コンピュータ ソフトウェア
Print ISSN : 0289-6540
28 巻, 1 号
選択された号の論文の26件中1~26を表示しています
  • 秋山 英三, 佐藤 進也, 栗原 聡
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_1
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/03/25
    ジャーナル フリー
  • 我妻 広明
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_2-1_20
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/03/25
    ジャーナル フリー
    コンピュータの分野において,自律分散制御方式は集中型システムの開発・稼働における欠点を補うものとして注目され研究が進められて来た.今やインターネット普及等を背景に,分散した情報を知識として再集約する集合知の仕組みを考える必要性がある.全体機能や目的をシステム自身が再定義する,つまり集団全体が意志決定を行うという観点が導入されつつある.工学化において自明であるべき目的すら再構成されるとすればシステム破綻や暴走のリスクが増すことは疑いない.本論では,現実に自律分散制御の内部機構を持ちながら,自らで目的を定義し意図をもって行動計画を立てる「脳」の機能を工学的に再構成する脳型ロボットの立場から俯瞰し,要素の自律性と全体性創出の関係からある種の集合知を得る工学的方法論を模索したい.そして,ネットワークダイナミクスが発展的でありつつも,破綻に向かわない構成論と関連する「意識」の話題を解説する.
  • 石川 孝, 澤井 秀文, 栗原 聡
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_21-1_25
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/03/25
    ジャーナル フリー
    人工知能が生物の知能を理解するための手段であるように,シミュレーションは複雑ネットワークを理解するための有用な手段の1つである.この解説は,複雑ネットワーク研究におけるシミュレーション手法について主要な文献に沿って概説し,その研究の流れが模倣から創造へと向かっていることを紹介する.
  • 山本 聡彦, 小松 孝紀, 生天目 章
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_26-1_33
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/03/25
    ジャーナル フリー
    近年,様々な分野において,複雑ネットワークに関する研究が進められてきた.そのような中,与えられた目的に適合する特性を持った最適なネットワークとは何か,またそれをどのように設計するかという問題は,未だ解明されていないことが多い.従来の研究は,あるルールの下でネットワークを作成し,そのネットワークの特性を調べていくものが多い.本研究では遺伝的アルゴリズムを用いて最適なネットワーク(厳密には準最適なネットワーク)を生成させる方法を提案する.最適なネットワークを生成するための評価指標としてネットワークを表現する隣接行列の最大固有値とリンク密度の2つの線形結合関数を定義し,遺伝的アルゴリズムによりネットワークを進化させる.また,進化的に生成した準最適なネットワークの構造について解析をする.
  • 落合 洋文, 鈴木 麗璽, 有田 隆也
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_34-1_42
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/03/25
    ジャーナル フリー
    食物網は生態系における捕食-被食関係を描いたネットワークであり,これらのネットワークのトポロジーを考えることで生態系全体の構造と機能を明らかにすることが生態学の1つの基本的課題となっている.そこで,実際の生態系において確認されているネットワーク構造の基本的な特徴のみを用いた単純な進化モデルを用いて,栄養段階における特性が食物網のトポロジーやダイナミクスにもたらす影響を調べた.実験の結果,生態系ネットワークに現れる特徴と定量的・定性的な一致を示し,ネットワーク構造の生成メカニズムの一部を示すことができた.
  • 兼宗 進, 久野 靖
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_43-1_48
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/03/25
    ジャーナル フリー
  • 細部 博史
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_49-1_56
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/03/25
    ジャーナル フリー
  • 平田 圭二
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_70
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/03/25
    ジャーナル フリー
  • 池谷 智行, 村田 剛志
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_91-1_102
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
    現実世界のデータには,論文共著ネットワークやイベント参加ネットワークなど,2種類の頂点からなる2部ネットワークによって表現できるものが数多く存在する.これら2部ネットワークからのコミュニティ検出は,類似した頂点の発見やネットワーク構造理解の手がかりとして重要である.1部ネットワークにおいては,コミュニティ検出の良さの評価基準としてNewman-Girvanモジュラリティがしばしば用いられている.2部ネットワークにおいては,Barber,Guimera,Murata,Suzukiなどによって2部モジュラリティが提案されている.我々はこれらの2部モジュラリティを比較し,各々の利点や欠点を考察した.人工ネットワークを用いた実験によって,(1)Barberの2部モジュラリティの計算は比較的高速であることや,(2)Suzukiの2部モジュラリティの最大化によるコミュニティ検出は比較的高精度であることが分かった.更に,2部ネットワークにおけるコミュニティ検出を高速に行う最適化手法を実現した.
  • 岩田 学, 秋山 英三
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_103-1_115
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
    本研究では,様々なネットワーク構造を有する集団において,各プレイヤーの「相手の協力度(相手がどの程度協力的か)」を考慮した意思決定が協力の進化に与える影響を分析した.コンピュータシミュレーションを用いて,プレイヤーが相手の協力度を考慮しない場合,相手の「自分に対する」協力度を考慮する場合,相手の「皆(全隣人)に対する」協力度を考慮する場合について,集団における協力の進化を分析した.この結果,以下の2点の知見を得た.(a) 各プレイヤーが相手の協力度を考慮して意思決定を行う場合,たとえ協力者を裏切る誘惑が大きくなっても,集団における協力行動はそれ程衰退しない.一般に,各プレイヤーが相手の協力度を考慮しないとき,相手を裏切る誘惑が大きいほど協力は起こりにくいが,相手の協力度を考慮したプレイヤーの意思決定は,裏切行動の進化を抑制することができる.
    (b) 特に,スモールワールドネットワークやスケールフリーネットワークのような複雑ネットワーク構造を持つ集団においては,プレイヤーが相手の「皆(全隣人)に対する」協力度を考慮する場合の方が,相手の「自分に対する」協力度を考慮する場合よりも協力が進化しやすい.
  • 中村 真理, 淺間 一
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_116-1_126
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
    多数の自律エージェントからなるmulti-agent system (MAS)で柔軟に協調動作を組織するには,適切な位置に適切な分量の個体を配置して適切な動作を分担させる必要がある.筆者らは,拡散信号を用いて間接通信するMASにおいて,エージェントの行動則を逐次修正しながら協調動作を設計する方法を提案した.本論文では,既存の分別収集タスクモデル(DeneubourgのAnt-like Robot, ALR)を題材に取り上げ,上記方法を適用してALRを改良した.具体的にはALRのエージェントの行動則に「拡散信号への誘引動作」と「信号不応期のランダム移動」を付け加えて,信号拡散システムを新たに構築した.この信号拡散システムは反応拡散機構に従って動作し,ALRと比べて高い分別収集効率を示す.
  • 原田 恵雨, 鈴木 育男, 山本 雅人, 古川 正志
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_127-1_134
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
    本論文では,二部グラフのコミュニティ対応関係を考慮したコミュニティ分割を定量的に評価する指標である二部モジュラリティを提案し,すべてのコミュニティ分割のパターンに対する二部モジュラリティの分布を調査することにより,その妥当性を示す.さらに,提案した二部モジュラリティを用いたコミュニティ分割手法を提案し,人工的に生成した二部グラフに対し適用することで,その有効性を示す.
  • 谷澤 俊弘
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_135-1_144
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
    複雑ネットワーク上の巨大連結成分がさまざまなタイプのノード除去に関してどのように崩壊していくのかを正確に理解することは,外部擾乱に対して頑強なネットワークを作り上げようとする場合に非常に重要な問題である.ところが,従来の理論解析では,次数分布のみを用いた解析が主であり,現実のネットワークに必ず存在するノード間の次数相関はあまり考慮されてこなかった.本論文では,ネットワークに次数相関を取り入れた場合に,さまざまなタイプのノード除去に対してネットワーク上の巨大連結成分がどのように崩壊していくかを解析的手法を用いて考察する.その結果,同じ次数を持つノード同士が結合しやすい傾向があるネットワークでは,ランダムなノード除去に対しても,選択的なノード除去に対しても,ネットワークはより頑強となることがわかった.特に,スケール・フリー・ネットワーク内にあるハブへの選択的ノード除去に対して,その影響は顕著であり,スケール・フリー・ネットワークの弱点である選択的ノード除去に対する脆弱性を著しく改善できる可能性がある.
  • 佐藤 進也, 福田 健介, 廣津 登志夫, 栗原 聡, 菅原 俊治
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_145-1_153
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
    ブロガーをノード,コメントをやりとりしている関係をリンクとするネットワークは,その定義から明らかなように,人々の相互関係を表している.本論文では,以下のようにして,アイテム(商品や芸術作品など)どうしの関連性(具体的には人々の嗜好という観点からの類似性)もこのネットワークから読み取れることを示す.まず,関連性が問われている2つのアイテムそれぞれについて,記事の中で言及しているブロガー集合を抽出する.そして,それぞれのブロガー集合の,前述のネットワーク上の分布を考える.このとき,この2つの分布のネットワーク上の近接度を測る方法を選べば,その近接度とアイテム間の関連度に相関関係を成立させることができる.
  • Tsuyoshi MURATA
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_154-1_161
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
    Many users are attracted by online social media such as Delicious and Digg, and they put tags on online resources. Relations among users, tags, and resources are represented as a tripartite network composed of three types of vertices. Detecting communities (densely connected subnetworks) from such tripartite networks is important for finding similar users, tags, and resources. For unipartite networks, several attempts have been made for detecting communities, and one of the popular approaches is to optimize modularity, a measurement for evaluating the goodness of network divisions. Modularity for bipartite networks is proposed by Barber, Guimera, Murata and Suzuki. However, as far as the author knows, there is few attempt for defining modularity for tripartite networks. This paper defines a new tripartite modularity which indicates the correspondence between communities of three vertex types. By optimizing the value of our tripartite modularity, better community structures can be detected from synthetic tripartite networks.
  • 風間 一洋, 今田 美幸, 柏木 啓一郎
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_162-1_172
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
    本論文では,情報伝播ネットワーク中のある情報源から到達可能な部分ネットワークが持つ3種類の情報伝播特性を定量化する手法を提案する.この部分ネットワークは無閉路有向グラフであり,情報拡散,情報集約,情報転送という基本現象に関連した3種類の有向2エッジ連結部分グラフで構成されることから,部分ネットワーク中の各有向2エッジ連結部分グラフの数を用いて,情報拡散度,情報集約度,情報転送度を定義する.さらに現実のブログ空間から抽出した情報伝播ネットワークの情報伝播特性の特性や時系列変化を分析する.
  • 中林 直生, 西田 直樹, 草刈 圭一朗, 坂部 俊樹, 酒井 正彦
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_173-1_189
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
    近年,帰納的定理の証明原理の1つである書換え帰納法が制約付き項書換え系に対応するように拡張され,命令型プログラムの等価性検証に応用するための枠組みが提案された.帰納的定理の証明のためには適切な補題等式を与える必要がある場合が多いが,項書換え系においてこれまで研究が進んでいる補題生成の手法を制約付き項書換え系に対して利用するためには制約部分を扱うための拡張が必要である.本論文では,書換え規則から項の関係を定式化し,その関係に基づいて等式をより一般的な等式に変換する枠組みを提案する.さらに,制約付き項書換え系の書換え帰納法による証明手続きにその枠組みを利用した補題等式の生成・追加機能を組み込むことで,補題等式を予め記述せずに定理自動証明を試み,その有効性を検証する.
  • 南 翔太, 瀧内 新悟, 瀬古口 智, 中居 佑輝, 山根 智
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_190-1_216
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
    CPUとDRPが協調動作するような動的再構成可能組込みシステムのモデル化,仕様記述とモデル検査手法を提案する.プリエンプションやデッドラインのあるCPUはリアルタイムシステムとして仕様記述し,動作周波数の変化が生じるDRPはハイブリッドシステムとして仕様記述する.CPUとDRPを同時に検証しようとすると状態爆発が生じるため,以下の2つのスケジューラビリティ検証に分割する.
    1. CPUを仕様記述したオートマトンに対して,スケジューラビリティに関して最悪の環境を与えるオートマトンとの並列合成オートマトンのスケジューラビリティ検証
    2. DRPを仕様記述したオートマトンに対して,スケジューラビリティに関して最悪の環境を与えるオートマトンとの並列合成オートマトンのスケジューラビリティ検証
    以上により,CPUとDRPの協調システムのスケジューラビリティ検証が実現できた.
  • 杉浦 啓介, 亀山 幸義
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_217-1_229
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
    マルチステージ・プログラミングは,コード生成のステージや生成されたコードの実行ステージなど,複数のステージを持つプログラミングであり,再利用性と実行効率が両立する点に特徴がある.マルチステージ・プログラミングのための言語(マルチステージ言語)において,実行時に生成されるコードが構文的に正しく,自由変数を持たない,等の性質は極めて重要である.これらの性質を静的に保証するため,Tahaらはマルチステージ言語に対する型システムを設計したが,彼らは純粋な関数型言語を対象としており,例外や状態等の副作用(エフェクト)を含まない,という問題があった.この問題の解決の第一歩として,亀山らは,エフェクトに対応した型システムを採用し,shift/resetコントロールオペレータを組み込むことに成功した.本研究では,この方向を更に進めて,生成されたコードを実行するプリミティブrunと,複数の種類のshift/resetオペレータを持つ体系へと拡張した型システムを提案し,この型システムの健全性の証明を与える.
  • 山中 隆敏, 埜口 元, 谷藤 史門, 古宮 誠一
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_230-1_247
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
    ソフトウェア開発では要求仕様書を基にシステム開発を行う.もし,要求仕様書に漏れや誤りがあれば,その後の成果物にも漏れや誤りが生じてしまう.そのため,要求仕様書を作成するための要求抽出作業は非常に重要な工程である.しかし,ソフトウェア開発に求められる顧客の要求を漏れや誤りなく抽出する要求抽出作業は大変困難な作業でもある.その大きな理由は,顧客とソフトウェア技術者(SE)との間に両者に共通の知識が存在しないからである.そのため,お互いにコミュニケーションが上手くとれず,要求抽出作業にも漏れや誤りが発生してしまう.
    そこで,本論文では,ソフトウェア要求抽出作業をインタビューの技法を用いて,SEが,顧客の要求を漏れや誤りなく抽出できるように,インタビューによる要求抽出作業を誘導する仕組みを提案している.そして,この仕組みを用いて要求抽出作業を行った場合と,この仕組みを利用しないで要求抽出作業を行った場合との比較実験を行っている.その結果,前者のほうが後者よりも顧客要求を漏れや誤りがなく抽出することができたので,この仕組みを利用し本論文で提案した仕組みが有効であることを検証できたとしている.
  • 大和崎 啓, 長谷部 浩二, 杉木 章義, 加藤 和彦
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_248-1_257
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
    近年,インターネットサービスの耐障害性とスケーラビリティを向上させるため,システムを構築する際に様々な分散アルゴリズムが利用されている.これらのアルゴリズムが正常に動作するためには,一般に最大同時故障台数などの制約条件がある一方で,現実の障害には,こうした制約条件をシステムが満たせずに異常な振る舞いをする原因となるものも存在する.このような大規模な障害に対するサービスの耐障害性を向上させることを目的に,本論文では,Dolevらによって提案された自己安定性を持つ合意アルゴリズムを基にしたパッシブ複製手法を提案する.これにより,多数の計算機で同時に故障が発生したり,計算機間の状態に整合性が取れなくなるような障害にも対処しうるインターネットサービス基盤の構築を目指す.
  • 平石 拓, 八杉 昌宏, 湯淺 太一
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_258-1_271
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
    我々はSC言語処理系という,S式ベースの構文を持つC言語を利用することにより,C言語への変換による言語拡張の開発を支援するシステムを開発している.本論文では,SC言語処理系による言語開発の事例を通して明らかになった問題点を示し,それを解決するために行ったシステムの改良,特に,言語間の変換を定義する既存の変換フェーズ(変形規則セット)を拡張するための追加機能について述べる.Common LispのCLOSと動的変数を利用して,同一のコードから適用される変形関数を動的に決定する仕組みを採用したことにより,多くの言語拡張はベース言語の恒等変換や既存の変換との差分のみを記述して実装できるようになった.また,様々な拡張言語の実装で共通してよく利用される変換フェーズを,C言語への変換全体の一部として組み込むことも容易になった.実際,本処理系により,マルチスレッディング,ごみ集め,負荷分散などの機能を備えた複数の拡張言語を実装してきた.本論文では特にマルチスレッディング機能を例として提案機構の有効性の詳細を示す.
  • Malte APPELTAUER, Robert HIRSCHFELD, Michael HAUPT, 増原 英彦
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_272-1_292
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
    The development of context-aware systems requires dynamic adaptation that challenges state-of-the-art programming language support. Context-oriented programming (COP) provides dedicated abstractions for first-class representation of context-dependent behavior. So far, COP has been implemented for dynamically-typed languages such as Lisp, Smalltalk, Python, Ruby, and JavaScript relying on reflection mechanisms, and for the statically-typed programming language Java based on libraries and pre-processors. ContextJ is our compiler-based COP implementation for Java that properly integrates COP's layer concept into the Java type system. In this paper, we introduce ContextJ's language constructs, semantics, and implementation. We present a case-study of a ContextJ-based desktop application.
  • 竹内 亮太郎, 粕谷 英人, 大久保 弘崇, 山本 晋一郎
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_293-1_299
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
    並行ソフトウェアシステムのモデル検査においては,モデルが正確で十分な精度を備えていることが求められる.本論文は,モデルの理解を視覚的に支援する,有限状態機械の直観的な表現手法を提案する.対象とするモデルはFSPで,表現手法はLTS表現に基づいている.提案する4種類の図法により,LTS表現の状態爆発を抑制したり,並行システムにしばしば現れる特徴的な状態遷移を明示的に表現することが可能となる.FSP記述を提案図法により可視化し,モデルの理解支援を対話的に行うツールを作成した.61個の例題を用いた評価実験により,適切に表示できることを確認した.
  • 神崎 雄一郎, 門田 暁人, 中村 匡秀, 松本 健一
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_300-1_305
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
    本論文では,ソースコードレベルで偽装内容を指定できるプログラムのカムフラージュ法を提案する.提案方法の使用者は,保護対象のプログラムの秘密情報が変更・削除されている「見せかけのソースコード」を作成するだけで,攻撃者が秘密情報を得るためのコストを増大させることができる.保護されたプログラムを静的解析したときに攻撃者が得られるコードには,見せかけのソースコードの内容と自己書換えを行うコードしか含まれていないが,実際には元来のソースコードの内容が実行される.プログラムに含まれる特定の命令やデータを静的解析から容易かつ確実に隠ぺいしたい場合や,プログラムの一部が抽出・再利用されることを防ぎたい場合において特に有効である.
  • 上田 和紀, 細部 博史, 石井 大輔
    2011 年 28 巻 1 号 p. 1_306-1_311
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル フリー
    時間の経過に伴って状態が連続変化したり,状態や方程式系自体が離散変化したりする系をハイブリッドシステムと呼ぶ.我々は,不確実値の扱い,シミュレーションと検証の統合などの観点から,制約概念に基づくハイブリッドシステムモデリング言語HydLaの設計と実装を進めてきた.HydLaは,制約階層概念の採用によって制約条件を過不足なく与えることを容易にした点を特徴とするが,種々の言語機能の相互作用のためにその意味論の定式化は自明ではない.本論文では,HydLaの宣言的意味論を定式化して考察を加えるとともに,宣言的意味論から導かれる性質や帰結を具体例を用いつつ論じる.
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