北海道から沖縄県に至る各地で採集し系統維持してきたチガヤ (
Imperata cylindrica) の52クローンにっいて, 各クローンの萌芽, 出穂および地上部の枯死期を調査した.また, 各クローンの5分株個体について, 草丈, 分株数, 根茎数および器官別乾物重を測定した.
10形質 (草丈, 全乾重, 分株数, 根茎数, 根茎長, 根茎への乾物分配率, 移植後萌芽, 出穂, および枯死までの日数, 萌芽から枯死までの日数) の形質問相関行列に基づく主成分分析を行った.ただし, 出穂しなかった北海道および秋田県由来の2クローン, 冬期も枯死しなかった奄美大島および沖縄県由来の3クローンの計5クローンは分析から除いた.
第1, 第2および第3主成分は, 草丈およびフェノロジー, 根茎長および根茎数, 根茎への乾物分配率をそれぞれ表現していると推定された.主成分分析の結果, 第1から第3主成分までの累積寄与率は84.4%に達した.47クローンは, A群) 東北北部由来の, 小型で出芽が最も遅い,
I.cylinclrica var.
genuina, B群) A, C群の中間的な特性を示す, 東北南部から九州北部由来の
I. cylindica var.
koenigiiおよび C群) 九州南部由来の, 大型で地上部の枯死時期が最も遅い,
I. cylindrica var.
koenigiiの3群に類別された.
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