ビルマ北部から採取した乾燥標本, 種子の発芽歩合および種子発芽したものについて葉の形態的調査を行ない, その結果からシャン型茶樹の分布について推察した.
カチン州タンプレより採取した茶葉には, 葉長14cm・葉脈10対内外のものが多く, 同州の西部になるにつれ葉は大形化し, アッサム型に近づくようである.同州の東部や南部になるにつれ, 小形化しており, 南北シャン州においては中国型が多い.
葉長の変異に比し, 側脈および鋸歯, 葉巾等には変異が少なく, 葉の大きなものにはそれらががいして多いようである.
発芽個体については, シャン州より採取せるものには, アントキアンを含むものが多く, さらに葉の大小, 毛茸の有無等の変異が多いが, タンプレ地域より採取したものは変異が少なく, 純粋なシャン型を表わしている.以上の結果シャン型については, ビルマ北部のカチン州タンプレ近辺を中心に中国型, 西にアッサム型, 南にこの両者が混在して, 分布していると思われるが, これの確認は今後の調査検討にまつものである.
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