イネの細胞質雄性不稔系統17系統の細胞質を分類した.このうち7系統は過去の実験で分類済みであり, 残り10系統は今回初めて分類を行った.いずれの系統も野生イネ
Oryza rufipogonおよび
O. brevilgulataを一回母本に, 栽培イネ品種台中65号を反復父本として連続戻し交雑して得られた台中65号型の核置換系統である.これまで細胞質雄性不稔系統と検定系統である稔性回復系統とのF
1における種子稔性の差により分類を行ってきた.本報ではF
1の種子稔性に加えて, 葯の形状および裂開性, 花粉粒の形状およびヨード・ヨードカリ液による染色の程度, 開花率を調査し, 17の細胞質雄性不稔系統の分類を試みた.葯の形状および裂開性はA: 葯の発育がよく, 裂開も良好, B: 葯の発育が不十分で裂開が悪い, C: 葯が退化し, 全く裂開しないの3つのレベルに分類した.花粉粒の形状および染色程度は, X: 球形で濃染; Y: 球形で淡染, Z: 畸形で不染の3つに分類した.開花率は一日あたりの開頴数を調べ, その比率を求めた.
17系統は葯の形状および裂開性により5つのクラス, 花粉の形状および染色程度により4つのクラス, 開花率により3つのクラスに分けることができた.また, F
1の稔性により9つのクラスに分けることができ, それぞれの分類をまとめると結局10のクラスにわけることができた.
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