交通工学論文集
Online ISSN : 2187-2929
ISSN-L : 2187-2929
10 巻, 2 号
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論文 (2) 事例研究・調査報告研究・システム開発など
  • 稲本 雄一, 張 馨, 中村 英樹
    2024 年10 巻2 号 p. 1-9
    発行日: 2024/04/01
    公開日: 2024/04/01
    ジャーナル フリー

    近年、日本の道路ネットワークは概成しつつあるものの、道路の旅行速度は諸外国に対して低い水準にあると言われている。このため、交通量の影響が小さい状態での旅行速度を国内外で比較し、旅行速度差の要因となっている道路構造、交通運用を明らかにすることは重要である。昨今ではGoogle Mapsによる位置情報や航空写真の収集と公開により、世界各国の旅行速度や道路構造を簡便に把握できるようになりつつある。そこで本稿では、Google Mapsを用いて、日本、アメリカ、ドイツの閑散時旅行速度を比較し、それらの差の要因を分析することを目的とする。分析の結果、日本の閑散時旅行速度はアメリカやドイツに対して低く、その要因として、信号交差点密度の差や規制速度の設定基準の違いが挙げられることを定量的に明らかにした。

  • 後藤 りえ, 谷口 綾子, 樋崎 恵一
    2024 年10 巻2 号 p. 10-18
    発行日: 2024/04/01
    公開日: 2024/04/01
    ジャーナル フリー

    本研究では,我が国において電動キックボードシェアリングシステムを安全に活用するに際し,まちづくりの観点からその管理・運用を検討する際の一助とすることを目的に,フィンランド共和国ヘルシンキ市を対象に,文献調査・現地調査・インタビュー調査を通じた約 1 年間の経過を把握する事例調査を行った.結果,ヘルシンキ市の電動キックボードシェアリングシステムは ES 事業者が自由にまちに参入することで始まり,各事業者が自由にサービス提供をしていたが,交通事故・違反・無秩序な駐車等の問題が露呈したため,市役所等が介入し,速度規制・夜間利用規制・駐車規制や,事業者との協定締結およびルール策定を行っていた.また,市役所や警察の担当者は,当該規制や協定等は課題解決に有効であると評価していることが分かった.

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