-
遠藤 侑介, 増原 英彦, 米澤 明憲
セッションID: 1A-1
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
本論文では継続の適用をジョインポイントとするアスペクト指向言語の実行モデルを提案する。従来のアスペクト指向プログラミングでは、アドバイスの合成のタイミングの指示がアドバイスの属性でなされる。提案するモデルでは関数に値を渡す場合と関数の返り値を受け取る場合をどちらも適用として統一するため、タイミングの指示をポイントカットとして記述できる。これによりプログラミング形式の違いをポイントカットで吸収できる。
抄録全体を表示
-
香川 考司
セッションID: 1A-2
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
多相ヴァリアントはGUI、データベース、インタプリタなど潜在的に多くの応用分野を持っている。実際、Haskellはパラメトリック型クラスを導入すると、多相ヴァリアントを模倣することができる。しかし現実に多相ヴァリアントを使用することはほとんどない。これは多相ヴァリアントを模倣するコードを手で書くことはたいへん面倒であり、また型の曖昧さが問題となるためであると思われる。この論文では、そこで、Haskellで多相ヴァリアントを模倣するための方法について、解説し、またそれを直接サポートし結果として通常のHaskellのクラスを出力することができる型クラスの拡張について述べる。
抄録全体を表示
-
前田 俊行
セッションID: 1A-3
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
従来のオペレーティングシステム(OS)は、C言語など、強く型付けされていない、安全でないプログラミング言語で記述されてきた。このため、OSの安全性を保証・検証することは、著しく複雑で困難であった。そこで本研究では、OSカーネルの記述に適した、強く型付けされた言語(型付きアセンブリ言語)を設計・実装し、その言語でOSカーネルを記述することにより、OSの安全性を保証することを目指す。
抄録全体を表示
-
清水 亮
セッションID: 1B-1
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
従来、ユーザはメーラー、ブラウザー、ワープロ、表計算ソフト、データベースソフトなど、さまざまなソフトを用途に応じて使い分ける必要があった。次世代Windowsではこれらのデータ形式がXML化され、データの相互運用が可能とされているが、あくまで複数のファイルをまたがったデータの運用が可能になるだけで、ファイルシステムの仕組みそのものは引きずったままである。我々は文章アプリケーションの相互運用性と類似性に着目し、従来のファイルシステムにかわる新しい情報管理システムを研究してきた。本稿ではアーティクルのメタデータそのものを等価的に扱うことでアーティクルを複数の次元で扱うアーティクル直交化による新しい情報管理手法を提案する。
抄録全体を表示
-
安達 真, 大向 一輝
セッションID: 1B-2
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
本研究では,RSSやFOAFといったメタデータを利用し,個人間の情報流通を支援するためのアプリケーション「glucose」について議論する.glucoseは情報の閲覧だけでなく,情報発信やWebサービス統合の基盤として機能する.本発表では,glucoseの実装の過程で得られた知見や運用結果について述べるとともに,今後の目標であるセマンティックWeb環境の実現のために必要な要素について考察を行う.
抄録全体を表示
-
武舎 広幸, 河村 政雄
セッションID: 1B-3
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
機械翻訳システムによって生成されるほとんどの訳文は,原文の構造をほぼ直接的に反映する「直訳」である。読みやすい自然な訳文が生成されることは多くはなく,現在では,利用者もそれを期待してはいない。しかし,翻訳者が実務に用いているノウハウを利用すると,困難を伴う深い意味の解釈を行わなわなくても自然な訳文を生成できる場合も多い。本論文では,このようなノウハウを体系化し,それをソフトウェアとして実現するための枠組みを提示するとともに,作成したプロトタイプを紹介する。
抄録全体を表示
-
竹村 司, 福永 光一, 加納 真
セッションID: 1C-1
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
ビジネスとITのギャップを埋める手段としてビジネスプロセスモデリングが脚光を浴びている。しかし、計画系のCRMやERPといった「非トランザクション型」業務の場合には、ビジネスプロセスモデルの作成は容易ではない。本論文では、モデル化の対象となる業務で取り扱うビジネスオブジェクトの状態遷移と複数のビジネスオブジェクトの状態間の関係を用いて、「非トランザクション型」業務のビジネスプロセスモデルを導出する方法について述べる。
抄録全体を表示
-
佐藤 大輔
セッションID: 1C-2
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
ソフトウェアパターンとは、ソフトウェア開発の各局面で繰り返し現れる問題に対する解法・指針である。その中でも、デザインパターンは、プログラム・クラス設計の工程で、優れた設計を導出する課程をパターン化したものであり、開発者の大きな手助けとなり得る。本研究ではまず、非形式的に与えられているGoFのデザインパターンを形式化することにより、電子カタログ化や機械的処理を容易にする意味的構造を表現できる、構造化記述形式の枠組みを設計する。次いで、プログラムのコーディングを行う際に、デザインパターンをより容易に扱えるよう、コード生成の機能を持ったツールを開発し、利用者を支援する仕組みを提案する。
抄録全体を表示
-
渡邉 勝正, 井上 晶広, 蔵川 圭, 中西 正樹, 山下 茂
セッションID: 1C-3
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
アクティブソフトウェアがもつ自己を調整するという特徴を一般的に実現することは容易ではない。その可能性を高める方法のひとつとして、能動関数を用いたソフトウェアの設計法を提案してきた。今回は、ソフトウェアが拡張されることを前提にして、拡張に適した設計とそのための解析法について述べる。状態遷移図とπ計算式を用いてソフトウェアの動きを表現し、それを基にして拡張する方法を提案する。ひとつの例に沿って、問題点を論じる。提案する方法は、可変部分を持つハードウェア回路の設計にも適応することができる。
抄録全体を表示
-
黒田 滋樹
セッションID: 1C-4
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
ネットワークなどの外部デバイスを使用するプログラムは、その異常時には復旧などの例外処理を行う必要がある。しかしプログラムとは非同期に発生する例外処理をコーディング時にテストすることは難しい。本研究では外部デバイスの異常をソフトウェア上で発生させることで、例外処理のテストを行う環境を提案する。例外処理のテストをテストケースとして記述可能とすることで正常時のテストケースと同様の機械的なテスト実行を可能とした。
抄録全体を表示
-
山口 翁央, 大囿 忠親, 伊藤 孝行, 新谷 虎松
セッションID: 1D-1
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
重み付き制約充足問題の探索手法としてGLS(Guided Local Search)がある.GLSは局所最適解に陥ったときに,評価関数に局所最適解に対するペナルティを加え,局所最適解を回避する.本稿はGLSを基としたアルゴリズムを提案する.提案するアルゴリズムは以下の特徴を有する.局所最適解自体を制約に追加,各変数に割当る値の確率の利用,局所最適解からのパターンの利用.以上のように,提案したアルゴリズムを用いてナーススケジューリングシステムを実装する.
抄録全体を表示
-
高橋 孝一, 田辺 良則, 関澤 俊弦
セッションID: 1D-2
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
一次元セルオートマトンの有限近似解析法を提案する。一次元に並んだセル全体を両方向無限パスとみなすことによって、セルの性質を2方向LTLを使って表現することができる。有限個の2方向LTLの式を選び、その真偽値の列をキューブと呼ぶ。キューブの集合によって状態を有限近似する。有限近似から次世代の状態の有限近似を計算する方法を与える。これによって一次元セルオートマトンの有限近似解析を行うことができる。
抄録全体を表示
-
内野 博貴
セッションID: 1D-3
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
2次元セルラーオートマトン(2-D CA)における最適時間一斉射撃アルゴリズムは,現在までにI.Shinahr[1974] が考案したアルゴリズムと,H.Umeo, M.Maeda and N. Fujiwaraら[2003]によって考案された2種類のアルゴリズムが存在する.本稿では,従来から知られている1次元一斉射撃アルゴリズムをベースとする新しいタイプの2次元同期アルゴリズムを提案し,併せて計算機上への実装結果も報告する.
抄録全体を表示
-
尾上 浩一, 大山 恵弘, 米澤 明憲
セッションID: 2A-1
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
近年、侵入防止システム自身の脆弱性に起因する安全性の問題が深刻になっている。攻撃者は脆弱性を利用することにより、侵入防止システムを停止させたり、乗っ取ったりすることができる。本論文では、自己を保護する機能を有する侵入防止システムのアーキテクチャを提案する。自己の保護は、(1) 侵入防止の処理を行う各プログラムモジュールの冗長化、(2) 各モジュールによる相互の動作の監視、(3) 異常なモジュールの強制終了と再起動により実現される。
抄録全体を表示
-
古瀬 淳, 米澤 明憲
セッションID: 2A-2
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
我々は、近年研究されてきたメモリ安全なC言語のコンパイル技術と、安全型による情報流解析を組み合わせて、バッファ・オーバーフローなどのメモリ脆弱性を突いた攻撃を受けても安全に動作を継続する事のできるコードを生成する新しいCのコンパイル技術 VITC を提案する。攻撃後の実行継続は、もともとのプログラムの意味論から逸脱した行為であるが、機密漏洩の可能性の無いことを保証することで、実行継続を正当化できる。
抄録全体を表示
-
佐藤 直人, 萩原 茂樹, 米崎 直樹
セッションID: 2A-3
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
近年のインターネット上での重要な取引の増加に伴い、安全なプロトコルが必要不可欠となっている。本稿では二者間データ通信のためのセキュリティプロトコル自動生成法を提案する。これは、プロトコルの構造から安全性を導出する推論規則を利用し、安全なプロトコルのみを生成する手法である。また、プロトコルに対するコスト評価を行うことで、使用環境に適したより良いプロトコルを生成する。さらに、他の自動生成方式と比較することで、本稿で提案する自動生成法の利点についても議論する。
抄録全体を表示
-
阿部 勝幸, 岩崎 英哉
セッションID: 2A-4
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
インターネットサーバ/クライアントにおけるアプリケーション層プロトコルに従った状態遷移を記述することにより,サーバ/クライアントのプロトコル処理部のコードを自動生成するシステムを作成した.本システムによる状態遷移記述はモジュール性に優れており,HTTP/0.9 から HTTP/1.0 のようなプロトコル拡張の際も,差分のみを記述することでプロトコル処理コードを容易に拡張できる.本システムにより,サーバ/クライアントプログラムの拡張性・保守性の向上が期待できる.
抄録全体を表示
-
薬師寺 浩二, 前田 良史, 南迫 博和, 小出 洋
セッションID: 2B-1
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
我々はLG3D上で斬新な3Dアプリケーションを開発するために,3Dアプリケーションを作るための便利なAPI(CosmoAPI)を設計した.CosmoAPIは開発者が思い描く独創的なインターフェースを容易に実現することを目的として設計した.我々はCosmoAPIを用いて「Cosmo Scheduler D」を開発し,JavaOneにて高評価を得た.本論文では,このCosmoAPIを紹介し,LG3DのAPIを直接使うよりも便利であることを示す.
抄録全体を表示
-
望月茂徳
セッションID: 2B-2
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
画像圧縮の分野で知られているフラクタル画像圧縮(FIC)は画像内の自己相似性に注目し, 幾何学的な解析を自動的に行う. FICによる画像解析の結果として, 画像はそれをなすアフィン変換の集合に置き換えられる. このアフィン変換群を復号する際に, 画像中のピクセルは整数列からなる反復関数系アドレスを持つ. この反復関数系アドレスを別の画像に関連付け, ある画像からある画像へ色彩を転送し, 芸術的な変換効果を得ることができる. この手法によって, ユーザは単に2種類の画像を用意するだけで芸術的な効果を得ることができる.
抄録全体を表示
-
坂本 大介, 小野 哲雄
セッションID: 2B-3
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
本稿では環境に埋め込まれた対話可能な絵画を生成するソフトウェアについて述べる。本ソフトウェアが生成する絵は環境センサの情報をもとに常に変化する。また、絵に直接触ることで絵に対して変化を与えることができる。出力デバイスはディスプレイだけではなく環境に埋め込まれたメディア(照明など)も含まれる。本稿では空間を一枚の絵画が支配し表現する、環境に埋め込まれたソフトウェアの可能性について考察する。
抄録全体を表示
-
西山 裕之, 溝口 文雄
セッションID: 2C-1
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
本研究では,市販されているエンターテインメントロボット(例えばSONYのAIBOなど)を用いた,人間に対するサービスシステムの設計を行う.本設計では,ロボット内の各機能やセンサ系を個別のエージェントとして定義することにより,そのロボットの持つ性能に応じたサービスをマルチエージェントシステムとして実現する.さらに,環境内ネットワークに接続された機器やセンサ系もエージェントとして組み込むことにより,オフィスなどにおけるロボットを中心とした環境内サービスも可能にする.
抄録全体を表示
-
大林 真人, 西山 裕之, 溝口 文雄
セッションID: 2C-2
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
本研究では,センサネットワークを用いて双方向性を持つユビキタスな環境を構築するためのセンサノード統合システムを開発する.本システムは,複数ロボットの動的協調システムとして開発されたマルチエージェントシステムの概念を適用し,各ノードが持つ限定されたリソース上において動作するミドルウェアとして機能する.また,エージェント処理系内部においてセキュリティ機能を組み込むことにより,各種同期および動的サービス提供における安全性を確保する.
抄録全体を表示
-
金城 拓実, 河野 真治
セッションID: 2C-3
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
私達は家庭用ゲームマシン向けのオープンなゲーム開発環境に関する研究を行ってきた。ゲームマシンは、特殊なアーキテクチャで実現されており、ハード性能を追求するとプログラムコードは必然的にハードへの強く依存する。強い依存性のあるコードは汎用性がなく再利用は難しい。ここで私達はプログラムのtest surface を保存しながらtechnology mapping を実現する手法を提案したい。
抄録全体を表示
-
石垣 一, 松井 藤五郎, 大和田 勇人
セッションID: 2C-4
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
JavaServletは,Webアプリケーション開発においてWeb との親和性と,オブジェクト指向言語の側面が評価され広く普及した.しかしながら,開発されるプログラムは大規模化する傾向にあり,開発者はプログラムを理解する事が困難になるという問題が生じている.そこで本論文では,この問題に対して,JavaServletプログラムを解析し,プログラム理解に有効な情報の抽出を行う手法を提案する.
抄録全体を表示
-
高井 利憲, 古澤 仁
セッションID: 2D-1
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
木構造のための正規表現の代数的な構造について考察する。Kozen は、文字列上の正規表現の代数構造である、クリーニ代数を発見し、その完全性を示した。一方、木構造データの正規表現に対応する正規木表現については、その代数構造は明らかになっていない。本発表では、正規木表現の持つ代数的構造の一部についてのべ、正規木言語に対する包含関係の決定問題への応用について考察する。
抄録全体を表示
-
岡本 圭史
セッションID: 2D-2
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
二つのプロセス間の相互排除が命題様相μ計算の式で記述出来ることは知られている。しかし、例えばプロセスが動的に生成・消滅する場合は、(各状態でのプロセス全体が予め分からないので)命題様相μ計算の式では記述できない。一階様相μ計算は命題様相μ計算を一階へ拡張した論理であり、上述の場合の相互排除も一階様相μ計算の式としてならば記述できる。本講演では、一階様相μ計算の定義と実例を示し、それが不完全であることを示す。
抄録全体を表示
-
湯浅 能史, 田辺 良則, 関澤 俊弦, 高橋 孝一
セッションID: 2D-3
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
グラフ書換系の性質を検証するために,時相論理を用いて抽象化を行う手法が提案されている.この手法を述語抽象化の枠組みに適用することで,モデル検査によってプログラムのヒープ構造に関する性質を検証することが可能になる.これを実現するには,ポインタを扱う実行文に対して前条件を求めることと,時相論理式に関する充足可能性判定を行うことが必要となる.本発表では,後者の目的に適した充足可能性判定手続きを提案し,そのプロトタイプ実装について報告する.
抄録全体を表示
-
千葉 勇輝, 青戸 等人, 外山 芳人
セッションID: 3A-1
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
本発表では,パターンに基づくプログラム変換システムRAPTについて述べる.RAPTはChiba等(2005)によって提案された枠組みに基づいて設計されており,変換の正当性を保証するためには入力プログラムと出力プログラムがいくつかの条件を満たしている必要がある.RAPTは,このような条件を項書き換えによる自動証明の手法を用いることで自動的に検証を行い,パターンに基づくプログラム等価変換を実現している.
抄録全体を表示
-
浜名 誠
セッションID: 3A-2
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
プログラムの理論的研究において、操作的意味論を与え、その性質を調べることは最も重要な課題の一つである。通常、プログラム言語は場合ごとに構文も意味論も異なるため、その時ごとに個別に考察されるが、なんらかの統一的なメタ言語とそれを用いた体系で操作的意味論の性質が保証できれば有用である。本稿はKlopによるCRSという高階書換えの体系がこのような目的に合致し、さらにそのよい数学的性質から、停止性の証明手法が導出できることを示す。
抄録全体を表示
-
長坂 卓哉, 平石 拓, 八杉 昌宏, 馬谷 誠二, 湯淺 太一
セッションID: 3A-3
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
我々は,書き換え規則に基づく操作的意味論を持つソース言語を設計し,そのプログラムの実行時にチェックポインティングを行い,その結果として機械独立かつ可読性に富むソースレベルのコードを得るという手法を提案する.また,非チェックポインティング時の実行効率を改善するため,ソース言語で書かれたプログラムから,チェックポインティング時まで動作しないソースコード生成機能を埋め込んだCプログラムを得る変換器を試験実装した.
抄録全体を表示
-
水野 謙, 加藤 紀夫, 原耕 司, 上田 和紀
セッションID: 3A-4
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
LMNtalは、階層的グラフの書き換えに基づく並行言語である。本研究では、複数の膜にある書き換え規則を非同期に実行できる処理系を設計・開発した。この処理系では、非同期実行を実現するために膜単位のロック機構を提供している。また、非同期に変更されたプロセスは書き換え規則の適用検査を再度行う必要がある事を考慮した、完全かつ効率的な書き換え処理を実現している。この非同期実行の仕組みを用いて、多言語インターフェースにおけるスレッド処理や分散拡張が容易に実現できた。
抄録全体を表示
-
中口 孝雄, 廣瀬 誠, 山縣 敬一
セッションID: 3B-1
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
アスペクト指向プログラミング(AOP)は、近年注目を集めている開発方法論である。複数のメソッドに散在する類似コードを単一のアスペクトにモジュール化し、保守性や拡張性を向上させることをその目的としている。WhiteDog Systemではその概念を応用し、GUI操作でネットワーク共有機能を既存のアプリケーションへ実装することを可能にした。本論文ではJava5で導入されたメタデータアノテーションを用いることで、実装プロセスを自動化する方法について論じる。
抄録全体を表示
-
番原 睦則, 田村 直之, 井上 克已
セッションID: 3B-2
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
本発表では,著者らの開発したPrologからJavaへのトランスレータ処理系Prolog Cafeについて述べる.本システムでは,PrologプログラムはJavaプログラムに変換され,既存のJava実行環境を用いてコンパイル・実行される.Prolog Cafeは,開発言語であるJavaと強く結び付いたProlog処理系であり,Javaの豊富なクラスライブラリを簡単に取り込むことができる.またPrologとJava間の双方向通信,マルチスレッドによる複数ゴールの並行実行なども可能である.本発表では,Prolog Cafeの応用として,SATソルバの並列実行システムMultisatを紹介する.
抄録全体を表示
-
服部 健太, 数馬 洋一
セッションID: 3B-3
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
本稿では、通信プロトコルのための仕様記述言語Preccsとその処理系について説明する。通信プロトコルは主に(1)メッセージの形式と(2)メッセージ送受信の手順から構成されている。Preccsでは、(1)は拡張した正規表現を用い、(2)はCCSに代表されるプロセス代数にもとづいて記述を行う。これによって複雑な構造を持ったメッセージを簡単に表現し、プロトコルの状態遷移や通信シーケンスを簡便に記述できるようになる。さらにPreccsコンパイラを用いて通信プロトコルの仕様記述からプログラムを自動生成することによって、信頼性の高い通信プログラムを短期間で開発することが可能となる。
抄録全体を表示
-
上野 真路
セッションID: 3B-4
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
組込み分野において、比較的要求仕様に余裕がある制御対象にまで複数のプロセッサを用いた分散制御が用いられるようになってきている。このことの背景のひとつには、チップの低価格化、出荷後の新機能拡張性付加、ネットワーク技術の浸透(CANやI2Cなどの普及)、開発効率の重視などが考えられる。このトレンドの先には、PCの世界で普及している分散型コンポーネント指向による優れた開発環境が、組込み分野でも出現することと容易に推測される。実際その傾向が見うけられる。しかしながら、組込み分野での分散コンポーネント環境の導入には、PC界での技術(WindowsDCOM、CORBA、JavaBeansなど)をそのまま移植することは無理が多いと考えられる。組込分野は定義にもよるが、限られたリソースの1チップボードのシステムから、よりPCに近い環境まで種々考えられる。これら幅広いターゲットシステムに対応できるように、次の2項目が特に考慮された組込みに適した分散コンポーネント仕様の設計、そして実装コードの開発を行う。 ● さまざまなプロッセッサ上へ移植・動作可能なこと(軽量・シンプルであること) ● リアルタイム性(時間管理機能)確保
抄録全体を表示
-
金箱 淳一, 藤田 ハミド
セッションID: 3C-1
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
本研究では、色の要素(色相)と造形物の配色パターンに注目することで、楽曲作成の支援システムの構築を目標としている。ここでは、楽曲を感情表現と捉え、同様にブロック遊びにおいて構築された物の配色も一種の感情表現と捉える。これら両者と表現された感情との対応関係により、上記システムの実現にアプローチする。ここでは主に、色相と感情間の関係をアンケートにより抽出し、前者の関係と研究事例を利用して楽曲におけるドラムパターンの生成を行う。
抄録全体を表示
-
加賀谷 拓, 羽倉 淳, 藤田 ハミド
セッションID: 3C-2
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
本研究では、人間が他人のしぐさからその人の情動を推測するのと同様の観点で、人間の情動を推定するための方法の構築を試みている。ここでは、モーションキャプチャによって得られた人間の動作を、その周期と大きさに基づき意図的動作と無意図的動作に分類している。さらに、無意図的動作は人間の情動によって引き起こされるという心理学上の知見から、無意図的動作のみを3次元CGアニメーション上に再現することで、基本感情との関係付けを行い情動の推定を行っている。
抄録全体を表示
-
山平 慎吾, 羽倉 淳, 藤田 ハミド
セッションID: 3C-3
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
本研究では、個人の表情変化の特徴を反映した表情生成手法の構築を目指し、その人の表情におけるパーツの特異的な動きを抽出する方法の構築を試みる。ここではまず、顔の各観測点の座標変化とパーツ(眉、目、口など)の運動のタイミング構造のデータを基に平均表情モデルを作る。その上で擬人化対象となる人の表情と平均表情モデルとを比較することで表情を構成する動きの特徴を抽出していく手法について述べている。
抄録全体を表示
-
槫松 理樹, 小田切 直, 古舘 弥之, 藤田ハミド
セッションID: 3D-1
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
電子メールでの円滑なコミニュケーションを行なうために、ネチケットなどのガイドラインが提示されている。しかし、それらの内容は抽象的なものやコンピュータに特化したものが多く、初心者には理解しにくいのが現状である。本研究では、このようなネチケットの学習を支援するために、電子メールの表現に特化した教育支援システムを提案する。本システムでは、はじめにユーザに状況を提示する。ユーザはその状況に応じたメールを入力する。システムは、表現に関するネチケットルールと入力されたメールとを照合し、問題点を理由とともに提示する。ユーザはその結果に応じてメールを修正、再入力を行なう。これを繰り返すことにより、ネチケットの学習を支援することを試みる。またユーザの作業履歴を保存し、解析、活用することによってユーザに合わせた処理の実現を試みる。
抄録全体を表示
-
LATE Abran Kra Florence, Shinji Kono, Akira Kamizato
セッションID: 3D-2
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
To realise various applications for content distribution via internet, a unique identifier is indispensable. In this paper, we introduce a framework for identifying each copyright material exclude machine generating one by a single global unique identifier: GUID. It can be used for automatic sharing, semantic search and content exchange, and copyrights protection.
抄録全体を表示
-
篠塚 卓, 鵜林 尚靖, 四野見 秀明, 玉井 哲雄
セッションID: 4A-1
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
AspectJにおけるアドバイスの織り込みは,メソッドの振る舞いを変更する.我々は契約という概念を確立し,そのような変化をプログラマが制限できるようにした.契約を導入すれば,メソッドが織り込みで受ける影響を,プログラマが予め制限できる.これにより,メソッドの振る舞いがプログラマの意図していなかったものへと変化してしまうことが防止できるようになる.契約は,自動的なメカニズムによって検証が可能である.
抄録全体を表示
-
青木 康博, 千葉 滋, 佐藤 芳樹
セッションID: 4A-2
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
リレーショナルデータベースを利用して大量のデータを扱うアプリケーションの開発において、O/R マッピングフレームワークが広く利用されるようになった。本稿では、アスペクト指向プログラミングに基づいたO/R マッピング記述を支援するJava 向けのO/R マッピングフレームワークの提案・実装について述べる。本フレームワークを利用することで、マッピング記述はアプリケーション内に散在することなく、かつ柔軟にアスペクトとしてプログラミングできるようになる。
抄録全体を表示
-
青谷 知幸, 増原 英彦
セッションID: 4A-3
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
本研究では, AspectJ言語に対するコンパイルの枠組であるSCoPEの改良を提案する. SCoPEは静的な条件ポイントカットを自動的に見つけ出し, 静的に評価することができる. 改良は束縛時検査の高速化と, Javaバイトコード操作ライブラリとSCoPEとの連携から成る. これによって, (1)ユーザーがJavaバイトコードの複雑な静的解析を行う静的なポイントカットを記述できるようになり, (2)これを実用的な時間でコンパイルすることが可能となった.
抄録全体を表示
-
筧 一彦, 松崎 公紀, 森畑 明昌, 江本 健斗, 胡 振江
セッションID: 4B-1
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
Skeletal parallel programming serves us as a successful method for parallelization. It provides a fixed set of program components called skeletons, each of which has its efficient parallel implementation. Their combination enables users to develop parallel programs without concerning themselves with communication deadlocks. For demostrating the powerfulness of skeletal programming the authors have developed parallelization technique toward one class of optimization problems called maximum marking problems. This can be recognized as one class of dynamic programming. This paper focuses on problems of dynamic programming in general, and examines how the skeletal approache parallelizes problems of dynamic programming.
抄録全体を表示
-
松崎 公紀, 明石 良樹, 江本 健斗, 岩崎 英哉, 胡 振江
セッションID: 4B-2
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
並列プログラミングにおける, 通信, 同期, 資源の配置などの問題を解消する一つのパラダイムとして, スケルトン並列プログラミングが提案されている. 我々は, 並列スケルトンライブラリ「助っ人」を開発してきた. 助っ人の特徴としては, (1) 分散データ構造として, リスト, 木, 二次元配列をサポートしていること, (2) 構成的アルゴリズム論による最適化機構, が挙げられる. 本論文では, 具体例を交えて, 本ライブラリを紹介する.
抄録全体を表示
-
野村 芳明, 江本 健斗, 松崎 公紀, 胡 振江, 武市 正人
セッションID: 4B-3
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
XPathはXMLの要素指定に広く用いられる言語であり,XPathクエリの効率的な実装が求められている.しかし,XMLのような木を扱う計算を効率的に並列化することは難しく,XPathクエリの並列処理の研究はまだあまりない.そこで,本論文ではXPathクエリをオートマトンに変換し,木スケルトンと呼ばれる並列計算パターンを用いることで,効率的な並列化を実現した.さらにこれを実装し評価実験を行った.
抄録全体を表示
-
深谷 崇元, 徳田 雄洋
セッションID: 4C-1
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
セマンティックWeb関連技術群により、Web上でオントロジを用いた機械可読の知識の記述および統合が可能になった。しかし異なるオントロジを用いた知識の統合を行った際、オントロジ間の意味の不整合やクエリ処理時の計算量の増加が問題となる。これらの問題に対し本研究ではある一つのオントロジを用いたクエリ文を他のオントロジを用いたクエリ文へ変換し、それぞれのオントロジに対してクエリ処理を行う方法を提案し、その有効性を実験により確かめた。また提案手法の応用により、従来では考慮されていなかった関係データベースに蓄えられた知識も統合できることを確認した。
抄録全体を表示
-
猪野 陽子, 松井 藤五郎, 大和田 勇人
セッションID: 4C-2
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
テキスト分類において,WordNetというシソーラス辞書を用いた手法を提案し,その有効性を検証する.提案手法では,単語の言い換え表現に着目し,各テキストの特徴表現の際に使用する特徴語の抽出時に,高頻度語の言い換え表現としてテキスト中に存在する中頻度語を利用する.具体的には,テキスト中の高頻度語と,WordNet中に高頻度語と中頻度語をかけたときの共通概念を特徴語として使用することにより,分類精度の向上を実現する.
抄録全体を表示
-
野呂 智哉, 根岸 秀典, 徳田 雄洋
セッションID: 4C-3
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
現在,世界中で数多くの国際会議が開催されており,その全てを把握することは困難である.一方,インターネットの普及により,国際会議に関する情報(会議名,発表論文題目,発表者名等)をWeb上から容易に入手することが可能となっている.これらの情報を取得して各国際会議間の関係をグラフで表現し,各国際会議間の類似点や相違点,その国際会議における主要な話題や特定の話題に関する中心的な国際会議を発見する手法を示す.
抄録全体を表示
-
石原 達生, 松井 藤五郎, 大和田 勇人
セッションID: 4C-4
発行日: 2005年
公開日: 2006/03/29
会議録・要旨集
フリー
Web上のデータは爆発的に増加し続けており,ユーザが自分の興味のあるページを獲得することは非常に困難である.そのような背景から興味を共有するWebページ集合 (Webコミュニティ)を発見するための研究が行われてきている.本研究では,2部グラフ構造を基本的な構造としてもつ手法に起こりやすいトピック・ドリフト現象に対し,Webページのテキスト情報を積極的に利用し抑制しつつ,獲得されたコミュニティをより有意義なものへと洗練するための手法について述べる.
抄録全体を表示