熱帯および亜熱帯地域から導入したP.aureus10系統とP.mungo17系統を用いて生育収量および諸特性を調査した結果は次のようであつた.
1) P.aureusおよびP.mungoの発芽灘度は35℃前後が最適であると思われるが, 15℃においてもまた95%以上の発芽率を示した.
2) 害虫についてはウラナミシジミおよびカメムシの被害が多かつた.また病害についてはNematodaの被害をうけたが,
これは一般にP.aungoよりP.mungoに多く認められた.
3) 開花所要日数の最長はインドネシア産No.26の92日で最短は日本在来種の43日で, いずれもP.aureusであつた.またP.mungoでは最長はベルギー領コンゴー産のP.M No1の71日で最短は米国産PI 164441-1の59日であつた.
4) 生草量では一般に茎長の長いものほど重い傾向を示し, インドネシア産のP.aureusが最も重かつたが, しかし種子の収量は極めて少く採種するには当地が限界であることを認めた.生草量および種子収量からみて南阿連邦産のものが最もすぐれており, また種子も極めて大型であつた.
5) 種子の成熟はP.mungoの方がP.aureusよりも不整一で採種に手数を要した.
6) P.aureusおよびP.mungoの根瘤菌はCowpea-groupに属しており, 野生および栽培作物に同一群に属するものが多く認められるため, 栽培にあたつては新開墾地以外は接種の必要はないものと思われる.
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