ベルガモットは, 昭和38年に静岡県から瀬戸内海地域 (愛媛県・香川県) に導入され, 当地域では, 昭和42年から結実を始めている.
本研究は, 瀬戸内海産ベルガモット油の含油組織・収油率・精油成分などについて検討したものである.
ベルガモット油は果皮に分布する油室に含有されている.搾油法による収油率は約0.4%であつた.また, ガスクロマトグラフィにより精油成分を分析した結果, 主成分d-limonene%, l-linalool%, linalyl acetate%などがカラブリア産の油に比べ, 劣らないことが判明した.
気象条件では, 冬期の降霜のための被害が問題となるが, 現在までの試作結果から見て, 局地気候的な立場から栽培適地を選定すれば, 当地域では十分栽培可能と考えられる.
精油成分の変動と環境条件の関係については, 今後さらに研究を進めたい.
本研究に協力された, 曾田香料株式会社瀬戸内農場の諸氏に対し謝意を表する.
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