日本禁煙学会雑誌
Online ISSN : 1882-6806
ISSN-L : 1882-6806
11 巻 , 4 号
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巻頭言
原著
  • ―人間ドック受診者における横断研究―
    柴田 朋実, 深山 泉希, 西河 浩之, 増田 陽子, 宮脇 尚志
    2016 年 11 巻 4 号 p. 98-105
    発行日: 2016/08/30
    公開日: 2016/09/17
    ジャーナル フリー

    【目 的】 受動喫煙による健康被害を検討したこれまでの研究は、実験的な環境でのデータによるものが多く、日常生活において実際に受動喫煙に曝露されている人を対象に調査した研究は極めて少ない。そこで今回、人間ドック受診者を対象に、受動喫煙への曝露時間と呼吸機能および心理ストレスとの関連について検討した。

    【対象と方法】 人間ドックを受診した非喫煙者の男女368名を対象とした。午前空腹時に身体計測および呼吸機能検査を実施した。また、自記式質問紙法にて、受動喫煙への曝露時間と心理ストレスを評価する調査を実施し、受動喫煙の曝露時間との関連を検討した。

    【結 果】 1秒率および%肺活量は、受動喫煙の曝露時間との有意な関連は認めなかった。対標準1秒量は、曝露時間の増加に伴い有意に低下する傾向を示した。受動喫煙の曝露時間の増加に伴い、全対象で肺年齢と実年齢の差が増大する傾向を認め、また、全対象および男性で肺老化率が上昇する傾向が認められた。心理ストレスに関しては、「いらいらする」を選択した者の割合は、全対象で受動喫煙ありが無しに比べ、有意に高値を示した。また「ゆううつでひどくめいる」を選択した者の割合は、全対象および男性で受動喫煙ありが無しに比べ、高値傾向を示した。

    【結 論】 受動喫煙の曝露時間と呼吸機能や心理ストレスとは関連のある可能性が示唆された。これらの関連性を確立するためには更なる検討が必要である。

原著
  • 濵田 昌範
    2016 年 11 巻 4 号 p. 106-113
    発行日: 2016/08/30
    公開日: 2016/09/17
    ジャーナル フリー

    【目 的】 単科精神科病院でアンケート調査を行ない敷地内禁煙への賛否・満足度と問題を調査し喫煙意識の変化をみた。

    【方 法】 全職員、児童思春期を除く全入院患者および外来患者(200人抽出)を対象に無記名かつ提出自由のアンケートを実施。

    【結 果】 職員の喫煙率は18.6%。入院患者と外来患者の喫煙率は54.4%と39.5%。入院患者の喫煙率は入院期間に相関していた。職員の73%、入院患者の52%、外来患者の72%が敷地内禁煙に賛成。喫煙者の約半数は禁煙したい喫煙者だった。職員に限ると賛否と満足度は当人の喫煙習慣と相関していた。

    【考 察】 職員が敷地内禁煙に消極的な理由は①精神症状が悪化する不安、②業務が増える不安、③医療保護入院や措置入院の比率が増える不安であった。入院患者の反対意見はニコチン依存に起因する意見だった。

    【結 論】 敷地内禁煙が今後も継続可能か否かは職員の喫煙習慣と入院環境に依存する可能性がある。

原著
  • 富田 早苗, 三徳 和子, 中嶋 貴子
    2016 年 11 巻 4 号 p. 114-120
    発行日: 2016/08/30
    公開日: 2016/09/17
    ジャーナル フリー

    【目 的】 居宅の壮年期生活保護受給者の喫煙状況と健康行動との関連について明らかにする。

    【方 法】 40~64歳の生活保護受給者を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した。調査内容は喫煙状況、疾患、健康行動およびソーシャルサポート等である。

    【結 果】 分析対象者は246名で、男性164名(66.7%)、女性82名(33.3%)、喫煙率は男性57.9%、女性39.0%であった。男性では学歴が低い者、健康行動が不適切な者、ソーシャルサポートが少ない者は有意に喫煙リスクが高かった。一方、女性では飲酒以外は喫煙との関連は認められなかった。男女とも高血圧、糖尿病、うつ病などの疾患と喫煙に有意な関連はなかった。

    【考察・結論】 女性は、喫煙とアルコール双方の支援が、男性は、食事、運動、睡眠など健康行動全般をふまえて禁煙支援をする必要性がある。ソーシャルサポートとの関連も示唆されており、生活保護受給者の禁煙対策は彼らの健康と生活を守るうえで早急に対応すべき課題と考える。

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