待ち行列モデルに代表される離散事象モデルのシミュレーションを,マルチ・プロセッサまたは分散システムを用いて並列処理する際のシミュレーション時刻の分散管理法を提案する. モデル化の手法としては,待ち行列網をフロー・グラフに表現する方法を採る.そして,グラフのノードを並列処理の単位となるプロセスとし,客のノ一ドへの到着をメッセージの受信により表現する.各ノードはそれぞれのシミュレーション時計を持ち,これらの時計の同期はノード間のメッセージ交換により局所的にとられる. 提案したアルゴリズムはオブジェクト指向言語を用いて実装された.オブジェクト指向モデルによるオブジェクトを単位とした並行記述により,離散事象モデルに存在する並列性を陽に表現することが容易に行なえた.また,これまでに提案されたシミュレーション時刻の分散管理法に比べて同期のためのメッセージ量が大幅に減少することが確かめられた.
オブジェクトを自分自身および変数としかユニファイしない"定数"で実現し,さらに特定の型の"定数"とのみユニファイする型付変数を含む型付ユニフィケーションを導入することによりクローズを対象指向的に解釈できることを示す.内部状態を持つオブジェクトをユニフィケーションの中では定数として扱うことにより,オブジェクトに対する副作用をユニフィケーションやバックトラックとの整合性を保ったまま実現することができる.さらに,特定の型の定数とのみユニファイする型付定数を導入することにより,定数の型をクラスとして,ヘッドゴールに型付変数を持つクローズをメソッドとして解釈することが可能となる.このようにして定義したメソッドは呼び出し側がオブジェクトのときだけでなく未定義変数のときも正しく動作し,述語の自然な拡張になっている.