地方部での自動運転車両を活用した交通サービスの円滑な導入に向けた基礎的知見を得るため、国土交通省の全国 12 地域での実証実験の乗客モニター調査データを用い、サービス実施への賛否意識の規定要因を分析した。具体的には、乗車前の賛否意識及び乗車を通じた賛否意識変化に対し、地域間の相違を考慮した順序プロビットモデルを適用して統計分析を行った。乗車前の賛否意識には、賛否意識への寄与度が統計的に有意に異なる地域が存在するものの自動運転の利用意思や自動運転技術への信頼度が全地域を通じて強い規定要因となっていること、賛否意識変化については、利用意思や自動運転技術への信頼度の変化が強い規定要因であり、寄与度に一部地域間での有意差があることや、賛否意識がプラスに転じる傾向が有意に高い地域があることなどが示唆された。