2012 年 5 月号に連載を開始した「さきがける科学人」。若手研究者が果敢に挑む先進的な研究、新しい発想を生み出す秘けつ、研究者としての哲学など、研究者人生の歩みに迫り、未来の研究者の道しるべとなるべく回を重ねてきた。100 回を記念して、連載初期に登場した 2 人のさきがける科学人の現在を紹介する。
磁気の源である電子のスピンと熱の相互変換現象の観測に世界に先駆けて成功してきたのが、物質・材料研究機構 磁性・スピントロニクス材料研究拠点の内田健一グループリーダーだ。次なる目標に、スピンを用いる熱エネルギー制御原理の解明を掲げ、扱いにくい熱を自在に操る技術の確立や次世代エネルギー変換材料の開発を目指す。
光合成を行う細菌の一種であるラン藻を利用して二酸化炭素からプラスチックの原料を作り出し、低炭素社会の実現に取り組んでいるのは明治大学農学部の小山内崇専任准教授だ。学生と共に数多くの論文を発表する他、企業との連携にも積極的に取り組むなど成果を出し続ける秘けつに迫る。