創傷
Online ISSN : 1884-880X
ISSN-L : 1884-880X
7 巻, 1 号
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原著
  • 荻野 晶弘, 大西 清, 岡田 恵美, 中道 美保, 藤井 毅郎, 林 明照
    2016 年 7 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/01/05
    ジャーナル フリー
     当院では胸骨骨髄炎・縦隔炎に対して V.A.C.ATS® 治療システム (以下 VAC) を積極的に使用し,感染のコントロールと創底管理 (以下 WBP) を行い,筋弁や大網弁などによる再建手術を行っている。
     対象は 13 例 (男性 9 例,女性 4 例),平均年齢 67 歳であった。そのうち 3 例ではデブリードマン後に一期再建手術を施行し,10 例では二期再建手術までの創部感染のコントロールと肉芽増生などの創傷管理を目的に VAC を用い,全例で良好な肉芽増生,感染の鎮静化が得られた。大胸筋下剥離・縫合閉鎖を行った 2 例を除き,11 例では筋 (皮) 弁あるいは大網弁による再建手術を要した。胸骨骨髄炎・縦隔炎の治療のポイントは,できるだけ早期に的確な診断を下し,開創あるいは開胸ドレナージ,デブリードマンを十分に行うことである。そして閉創・再建手術を行う時期を想定しながら VAC 療法による創部の感染コントロールと WBP を行うことが重要である。
  • 山本 暢, 増田 鋼治, 岡本 仁, 長尾 由理
    2016 年 7 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/01/05
    ジャーナル フリー
     重症熱傷はしばしば致命的である。わが国の熱傷に関する正確なデータはないものの,DPC (diagnostic procedure combination) による統計や,東京都熱傷救急連絡協議会の統計から,年間数万人が医療機関で治療を受け,6,000 人以上が入院し,数百人程度が広範囲熱傷により在院死亡しているとみられる。入院時に患者の予後を知ることは臨床医にとって重要であり,予後因子の検討が種々報告されている。
     当院では 2008 年からの 6 年間に入院治療にあたった 135 例のうち 7 例が在院死亡であった。集中治療室専属の医師をもたず,形成外科が主体となり各科の協力の下に治療を行ってきた。このうち重症例について入院時にみられる生命予後因子を後ろ向きに検討し,これまでの報告と比較した。
     その結果,総熱傷面積・熱傷指数・熱傷予後指数・白血球数・血清アルブミン・乳酸脱水素酵素・総コレステロールが院内死亡の予測因子として有用で,熱傷専門施設における結果とほぼ同様であった。
症例報告
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