熱帯農業
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35 巻, 3 号
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  • 第3報 異なった輪作様式下における作物の養分吸収
    今井 秀夫, 鎌田 和彦, 馬 清華, 楊 玉峰
    1991 年 35 巻 3 号 p. 175-186
    発行日: 1991/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    熱帯における野菜・豆類を中心とした様々な輪作体系下における養分の動態が4年間にわたって研究された.同じ作物による養分吸収は異なった輪作様式下でも互いによく似ていた.大豆は多量の窒素と燐酸を種子中に蓄積するために, 他の作物に比べて3倍量の窒素と2倍量の燐酸を吸収し, 4トンの大豆収量を上げるためにはそれぞれ, 300kg/haと18kg/ha吸収される必要があった.大豆は約80%, 75%, 60%の窒素, 燐酸, カリを種子中に蓄積したが, カルシュウムとマグネシュウムは主として葉と茎に蓄積された.
    作物栽培中の窒素バランスは根粒菌による窒素固定のため大豆で約200kg/haのマイナス値を示したが, 他の作物ではほぼ一致していた.燐酸とカリでは肥料及び土壌からの養分供給と作物の養分吸収が全ての作物でほぼ一致していた.
    輪作作物の全乾物生産は燐酸, 窒素, マグネシュウムの吸収量と密接な関係があり, 燐酸吸収量だけでその変動の77%を説明できた.窒素とマグネシュウムはそれぞれ5%と6%の寄与率であった.変動因―残差プロットも燐酸だけが全乾物生産量の有用な指標になりうることを示している.よって, 熱帯の野菜・豆類栽培で高収量を上げるためには, 燐酸が最も重要な養分であり, その円滑な吸収と種子及び果実等への移行を促す栽培技術の確立が重要である.
  • 井上 弘明, 高橋 文次郎
    1991 年 35 巻 3 号 p. 187-194
    発行日: 1991/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    静岡県沼津市で栽培しているアボカドの収穫適期を判定する目的で, 1987~'89年の10月から2月に15日間ごとに果実を採取し, ‘Zutano’, ‘Bacon’及び‘Fuerte’の呼吸量とエチレンの排出量を調査した.呼吸量は3品種とも, 採取後の翌日に一時高くなり, 2~3日後に下降し, ついで上昇してピークに達し, その後, ゆっくりと低下するクライマクテリック型であった.エチレンの排出は, 呼吸よりやや遅れて始まり, クライマクテリック上昇後にエチレンの排出量のピークがみられた.呼吸量の減少とともにエチレン排出量も低下した.収穫適期を呼吸量とエチレン生成量の急速な増加を指標とし, ‘Zutano’及び‘Bacon’は11月26日, ‘Fuerte’は12月10日とした.すなわち, ‘Zutano’と‘Bacon’は11月下旬, ‘Fuerte’は12月上旬であり, カリフォルニアよりは約1か月ほど遅れることになる.
  • 村木 清, 西谷 俊昭
    1991 年 35 巻 3 号 p. 195-200
    発行日: 1991/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    バンバラマメの光合成速度は品種間に差異がみられたが, 本実験においてはH-48が最も高く30mgCO2/dm2/hrであった.遮光の影響はダイズ, ラッカセイ及びゼオカルパマメとほぼ同じ傾向で, 遮光が強くなると光合成速度は低下した.ところが, 弱光に対する適応の仕方は作物によって異なり, 葉の向軸側表皮に貯水細胞が発達しているバンバラマメとゼオカルパマメは, 遮光下では貯水細胞の厚さが薄くなったが, 表皮に貯水細胞をもたないラッカセイとダイズは, 遮光下では同化組織が減少することが示唆された.
  • 第1報 種子の形状と発芽特性
    広瀬 友二, 高橋 登美雄, 早道 良宏
    1991 年 35 巻 3 号 p. 201-207
    発行日: 1991/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    ヒユ科に属するアマランサス数種の子実の形質と発芽特性について調査した.その結果, 種により形質は, 極めて変異に富み, 1g粒数では約3倍の差がみられ, 子実の色も変化に富んでいた.
    4種について発芽特性を調査したところ, 種によって, 新鮮種子では休眠が認められた.また, 発芽温度は17℃以上で, 最適温度は23℃前後と考えられた.
    播種深度と発芽の関係では, 5cmの深さでも発芽に支障ないが, 1~3cmの深さまでが発芽後の根群の発育が優れ, 生育・収量共に良い結果が得られた.
  • 第2報 窒素施肥の相違が生育・収量に及ぼす影響
    広瀬 友二, 早道 良宏, 高橋 登美雄, 西山 喜一
    1991 年 35 巻 3 号 p. 208-212
    発行日: 1991/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    子実用アマランサスの2種 (Amaranthus caudatus, A. hypochondriacus) を用い, 窒素肥料の施肥方法の相違が生育・収量に及ぼす影響について, 東京農業大学厚木中央農場 (神奈川県厚木市) で圃場試験を行った.
    施肥方法は, 燐酸および加里は全量基肥とし, 窒素肥料のみ次の区分に従い施した.全量基肥区, 1/2基肥と伸長期の1/2追肥区, 1/2基肥で出蕾期に1/2を追肥した区, 1/3を基肥とし, 各々1/3を伸長期と出蕾期に追肥した区および無肥料区の5区とした.
    その結果窒素の施肥は, 全量基肥とするか, 早い時期の追肥が両種の生育に良い結果を与えた.しかし, 子実収量ではA. hypochondriacusは, 生育の早い時期の追肥によって増加することが知られた.これら両種間の窒素の施与時期と収量に及ぼした影響の相違は, 栄養器官の発育量の違いに起因すると考えられた.
  • 友岡 憲彦, ライルンルアン チャランポン, ナキラクス ポチャニー, タバラスーク チャラスポン
    1991 年 35 巻 3 号 p. 213-218
    発行日: 1991/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    作物の種内変異に関する情報は育種にとって不可欠のものである.そこで熱帯アジア地域における重要なタンパク供給源になっているアジア原産のマメ科作物リョクトウ (Vigna radiata) の生育特性 (開花までの日数, 茎長および側枝数) に関する遺伝的変異をタイ国チャイナート畑作研究センターにおいて調査した.そのデータに基づいてアジア各地から集められた497系統のリョクトウ在来種を8タイプの生育型に分類し, 各生育型系統の地理的分布を調べた.その結果, 各生育型系統の分布パターンには緯度に沿った明瞭な地理的勾配が認められた.
    低緯度に位置するインドネシアとタイのリョクトウは主として晩生で茎長が長く側枝数の多い生育型 (生育型8) を示した.中緯度に位置する台湾やフィリピンのリョクトウは茎長は長いが側枝数の少ない生育型 (生育型3, 7) を示す系統が多く, 早晩生の点ではフィリピンの系統の方が台湾の系統より早生のもの (生育型3) が多かった.高緯度に位置する韓国, アフガニスタンおよびイランのリョクトウは, 茎長が短く早生で側枝数の少ない系統 (生育型1) が多かった.インドのリョクトウは各生育特性に関して最も高い多様性を示し, 多様な生育型の系統が最も均一に分布していた.
    これらの結果から, タイにおいて作付け体系内に組み込み易く, 高収量で生育期間の短い品種を育成するのに適した生育特性を持った系統はフィリピンに多く分布しており, 特定の有用形質, 例えば耐病性や耐虫性等の遺伝子源を探すためには, 多様な生育特性を示したことから遺伝的多様性が高いと期待されるインドの系統が有望であると考えられた.
  • 平野 〓也
    1991 年 35 巻 3 号 p. 219-231
    発行日: 1991/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 山口 禎, 林 昌弘, 田中 靖人, 福田 裕章
    1991 年 35 巻 3 号 p. 232-236
    発行日: 1991/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 寺井 弘文
    1991 年 35 巻 3 号 p. 236-240
    発行日: 1991/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 海老原 善隆
    1991 年 35 巻 3 号 p. 240-243
    発行日: 1991/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 1991 年 35 巻 3 号 p. 244-253
    発行日: 1991/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • キャッサバを中心とした熱帯畑作に関する調査・研究
    広瀬 昌平
    1991 年 35 巻 3 号 p. 254
    発行日: 1991/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
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