本研究は、今後普及が期待される電気自動車の自宅での充電環境確保の可能性とその利便性について、自家用車の駐車環境の実態と保有者の充電に対する意識の分析から考察することを目的としている。 2011 年 1 月に実施した意識調査結果を用いて、自家用車の駐車環境と、保有者の EV の充電に対する意識に基づき、自宅充電の利便性を低下させる要因の有無を、物理的・心理的側面から検証した。その結果、心理的な阻害要因はないが、駐車環境において、利便性の低下を招く物理的な要因があることが明らかとなった。全体として、夜間充電の灯りの問題よりも、屋根や雨よけがないことによる、降雨・降雪時の不便さの問題の方が大きく、集合住宅居住世帯の車両の多くは、屋根・灯りがない露天型の駐車場で、充電利便性が担保されない環境にあると考えられる。

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