交通工学論文集
Online ISSN : 2187-2929
ISSN-L : 2187-2929
特集号: 交通工学論文集
5 巻 , 4 号
特集号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
論文 (1) 基礎・応用学術研究
  • 楊 甲, 三村 泰広, 山崎 基浩, 安藤 良輔, 松尾 幸二郎, 菅野 甲明
    2019 年 5 巻 4 号 p. A_1-A_7
    発行日: 2019/04/01
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル 認証あり

    日本では速度規制の無い生活道路が無数に存在し、これらの道路区間における速度抑制が課題となっている。その理由はインフラ側からの速度抑制対策が困難である。このため、車両側からの助言型 ISA の導入を通じた速度抑制効果が期待されている。本研究は、速度規制の無い生活道路における助言型 ISA の情報提供による運転者の速度抑制効果を検証することを目的とする。そのため、高齢者 10 名、非高齢者 10 名のプローブデータを用いて、助言型 ISA の稼動前、稼働中における道路区間別の平均走行速度の変化を把握した。その結果、速度規制の無い生活道路において、非高齢者と異なり、助言型 ISA が高齢運転者に対して、速度抑制効果があることや歩道整備状況・沿道の住宅立地状況に関わらず、高齢運転者に対する助言型 ISA の速度抑制効果があることが示された。

  • 吉田 純土, 中西 賢也, 豊辺 将嘉, 岩崎 正久, 渡辺 英俊, 日向野 茂
    2019 年 5 巻 4 号 p. A_8-A_17
    発行日: 2019/04/01
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル 認証あり

    政府による「観光立国推進基本計画」の策定等を受け、官民が一体となった観光関連事業が推進される中、一部の観光地においては街路空間における歩行者の混雑が深刻になっている。そこで本研究においては歩行者の歩行目的に特徴を有する地域において観測を行い、歩行速度、歩行密度等のデータを収集したうえで、交通容量を算出し、「観光」目的の歩行者が多い地域と「通勤」目的の歩行者が多い地域等とを比較した。 その結果、「観光」目的の歩行者は、「通勤」目的の歩行者と比べ集団歩行が多いこと、立ち止まりが多いこと、歩行速度が遅いこと、単位幅員あたりの交通容量が小さいこと等が明らかになり、観光地やその周辺市街地等における歩行動線の検討や歩行空間整備に関しては観光地特有の対応方策や歩道整備水準の策定等が必要であることを示した。

  • 井ノ口 弘昭, 秋山 孝正
    2019 年 5 巻 4 号 p. A_18-A_23
    発行日: 2019/04/01
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル 認証あり

    日本の都市高速道路は、償還原則に基づいて対距離課金が行われている。現在では、ETC の普及により、ランプ間に対して多様な料金設定が可能となっている。本研究では、道路網全体の走行時間短縮便益が最大となる都市高速道路の料金パターンを探索する方法を開発する。最適料金パターンは、多様なパラメータの組み合わせで表現され、最適解を見つけるためには膨大な組み合わせの交通量配分の計算が必要となる。そこで本研究では、メタヒューリスティックアルゴリズムの一手法である蟻コロニー最適化を適用する。このアルゴリズムは、蟻の群れから食べ物までの経路を見つける挙動をモデル化したものである。蟻コロニー最適化を適用することで、少ない計算時間で都市高速道路の最適料金パターンが算定できることを示す。

  • 齋藤 誠, 松本 修一
    2019 年 5 巻 4 号 p. A_24-A_31
    発行日: 2019/04/01
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル 認証あり

    従来の「走る,曲がる,止まる」に加えて,自動車の新たな機能の一つとして「繋がる」に注目が集まっている.この「繋がる」という機能は,路車間・車車間通信の両システムが連携する協調 ITS において今後更なる活用が期待される機能である.また,車車間通信が実用化されるにあたって車単体で取得することが出来ない範囲を提供する先読み情報の重要性が更に高まると思われる. 本研究では,路車間・車車間通信サービスの一例として,路車間通信による渋滞末尾情報と車車間通信による先々行車両の加減速情報がドライバの運転行動に与える影響の違いを DS を用いて比較した.その結果,加減速情報を提供することで,ドライバに安全な走行を促すことに寄与し,渋滞末尾情報を提供することで,ドライバの安全意識を向上させることに寄与することが示唆された.

  • 四辻 裕文, 邢 健, 喜多 秀行, 米村 圭一郎, 甲斐 穂高, 松本 猛秀
    2019 年 5 巻 4 号 p. A_32-A_41
    発行日: 2019/04/01
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル 認証あり

    本研究では、カーブ手前の直線区間に設けた減速マーク表示(SRM)のライン間隔の配列について、カーブの平面曲線半径に応じてカーブ進入前に安全に減速させる最適な配列に着目する。研究目的は、配列の影響が無くても曲線半径に依って車両は減速するというカーブの影響を IV 法とDID 法によって除去しつつ、カーブに応じてどのように配列を変えるべきかを屋外実験で検証することである。結果、本実験に限れば、比較的小さなカーブ半径(300m)の場合、約 90100km/h 又は約 100110km/h の車速でカーブに接近する運転者に対して、パターン EndSRM 設置区間の前半の区間よりも後半の区間においてライン間隔減少率が大きくなるパターン)の減速効果がパターン Beginning の効果よりも高くなる点、比較的大きな半径(600m)の場合、2 種類のパターンの効果に統計的差異はない点、が判明した。

  • 胡 敏兒, 保田 義之, 井ノ口 弘昭, 秋山 孝正
    2019 年 5 巻 4 号 p. A_42-A_50
    発行日: 2019/04/01
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル 認証あり

    都市部の路線バスの運行において、ピーク時間に複数のバスが連続走行する集団走行(団子運転)が発生する。集団走行の発生は、バス運行遅延の蓄積を与える。本研究では、集団走行回避を意図したバス運行方法を提案する。このため、路線バスの走行状態を記述するバス走行モデルを構築する。路線バスの運行間隔、表定速度を設定して停留所別の乗客数から通常走行を記述する。これに対して、特定停留所の乗客到着が過大のとき、集団走行の発生を記述する。 日本で一般的な集団走行時にバス運行順序を変更しない方法に対して、バス追い越し走行を可能とする運行方法を提案する。モデル分析に基づく有効性の評価に基づく、現実バス路線データを用いた適用性の検証を行った。

  • 小川 圭一, 伊藤 美早子, 安 隆浩
    2019 年 5 巻 4 号 p. A_51-A_57
    発行日: 2019/04/01
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル 認証あり

    国土交通省・警察庁による「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」の発出にともない、多くの自治体で自転車ネットワーク計画が策定されるようになっている。しかしながら、自転車通行空間の整備形態にはさまざまなものがあり、各々の自治体における整備形態の種類や選定基準は必ずしも国土交通省・警察庁によるガイドラインと同一ではない。これは、各々の地域における道路状況や自転車利用状況の特徴は異なり、必ずしも国土交通省・警察庁によるガイドラインが想定したものと同一ではないためと考えられる。そこで本研究では、さまざまな自治体の自転車ネットワーク計画における自転車通行空間の整備形態の種類と選定基準を調査し、その比較分析をおこなう。

  • 瀬良 敦希, 中村 文彦, 有吉 亮, 田中 伸治, 三浦 詩乃
    2019 年 5 巻 4 号 p. A_58-A_63
    発行日: 2019/04/01
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル 認証あり

    21 世紀に入ってから、「安心」という言葉が多用されるようになった。地下鉄を含めた公共交通でも事業者の目標の一つに安心が掲げられることもあるが、その達成度の評価や事業者の施策がどのように利用者の安心に結びついているかは明らかではない。 本研究では、安心を定義づけ、安心の構造を明らかにした後、事業者による安心感醸成施策のうち安全やマナーに関する広告を取り上げ、それらが利用者の安心につながっているのかを検証した。 結果として利用者の地下鉄における安心は、それに寄与する個々の要素の安心度合から定量的に示すことが出来ることが明らかになった。また広告についてはそれ自体による安心の醸成の効果はないが、注意を喚起したり、関心を持たせたりする効果はあることが明らかになった。

  • 長谷川 究, 小早川 悟, 後岡 寿成
    2019 年 5 巻 4 号 p. A_64-A_72
    発行日: 2019/04/01
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル 認証あり

    救援物資配送を行う車両は主に緊急輸送道路を通行する。緊急輸送道路は発災後の緊急活動を円滑に実行できるように沿道建物や橋梁の耐震化対策が進められている。一方で、救援物資の配送先である避難所は緊急輸送道路に面しているものが少ないため、緊急輸送道路から避難所までのラスト・ワンマイルにあたるアクセス道路が必要になる。しかし、アクセス道路に対しては緊急輸送道路同様の耐震化対策は行われていないため、過去の大規模地震時では道路閉塞が発生し、円滑な救援物資配送を妨げる要因になっている。 本稿では、緊急輸送道路から避難所までのアクセス道路を対象に、道路閉塞要因を考慮したアクセス性の分析を行った。また、避難所へのアクセス性を確保するための事前対策案を検討しその有用性を検証した。

特集号B(実務論文)
  • 永見 豊, 二瓶 美里, 長尾 朋紀, 玉井 顯, 中川 浩, 塩田 祐也, 松下 健介
    2019 年 5 巻 4 号 p. B_1-B_6
    発行日: 2019/04/01
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル 認証あり

    高速道路を逆走したドライバの7割が高齢者であり、その中には軽度認知障害有病者が含まれているため、どのような逆走通知内容が軽度認知障害有病者にとって有効であるかを検討する必要がある。ITS 技術の活用を想定した車内設備からの音声通知と、高速道路に設置する LED 表示板を用いた文字による通知を対象として、どのような通知内容が逆走を知らせるのにふさわしいのか、自分の状況を確認し落ちついて行動できるのかを確認するため評価実験を行った。その結果、音声案内では、現状と指示を与える「逆走の恐れがあります。進行方向を確認してください」が最も良い評価であった。LED 表示板を用いた実験では、逆走を知らせるのに最もふさわしいのは「逆走 もどれ」であり、切り替え表示の評価は低かった。以上から、逆走通知内容は単純で直接的な文言がふさわしいと考えられる。

  • 大廣 智則, 高倉 清, 桜庭 拓也, 花塚 泰史, 萩原 亨
    2019 年 5 巻 4 号 p. B_7-B_15
    発行日: 2019/04/01
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル 認証あり

    NEXCO 東日本北海道支社が管理する高速道路では、 冬期間(10 月~翌年 4 月)に約 2.5~3.0 万 t の凍結防止剤(主に塩化ナトリウム)を散布している。冬期における凍結防止剤の効果を維持しつつ、凍結防止剤の散布量を削減する凍結防止剤散布システムの開発が必要である。本研究では、自動で 100m 区間毎に路面状態の判別とそこへの適切な凍結防止剤自動散布を可能としたスマート凍結防止剤散布システムを開発した。このシステムでは、凍結防止剤を 0.1t 単位で積込むことを可能とした凍結防止剤適量積込システムが重要な役割を果たす。スマート凍結防止剤自動散布システムを NEXCO 東日本北海道支社が管理する高速道路において 3 冬期運用し、既存の凍結防止剤散布方法を用いた場合との比較から凍結防止剤散布量の削減効果を実証した。

feedback
Top