論的メカニズムデザインの分野で注目されている課題やテーマについて紹介する.
  • 山下 泰央, 高橋 大志, 寺野 隆雄
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_33-4_40
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/12/31
    ジャーナル フリー
    近年,金融技術の高度化,金融市場の重要性の高まりなどを背景とし,金融教育の重要性が認識されつつある.本研究では,ビジネスゲーム手法により,金融資産への投資の学習に焦点をあてた分析を実施した.分析の結果,(1)実験を通じ参加者は過剰なリスクを取らなくなること,(2)当手法がリスク管理の重要性の理解を促進させることなど,興味深い現象を見出すことができた.これらの結果は,当手法の金融教育への応用の有効性を示すものである.
  • 山崎 智弘, 真鍋 俊彦, 川村 隆浩
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_41-4_51
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/12/31
    ジャーナル フリー
    ワンセグ放送の普及などに伴いTV放送は世の中の話題を知るための手段として一層手軽さを増してきた.しかし意外な面白い情報を提供する番組を発見することは多くのユーザにとってそれほど容易ではない.そこで我々は電子番組ガイド(EPG)のテキストから話題を構成するキーワード群を抽出し,ユーザに提示する“話題抽出エージェント”を構築した.またこの話題抽出エージェントを用いて番組検索システムを実装した.本稿では話題抽出エージェントのアーキテクチャを説明するとともに,抽出されたキーワードの精度や番組検索の精度について考察を行なう.
  • 栗原 秀輔, 瀬野 瑛, 澤村 一
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_52-4_59
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/12/31
    ジャーナル フリー
    多値議論の論理は不確実な知識を基に不確実な問題に対して議論を可能とする.本論文では,LMAのソーシャルウェブ:SNS, Wikipediaへの応用を述べる.これらは,現在および未来の情報社会に最も影響を与えるであろうソーシャルウェブアプリケーションだと言われている.SNSについては,mixiのマイミクシィへの登録承認をLMAをもとに判断するエージェントを提案する.Wikipediaについては,Wikipediaの削除問題に着目し,LMAをもとにその問題の原因となった記事を削除するべきか否かという問題について議論し,削除依頼による議論の分析を行うエージェントを提案する.
  • 櫻井 祐子, 岩崎 敦, 横尾 真
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_60-4_67
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/12/31
    ジャーナル フリー
    現在,Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンでは検索結果の周囲に関連した広告が表示される.これら広告の掲載順位を決定するためにオークションが利用されている.既存のキーワード広告オークションでは掲載数は固定されているが,掲載数を入札額に応じて決定することにより,社会的余剰が増加することが予想される.従って,掲載数が可変の場合を対象とした新しいプロトコルを提案する.まず,Vickrey-Clarke-Groves (VCG)メカニズムを適用したプロトコルを提案する.VCGメカニズムは理論的に望ましい性質を持つ一方で,支払額の計算が複雑であるなどの課題がある.そこで,既存プロトコルの一般化第二価格入札(GSP)に基づき,より実践的なプロトコルの独占権付き一般化第二価格入札(GSP-ExR)の提案を行う.具体的には,最高入札者はプレミアムを払うことで独占的に広告を表示させることを可能にする.
  • 二木 厚吉, 緒方 和博, 中村 正樹
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_68-4_84
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/12/31
    ジャーナル フリー
    証明譜を用いた簡約のみに基づくCafeOBJの検証法を解説する.待ち行列を用いる相互排除プロトコルQlockの相互排除性の検証を例として,証明譜を用いた検証法の原理や仕組みを説明するとともに,証明譜の記述の技法も解説する.
  • 磯部 祥尚, ローゲンバッハ マーカス
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_85-4_92
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/12/31
    ジャーナル フリー
  • 鄭 顕志, 中川 博之, 川俣 洋次郎, 吉岡 信和, 深澤 良彰, 本位田 真一
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_121-4_132
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/11/30
    ジャーナル フリー
    ユビキタスコンピューティングにおけるアプリケーションは,実世界の状態を把握し,ユーザに対してより積極的なサポートを行わなければならない.このようなアプリケーションを効率良く開発するためには,従来とは異なる新たなアプリケーション開発手法が必要となり,数多くの研究が行われている.本論文では,ユビキタスコンピューティングにおける,アプリケーション開発手法に関する研究動向を調査し,傾向と問題点を整理する.
  • 石川 冬樹, 阿部 玲, 高橋 竜一, 吉岡 信和, 深澤 良彰, 本位田 真一
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_133-4_144
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/11/30
    ジャーナル フリー
    ユーザのタスク実行支援のために環境中の様々なデバイスやサービスを連携させるユビキタスコンピューティングにおいては,分散協調・連携技術のさらなる発展が求められている.本論文では,サービス連携,資源・振る舞いの管理・適応機構,セキュリティ・プライバシといった分野の研究動向を調査し,特にユビキタスコンピューティング固有の性質に対してどう課題設定や技術提案が行われているか分析する.これにより,現在行われている多様な取り組みを整理しそれらの方向性を明確にするとともに,これから解決すべき課題を提示する.
  • 森山 甲一
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_145-4_153
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/11/30
    ジャーナル フリー
    本稿ではマルチエージェント環境におけるQ学習を扱う.マルチエージェント環境におけるQ学習アルゴリズムは数多くのものが提案されているが,その多くは各エージェントの戦略をゲーム理論のナッシュ均衡に収束させることを目的とする.ところが, 囚人のジレンマゲーム(PD)のように,ナッシュ均衡が好ましくないゲームというものが存在する.一方で,通常のQ学習エージェントは,局所最適を回避するために行動選択を確率的に行うことが多いため,PDにおいても両者が「協調」を選択することがあり得る.そのような相互協調は単発に終わることが予想されるが,それにより「協調」のQ関数が「裏切り」のものより大きくなれば,協調関係が維持され得る.そこで本稿では,PDにおいて,Q学習エージェントの「協調」のQ関数が「裏切り」のものよりも大きくなるための相互協調の回数についての定理を導出する.さらに,エージェントが独自の効用を生成して強化学習を行うという筆者のこれまでの研究の観点から,1回の相互協調で協調関係が維持可能となるための効用生成法を提示する.
  • 木村 功作, 雨宮 聡史, 峯 恒憲, 雨宮 真人
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_154-4_166
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/11/30
    ジャーナル フリー
    IPネットワーク上に広く分散したエージェントによって構成されるマルチエージェントシステムにおいて,IPアドレスに依らない名前が付されたエージェントの位置を特定するには,エージェントの名前を基にしたあて先IPアドレスの検索,また,あて先に至るまでの経路制御が必要である.このような手法として房付き順序木型オーバレイネットワークによる経路制御手法を提案したが,この手法は,ノードの参加や離脱による再構成を迅速に行うことができる特長を持つ反面,経路探索に要するコストが大きいという問題点があった.本稿では,この問題を解決する方法を提案するとともに,シミュレーション実験の結果,現実的なコストに抑えられることを示す.
  • 藤田 桂英, 伊藤 孝行, 服部 宏充
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_167-4_180
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/11/30
    ジャーナル フリー
    マルチエージェントシステムの研究分野において,複数論点交渉問題(Multi-issue negotiation)が注目を集めている.特に,筆者らは一般性が高く実世界に近い問題が扱える複数の論点が相互依存関係にある交渉問題に注目している.本論文ではエージェントがどのくらい自分の選好情報を公開しているかを表す指標として公開範囲を定義し,公開範囲に基づいて閾値を調整するメカニズムを提案する.また,本手法を用いることで過剰にメディエータに自分の効用情報を公開することなく最適率の高い解を得られることをシミュレーション実験により示す.さらに,本手法の計算量に与える影響についても議論する.
  • 福谷 康二, 西野 成昭, 上田 完次
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_181-4_189
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/11/30
    ジャーナル フリー
    現在,劇場チケットは席によって1種類または数種類の価格が設定されている.しかし消費者の効用を考えると劇場チケットの価格は本来コンテンツの質と環境を含めた席の質を考慮して柔軟に決まる必要があり,現状の定額モデルは最適な価格設定と財の割当を達成する制度とは言えない.本研究ではオークション理論を用いた劇場型産業の座席予約モデルを構築し,マルチエージェントシミュレーションを行うことで,現行の定額モデルとの違いを分析する.また完備情報下での均衡解と不完備情報下での学習を用いたシミュレーション結果との比較も行う.結果として,提案するモデルは入場者数の増加が見込めること,想定した全ての留保価格の分布パターンで提案モデルは現行モデルより総余剰が増加すること,価格が1種類の定額モデルと比較して多くの場合で消費者余剰,生産者余剰が増加することが確認された.
  • 鳥海 不二夫, 西村 啓, 浅野 千尋, 石井 健一郎
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_190-4_198
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/11/30
    ジャーナル フリー
    近年市場における個人投資家の割合は増加の一途をたどっている.これにともない,アルゴリズムトレードを利用した取引が注目されている.しかしながら,投資家にとって取引エージェントの作成は障害が多く,自動取引エージェント上に優秀なアルゴリズムを実現するのは困難である.そこで,本研究では投資スキルは十分にあるもののプログラミングのスキルが十分ではない投資家に対して,その投資家の投資戦略を取引エージェント上で実現することを目指し,自動取引エージェントの作成支援システムを提案し,第一回スーパーカブロボコンテスト用で利用した.その結果,コンテスト参加者の60%が本支援システムを利用して取引エージェントを作成した.作成支援システムによって作られた自動取引エージェントは,Javaプログラミングによって作成された自動取引エージェントと比較して同程度の取引を行うことが出来ることを確認した.また,プログラミングスキルの低い投資家に対してもアルゴリズムトレードへの参加を促すことができたことを確認した.
  • 斎藤 恭昌, 岩崎 敦, 横尾 真, David KEMPE, Mahyar SALEK
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_199-4_207
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/11/30
    ジャーナル フリー
    本論文ではチーム選択問題のための架空名義操作不可能なオークションメカニズムを二つ提案する.チーム選択問題とはあるタスクを達成するために必要なエージェントの集団を選択する問題であり,チームの選択や選択されたチームへの報酬の決定にオークションが用いられる.既存のオークションメカニズムは,エージェントの自己の評価値を申告することが最大の利得となることに重点が置かれているが,架空名義操作と呼ばれる新たな不正行為については考慮されていない.そこで,本論文では架空名義操作に頑健なチーム選択オークションメカニズムとして,過剰支払額がn2nで抑えられるMPメカニズムと,支払額の合計が留保費用で抑えられるAPメカニズムを提案する.
  • 福田 直樹, 伊藤 孝行
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_208-4_225
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/11/30
    ジャーナル フリー
    組合せオークションをアプリケーションシステムに適用する場合に,勝者決定問題に対して解の最適性を厳密に保証することが計算資源的に難しい場合がある.我々は,このような場合には,現実的な計算時間で質の高い近似解を求めたうえで,その解に対してある一定の好ましい性質を持たせられるようにするアプローチもありえると考え,組合せオークションの勝者決定に関する新しい近似アルゴリズムと,それが持つべき好ましい性質についての解析および考察を行ってきた.しかしながら,これまでの我々のアプローチ,および関連研究のアプローチでは,いずれも,個々のオークションを独立した問題としてとらえ,オークション同士の関係を利用した勝者決定の近似の効率化の可能性については検討してこなかった.ユビキタス環境下での資源配分問題などでは,短時間で状況が変化し,それに伴って資源の再割り当ての必要が頻繁に生じるような状況があると考えられる.本論文では,組合せオークションが何度も繰り返され,そのオークション間の入札の差分が小さい場合に,直前のオークションにおける近似勝者を効果的に再利用する手法について述べる.
  • 田崎 誠, 籔 悠一, 横尾 真, Pradeep VARAKANTHAM, Janusz MARECKI, Milind TAMBE
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_226-4_237
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/11/30
    ジャーナル フリー
    マルチエージェント部分観測可能マルコフ決定過程は,不確実性が存在するマルチエージェントシステムをモデル化する手法の1つとして有名である.既存の解探索手法であるSPIDERは,エージェント間の相互作用の局所性を利用することによって大域的最適なプランを構築する.SPIDERを用いることで,エージェント間の相互作用が疎であるとき,最適なポリシーの計算時間はエージェント数の多項式オーダとなる.しかし,個々のエージェントのポリシーのサイズはポリシーの長さの指数オーダとなる.そこで本論文では,エージェントの定期的な通信を考慮し,ポリシーのサイズを削減する手法を提案する.エージェントは通信によって他のエージェントと行動履歴や観測履歴を交換すると仮定する.通信後,交換された情報をもとに更新した信念状態を新たな初期状態として用いることで,個々のポリシーの組合せ爆発を避けることができる.実験結果により,短期間ごとに通信を行えば,より長期間のポリシーを構築できることを示した.
  • 林 久志, 十倉 征司, 尾崎 文夫, 土井 美和子
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_238-4_251
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/11/30
    ジャーナル フリー
    オンライン・プランニング・エージェントは,状況変化に応じてプランを修正しながら実行することにより環境に適応する.しかしながら,フォアグラウンドで実行しているプランのバックグラウンドで実世界をセンシングし,プランに影響を与えるような重要な状況を監視するのは容易ではない.プラン実行に影響を与えるような外部イベントを適切なタイミングで実世界から観測できなければ,オンライン・プランニング技術も役には立たない.本論文は,プランの実行状況に応じて,必要な情報を適切なタイミングで得るためのバックグラウンド・センシング・コントロールの手法を示し,実ロボットを用いて効果を検証する.
  • 倉橋 節也
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_252-4_260
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/11/30
    ジャーナル フリー
    本研究では,中国の家系記録「族譜」をもとに,科挙合格者を多く輩出したひとつの家系を約500年に渡ってエージェント技術を用いて分析を行った.家系ネットワークと個人のプロファイルデータをそれぞれ隣接行列と属性行列として表現し,実プロファイルデータを目的関数とする,マルチエージェントモデルによる逆シミュレーションを実施した.その結果,家庭内において子供への文化資本の伝達には,祖父と母が大きな影響を持つことがわかり,家族が維持する規範システムの一部を発見できた.本モデルによって,逆シミュレーション手法を用いたエージェントベースモデルが歴史学や人類学の分野において,新たな知識の発見に貢献できることを示した.
  • 小林 正人, 國上 真章, 山寺 智, 山田 隆志, 寺野 隆雄
    2008 年 25 巻 4 号 p. 4_261-4_268
    発行日: 2008/10/28
    公開日: 2008/11/30
    ジャーナル フリー
    経済において貨幣は極めて重要な存在である.その発生要因は経済学における重要な課題として古くから議論されてきたが,その内容は抽象的なものに留まっている.本研究では,物々交換の中からある財が貨幣としての性質を獲得するという現象を説明する新たなモデルに基づいたマルチエージェントシミュレーションの結果を用いて,複雑な社会ネットワーク中での貨幣の創発について考察する.ここで用いるモデルは,ミクロな個々のエージェント内部における財同士の交換可能性についての認識ネットワークと,エージェント間の繋がりを反映する社会的ネットワークという2重の構造をもつ.ある財が貨幣的性質をマクロレベルで獲得する様子はネットワークの自己組織化現象として表現されるが,本論文ではこれについて,エージェントベースシミュレーションにより複雑な社会ネットワークでの議論に適用可能であることを示す.
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