筆者は,2008年8月〜2011年12月までの予定で,歴史資料の保存や開示義務をもたない一民間組織である日本ライトハウスに入り,同法人が保有する歴史資料の整理・電子化を行っている.またそれと同時に,研究資料の収集も行っている.これまでの取り組みの結果,500点を超える年報,図書,重要文書等の電子化を終えた.また,点字資料の活字化,聞き取り調査なども進行中である.さらに,電子データの検索システムも完成した.本報告では,筆者がどのようにして同法人の信用を得て,長期にわたる資料調査を許されたか,どのような方法で資料の整理・電子化を行っているのか,また同法人がどのようにして歴史資料を保全し,研究者からの問い合わせに答えようとしているのかについて紹介する.さらに,これらを通じて,民間組織が直面する資料保全の実状や問題・課題を明らかにする.
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