近年、日本の生活道路における事故件数は減少傾向が鈍く、その中でも歩行中と自転車乗用中での死者数が約半数を占めており、こうした高齢者や歩行者に代表される交通弱者が被害者となる事故の発生は深刻な問題といえる。これに対し、官民 ITS 構想 2019 は自動運転の普及を推進することで、事故の防止を期待している。そこで本研究では従来の車両が先進安全車両に代わった場合、自動運転技術による事故削減効果を判断するための衝突回避モデルを構築することを目的とし、実際に発生した事故を用いて分析を行った。その結果、生活道路において先進安全自動車両を活用することで、事故防止の可能性を確認することができた一方で、車両だけでは防ぐことが難しい事故も存在しており、今後はそれらの場合に対応するための施策を考えていく必要があることが分かった。