交通工学論文集
Online ISSN : 2187-2929
ISSN-L : 2187-2929
2 巻, 1 号
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論文 (1) 基礎・応用学術研究
  • 原 祐輔, 花岡 洋平, 桑原 雅夫
    2016 年2 巻1 号 p. 1-10
    発行日: 2016/01/01
    公開日: 2016/01/01
    ジャーナル フリー
    交通ネットワーク全体の交通状態を把握するために,プローブカーによって観測される交通状態の利用が検討されているが,プローブカーによる観測情報には時間的・空間的な未観測リンクが存在する.本研究では過去に蓄積された道路リンク速度データから多次元正規分布の平均・分散共分散行列を推定し,リアルタイムの観測リンクデータを用いて未観測リンクの補間を行う.本手法が用いるグラフィカルラッソという学習アルゴリズムとその EM アルゴリズムによる拡張によって,過去の蓄積データが未観測リンクを含む場合であっても,過去データに対して過学習しない分散共分散行列を推定することができる.バンコク中心部の 1 ヶ月間のプローブカーデータを用いて,本手法による未観測リンクの補間を行い,本手法の精度が既存手法よりも高いことを示す.
  • 藤田 素弘, 渡邉 健, 山田 真士
    2016 年2 巻1 号 p. 11-20
    発行日: 2016/01/01
    公開日: 2016/01/01
    ジャーナル フリー
    本研究では、時間帯別OD 交通量の観測リンク交通量からの逆推定手法として、日OD 交通量の時間変動係数を逆推定する手法を提案した。まず、アンケート調査によるOD 交通量からの時間変動パターンでは、ピーク時の時間変動係数が大きく夜間では逆に小さくなるバイアスがあり、大型車においてこの傾向が顕著であることが確認できた。そこで、時間帯別OD 交通量の観測リンク交通量からの逆推定手法として、日OD 交通量を与件として、時間変動係数を逆推定するモデルを、残差最小化モデルとして構築しその最適性条件と解法を示した。次に配分結果から、初期OD 交通量の配分結果よりも精度は大きく改善することが分かった。最後に、逆推定モデルから得られる OD 交通量を発時刻ベースのOD 交通量に変換する計算式を示し、この妥当性を配分計算において検証できた。
  • 鈴木 美緒, 細谷 奎介, 屋井 鉄雄
    2016 年2 巻1 号 p. 21-30
    発行日: 2016/01/01
    公開日: 2016/01/01
    ジャーナル フリー
    近年,国道においても車道上自転車走行空間の整備が増えつつあるが,駐停車車両によって道路左端を占拠され,利用率が低下する問題が指摘されている.そこで本研究では,自転車の駐車車両追い越し挙動を観測し,その挙動に対する影響要因を実走観測およびサイクリングシミュレータ(CS)実験により明らかにすることで,整備において検討すべき項目を抽出した. その結果,実走観測では,車種や利用者属性の違いにより追い越し挙動が異なる傾向が見受けられ,CS 実験により,自転車レーンの整備により自動車に自転車の存在を認識させやすい追い越し挙動の実現が期待される結果となった.また,主観や車線数等の空間的な制約でデザインするのではなく,自動車交通の特性や挙動分析等によって道路を評価し,デザインする必要性が示唆される結果となった.
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