熱帯農業
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16 巻, 4 号
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  • I. 育種に関する主要形質の品種間変異*
    今井 隆典, P. GANASHAN
    1973 年 16 巻 4 号 p. 255-259
    発行日: 1973/03/31
    公開日: 2010/12/08
    ジャーナル フリー
    1. セイロンの乾燥地帯から集められた在来水稲76品種の特性調査を行なった.
    2. 籾型に関する松尾の分類によると, 供試品種の大部分はC型に属し, Samba品種群はA型に属した.
    3. 品種間変異は多くの形質について大きいことがわかった.Samba品種群は小粒性に関する以外の形質では他の品種と類似する変異を示した.
    4. 多くの形質間で有意な相関係数が認められた.しかし脱粒性, 第2次枝梗退化数, 穂数と他の形質の間では一般に低いことが認められた.
  • 第1報 蒸散量と葉面積, 気象要因との関係
    杉本 勝男
    1973 年 16 巻 4 号 p. 260-264
    発行日: 1973/03/31
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    1.日蒸散量は8月上旬に単一ピークを示し, この時期は品種間に生育ステージの差がみられた.蒸散比は登熟前半期ないしは後半期に最大となり, ほぼLAIに比例して高まり, LAI5以上では横ばいを示す.Tadukanのみは飽和現象が認められなかった.蒸散量の推移は各品種とも高温区は自然温区よりまさったが, 蒸散比については大差がみられなかった.
    2.稲の蒸散力を示す単位葉面積当り蒸散比は前二者の傾向と異なり, 分けつ前半期ないしは後半期に最大値を示し, LAIの増大にともない減少するが, 両者の間には必ずしも逆数的な関係は認められない.インド型は日本型に比べて, 同一LAIで蒸散が多く, TadukanのみはLAIに関係なく一定の高い蒸散力を示した.
    3.孤立個体での生育後期の蒸散量割合は葉身40~60%, 葉鞘30~35%, 穂15~25%を示し, Tadukanはホウヨクに比べて葉身の蒸散割合・乾物重割合が少なかった.また各品種の穂の表面積の葉面積に対する割合は11~36%に達し, Tadukanが最も高く, 穂の蒸散への寄与がうかがわれた.
    生育後期の上位3葉の気孔開度の日変化は株当り蒸散量と必ずしも対応がみられず, 気孔開度と蒸散の関係は密接とはいえなかった.また生育中期の晴天昼間の蒸散量は日蒸散量の平均85%を占めた.
    4.日蒸散量や蒸散比には生育前期にはLAIと気象要因が, 植被完成後の生育中後期にはLAIよりも気象要因が大きく関与する.株当り日蒸散量は気象要素のうち日射量と飽差との相関が高い.計器蒸発量 (Em) は蒸散量 (T) や気象要素といずれも相関が高かった.同一気温でインド型は日本型に比べて, 自然温区は高温区に比べて単位葉面積当り蒸散量が多く, インド型は高温下でも蒸散力がまさり過剰蒸散の傾向があり, 自然温区 (戸外) では風が影響すると考えられた.
  • 第2報 乾物生産と蒸散量, 要水量との関係
    杉本 勝男
    1973 年 16 巻 4 号 p. 265-269
    発行日: 1973/03/31
    公開日: 2010/12/08
    ジャーナル フリー
    1.株当り乾物増加量は蒸散量の推移と同傾向で穂ばらみ期間に頂点に達し, その後下降を示し.純同化率は蒸散速度の推移とほぼ同傾向を示し.分けつ前半期に最高を示し.以後下降をたどる.Tadukanは終始他の品種に比べて蒸散量が最も多く, 乾物生産や純同化率もまさった.
    2.要水量の変化は移植後の漸増傾向は必ずしも認められず, 最低値が高温区の日本型では穂ばらみ期間にみられたが, いずれも登熟後半期に頂点に達し, 最大値は高温区は自然温区より大幅に少なかった.生育各期の蒸散量と乾物生産, 蒸散速度と純同化率の間には高い正の相関が認められた.生育各期の要水量は株当り乾物生産量や純同化率との間には双曲線の負の関係が認められた.
    稲は乾物生産のおう盛な時期ほど蒸散を増し, 水分効率が高く, 要水量は低下を示す.インド型は日本稲に比べて蒸散力はまさるが、過剰蒸散の傾向があり, 乾物生産に対して水の利用効率は低かった.
    3.全期間の要水量は秋冷のため, 自然温区は乾物生産が劣り, 高温区に比べて多くなった.乾物総生産と要水量の間には日本型の方がインド型より高い負の相関が認められ乾物生産に水が効率高く利用されていた.生育日数の長短と要水量の間には正の関係は明確には認められなかった.
    4.乾物総生産は各品種とも平均気温の2℃高い高温区は自然温区より4~5割まさり, 品種の生育日数に応じて増大する傾向がみられた.収量 (穂重) も高温区は自然温区より4~10割増収し, Tadukan>B.Rose 41>日本晴>IR8≒ホウヨクの順となった.Tadukanの高収量は蒸散がおう盛で, 終始純同化率がまさり, 根の活力も高く維持された結果とみられ.多収性を秘めるインド型在来種として注目された.
  • II.休眠性と生長物質の関係
    林 満, 姫野 正己
    1973 年 16 巻 4 号 p. 270-275
    発行日: 1973/03/31
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    稲の休眠性品種Hadsaduriの種子内に存在する生長物質をペーパークロマトグラフ法を応用したavena straight growth testで定量し, 種子の休眠現象にどのような生長物質が関与し, それらがどのような作用性を有するかを解析した.
    1.種子の休眠の深度と生長抑制物質量とに明らかな関係が存在することがわかった.すなわち, 休眠の深い時期には生長抑制物質量が多く, agingに伴ってその量は減少し, しかも抑制作用がほとんど消失する時期には種子の休眠は完全に覚せいした.
    2.休眠している玄米内に認められた生長物質は2つの生長抑制物質と1つの生長促進物質であり, 籾がらには2つの抑制物質のみ認められ, 生長促進物質は認められなかった.
    3.生長抑制物質のクロマトグラムのRf値は0.7-0.8及び0.9-1.0であり, 前者はそのRf値からアブサイシン酸 (ABA) であると推定され, 後者はエーリッヒ試薬にピンクの呈色反応を示すので, インドール系の抑制物質と考えられる.
    4.種子の発芽が完全に活性化されると, 種子内には生長抑制物質はほとんど認められず, 休眠している種子の生長物質のパターンと休眠していない種子のそれとは明らかに異った.そして完全に活性化された種子の生長物質のヒストグラムにはほとんど品種間差異は認められなかった.
  • 林 満, 黒木 修身
    1973 年 16 巻 4 号 p. 276-282
    発行日: 1973/03/31
    公開日: 2010/12/08
    ジャーナル フリー
    タイヌビエ4系統の種子を用い, その休眠覚せい現象に対する種子の水洗処理, 変温処理及び両処理の組み合わせの効果を調べ, 同時に処理による生長物質の体内変化をアベナテストで検定した.
    1.タイヌビエ種子の休眠性程度には系統間に差異が認められ, そして処理による休眠覚せいの効果にも系統間に差異が生じた.
    2.水洗処理及び変温処理は休眠性程度の強い種子においてはその発芽を促進し, 休眠性程度の弱い種子ではその休眠を覚せいする作用を有した.そして両処理の組み合わせによっていずれの段階の種子の休眠も完全に打破された.
    3.種子の水浸漬を行うと, 水中に生長物質が浸出する.そしてその生長物質の検定の結果, 浸出液中に生長抑制物質のみでなく生長促進物質も含まれることが明らかになった.
    4.休眠覚せい現象には生長物質が関与することが明らかになった.休眠覚せいは生長抑制物質の量的な減少または不活性化及び生長促進物質の量的な増加または活性化の体内変化によって誘起されると推察される.
  • 寺神戸 曠
    1973 年 16 巻 4 号 p. 283-286
    発行日: 1973/03/31
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    (1) 北部ブラジルのトメアスーは, 東南アジアに次ぐ胡椒の産地として有名であるが, 1969年, ここに初めてウイルス病が発生した.そのウイルス病は, CMVによるものであることが間もなく明らかにされ, A. S. COSTA氏によって実験的には, Aphis gossppiiにより媒介感染が起ることも判明した.
    (2) 実際の胡椒園では, Aphis gossypiiは見られず, 他のアブラムシが着生しており, 本実験では, そのアブラムシを用いて媒介接種を行ない, 中間にNicandra physaloidesを介在させることにより, 胡椒への伝染をみとめた.
    (3) 用いたあぶらむしは, Aphis spiraecolaと同定され, 本実験から, 実際の胡椒園では1つのケースとして, 同アブラムシによって, ウイルスの伝播が行なわれているとみることができる.
  • 第6報 無機成分含量におよぼす増水処理の影響
    山口 禎
    1973 年 16 巻 4 号 p. 287-291
    発行日: 1973/03/31
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 青池 忠之
    1973 年 16 巻 4 号 p. 292-296
    発行日: 1973/03/31
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    1.インドネシア, スマトラ, ランポン, コタブミで測定した自記寒暖湿度計の記録から昼間の湿度が低く, 夜間の湿度が意外に高いことがわかった.
    2.農民の能力と資力で造れる移動覆い式乾燥方法を研究した.
    3.仕上乾燥は農用ディーゼルエンジン, 送風ファン, バーナー, 現地製乾燥枠2つを1組とし投資の軽減と品質の向上をはかる.
  • 塘 二郎
    1973 年 16 巻 4 号 p. 297
    発行日: 1973/03/31
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 橋本 実
    1973 年 16 巻 4 号 p. 297a-301
    発行日: 1973/03/31
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 杉井 四郎
    1973 年 16 巻 4 号 p. 301-304
    発行日: 1973/03/31
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 山田 明
    1973 年 16 巻 4 号 p. 304-307
    発行日: 1973/03/31
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 1973 年 16 巻 4 号 p. 307-309
    発行日: 1973/03/31
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • (その15)
    長戸 公
    1973 年 16 巻 4 号 p. 310-323
    発行日: 1973/03/31
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 1973 年 16 巻 4 号 p. 326a
    発行日: 1973年
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 1973 年 16 巻 4 号 p. 326b
    発行日: 1973年
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
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