本研究では施設・地域生活する知的障害者66人の自己管理の機会に関して,(1)どのような居住形態・人数別に差異があり,(2)差異がある/ない項目はどのような領域かを明らかにするために量的調査を実施した.その結果,第1に,施設・女子の自立訓練ホームが自己管理の機会が最も制約されており,次に通勤寮,男子の自立訓練ホーム, 24時間型グループホーム,6時間型グループホームと続き,自立・結婚生活が最も自己管理の機会があることが分かった.同時に,居住人数が1〜2人の居住形態は6人,7人の居住形態より自己管理の機会があり,6人,7人の居住形態は11人以上の居住形態より自己管理の機会があることが分かった.第2に,プライバシー,嗜好品,日課,外出に関わる事柄は居住形態別に差異があるが,献立,金銭,仕事,健康,性,居住場所・共同入居者に関わる事柄は居住形態にかかわらず自己管理の割合が低いことが分かった.
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