熱帯農業
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34 巻, 2 号
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  • 井之上 準, 陳 日斗, Vo-TONG XUAN
    1990 年 34 巻 2 号 p. 61-67
    発行日: 1990/06/01
    公開日: 2011/01/31
    ジャーナル フリー
    ヴィエトナム・メコンデルタの浮稲地帯では, 最近, 雑草イネの増加が問題化するとともに, 「浮稲の脱粒性が強くなった」といわれている.先年, 現地において出穂期に観察・調査を行ったところ, 雑草イネと言われるものは野生イネ, 野生イネと浮稲の雑種後代と思われるイネ, および逸出雑草と思われるイネなどで圃場によってはかなり高頻度の混入が認められた.それらのうち, 外部形態が浮稲に類似した雑草イネ数系統について, 1987および1988年に脱粒性程度や離層の崩壊性, および出穂まで日数や節間伸長性などを調査し, 浮稲と比較・検討を行った.結果の概要はっぎの通りであった.
    1.浮稲に比較すると, 雑草イネでは出穂まで日数はほぼ同じかやや短く, 出穂から完熟までの期間は約1週間ほど短く, 完熟期における脱粒性がかなり強かった.ところが地上部の外部形態および節間伸長性は両者は酷似していて, 出穂期までの間に雑草イネを見分けて除草することは困難と思われた.
    2.浮稲, 雑草イネともに小枝梗先端突出部にある離層は籾が完熟するまでの間にほぼ完全に崩壊したが, 離層の崩壊が始まる時期および完全に崩壊する時期は雑草イネで約1週間ほど早く, 離層崩壊した後に残る『籾と小枝梗を連結している部分-supporting zone』の太さは雑草イネでかなり細かった.
    3.以上の結果から, 現地において浮稲の脱粒性が年々強くなるように感じられている主な原因は, 脱粒性の強い雑草イネの混入割合が増加して来ているためではないかと推察された.
  • ワラアソワパティ オノップ, ソーンスリビチャイ ジンダ, ウタイブット ジャムノン, 大垣 智昭
    1990 年 34 巻 2 号 p. 68-77
    発行日: 1990/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    亜熱帯果実のレイシは芳香をもち高価であるが, 収穫期間が短く, 収穫後特有の果皮色を急速に失い, 変質し易い.また, 水分損失による褐変を生じて腐敗し易く, 市場性は低い.本研究はタイ北部産レイシ‘HongHuay’果実の4種類のプラスティックフィルム包装による貯蔵性と果実品質とを検討したものである.
    ベノミールを含有する温湯 (52℃) に2分間浸漬後, 10~15果単位にトレイごと厚さ0.01mmのビニルとポリエチレンのフィルム包装, 及びポリエチレンとポリプロピレンによる密封包装を施し, 5℃, 17℃及び室温 (27~33℃) 下で貯蔵した.
    常温下無包装では, 果皮褐変を生じて2~4日間しか貯蔵性はなかったが, プラスティック包装によって褐変が減少し, 7~10日間まで貯蔵力を延ばすことができた.17℃下貯蔵では, 包装果実の果皮褐変の発生は遅れたが, 貯蔵性は14日間までしか延長できなかった.この品種の貯蔵期間延長のためには, 5℃まで下げることが望ましい.すなわち, 5℃下において, 包装果実の褐変や腐敗は, 無包装果実が貯蔵7日後から発生が多くなったのに較べて, それらを50日まで遅らせることができた.プラスティックフィルムの種類による差は果実品質への影響は余りなく, 水分損失量にはかなり影響した.とくに, 塩化ビニルフィルム包装は他よりも水分損失量が多いが, 反面包装による異臭は少なく貯蔵性も良好で, 官能調査の結果において高い評価が得られた.
  • モハド ハッサンビン
    1990 年 34 巻 2 号 p. 78-83
    発行日: 1990/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    マンゴーのそぎ芽接ぎ, はめ芽接ぎ, 割り接ぎ (先端割り接ぎ) , 腹接ぎ, 挿し木の5つの繁殖法にっいて検討した.そぎ芽接ぎの活着率ははめ芽接ぎより著しく良かった (前者は77.5%, 後者は15%) .割り接ぎ腹接ぎは葉面積, 空気, 湿度, 気圧を制御した透明ポリェチレン袋および繁殖室を使用して行ったところ, いずれも活着率は良好であったが, ポリエチレン袋を用いた方がわずかに良かった.これとは対照に, 挿し木繁殖は若い株から採取した穂木を用いても困難であった.挿し穂の基部に傷をっけて発根の促進を試みたが良い結果は得られなかった.
  • 栗田 絶学
    1990 年 34 巻 2 号 p. 84-91
    発行日: 1990/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    グアユールゴムノキ (Parthenium argentatum Gray) の耐塩性系統育性の一環として, 5系統を用いて耐MgCl2系統選抜試験を水耕栽培法で実施した。ホーグランド水耕溶液に加えた最終的Mgストレス水準は, 15, 40, 70meq/lの3水準とした。測定は草丈, 乾物重, 茎葉重/根重比 (S/R) , 生存率, 組織の無機成分分析に関して実施した。得られた結果の概要は次の通りである。
    1.地上部及び根部の成育はストレス増加につれて抑制され, 草丈は直線的に減少し, 根部乾物重はMgストレスが15meq/lを越えてから減少し始めた。
    2.系統593はMgストレス増大につれ, S/Rを減少させて高生存率を示した。このS/Rは生存率と密接に相関していた。系統565IIは高Mgストレス条件下で最低の生存率を示し他の系統はその中間であった。
    3.全体的にMgストレス増大につれてCaとKイオンの吸収が桔抗作用により抑制されたが, 系統593は高Mgストレス条件下でもCa及びKイオンを正常に吸収出来る生理的機能を持っているように思われた。
    4.系統593は, 高Mgストレス下での生存率は高かったが乾物生産が低く, 一方, 生存率が中位の系統N-396は, 中位のMgストレス下で高い乾物生産を示した。今後の有望系統を選抜する基準として, 高塩濃度下における生存率と高乾物重の2つの指標が有用と思われる。
  • 上田 堯夫, 香川 邦雄, 白井 靖子
    1990 年 34 巻 2 号 p. 92-93
    発行日: 1990/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 高橋 順二
    1990 年 34 巻 2 号 p. 94-99
    発行日: 1990/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 紙谷 貢
    1990 年 34 巻 2 号 p. 100-106
    発行日: 1990/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    1.1980年代に入って低迷していた穀物市況は, 1987年後半から竪調に転じ, 当面の需給状況からみてその竪調は維持されよう.
    2.世界の穀物の生産及び貿易の面で, 次第に開発途諸国の比重が高まって来ているが, アジア諸国での生産拡大, 輸出入の増大がこれに大きく関わっている.
    3.穀物の需給の中で, 米の比重はやゝ低下傾向にあり, 小麦の生産・消費両面での比重の増大が注目される.
    4, 米の供給増大は, 耕地拡大への制約から技術の改善に主と依存するが, 縁の革命に伴う新技術の導入も一巡したかに見られる.
    5.需要面では, 全般的になお需要の所得彈性値はプラスを示すものの, その低下傾向は否定できず, すでに一部の国で米は劣等財化している.所得の上昇に伴ない, 間接清費を含む穀物需要は増大しようが, 米の比重の低下, 米の市場の相対的狭小化と, 米の価格の小麦に対する優位の低下が予想される.
  • ―ケニアを中心として―
    半澤 和夫
    1990 年 34 巻 2 号 p. 107-114
    発行日: 1990/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • カリフォルニア産米の流通・価格・食味を中心に
    江川 久洋
    1990 年 34 巻 2 号 p. 115-124
    発行日: 1990/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 和田 源七
    1990 年 34 巻 2 号 p. 124-130
    発行日: 1990/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 川端 晶子
    1990 年 34 巻 2 号 p. 130-137
    発行日: 1990/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 1990 年 34 巻 2 号 p. 137-142
    発行日: 1990/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
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