脳卒中
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11 巻 , 1 号
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  • 藤島 正敏, 佐渡島 省三, 石束 隆男, 井林 雪郎, 藤井 健一郎
    1989 年 11 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    The effects of various antihypertensive agents in relation to cerebral circulation and cerebral vessels were widely reviewed throughout the literature. The changes of cerebral blood flow (CBF), cerebral metabolism and CBF autoregulaiton were also discussed under the acute or chronic administration of antihypertensive agents in human being and experimental animals as well.
    Antihypertensive agents include diuretics, methyldopa, clonidine, reserpine, alpha-blockers, beta-blockers, vasodilators, calcium antagonists and angiotensin converting enzyme inhibitors, which habe been widely used for hypertensives with or without stroke.
    Acute effects : A bolus or continuous injection, or a single oral administration of vasodilators, calcium antagonists and reserpine increases CBF regardless of the blood pressure alteration. In contrast, both clonidine and beta-blockers decrease CBF by direct vasoconstriction or by decreasing cerebral metabolism. CBF remains unchanged or slightly increases by administration of alpha-blockers and angiotensin converting enxyme (ACE) inhibitors. No documents have been reported about the acute effect of diuretics and methyldopa. The lower limit of CBF autoregulation is shifted to lower levels by the administration of alpha-blockers, vasodilators and ACE inhibitors. Beta-blockers have no effects on autoregulatory range, while calcium antagonists affect little or or slightly raise the lower limit to a upper level.
    Chronic effects : Long-term administration of antihypertensive agents has different influence on CBF compared with acute administration. In hypertensive patients without stroke, most of agents do not change CBF, but some agents rather increase. In hypertensive patients with stroke CBF is increased by methyldopa and ACE inhibitors, but unchanged by alpha-blockers.
    Each antihypertensive agent has different inherent effects on cerebral circulaiton. Therefore we must know the pharmacological action of the drugs on brain itself or cerebral circulation, when we treat the hypertensive patients, especially in the cases who have a history of stroke.
  • 小泉 仁一, 吉田 洋二, 西ケ谷 和之, 金井 秀樹, 大根田 玄寿
    1989 年 11 巻 1 号 p. 11-17
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    血流再開可能なラット脳塞栓モデルにおいて, 血流再開までの虚血時間の長さと血流再開後の脳浮腫の程度, 生存時間, 死亡率とを比較検討した.
    血流再開後の脳浮腫は, 虚血時間が長くなるにしたがって増悪した.それとともに, 生存時間は短縮し, 死亡率は高くなった.すなわち, 血流遮断1時間で血流を再開した場合には, 脳浮腫の増悪はなく, 少なくとも血流再開後1週間以内に死亡するものはなかった.血流遮断2時間群では, 血流再開後, 脳浮腫は漸増したが死亡率は22%にとどまった.しかし, 1週間後虚血巣内に明らかな梗塞を認めた.閉塞時間を4時間から6時間と延長するにしたがい脳浮腫は急激に増悪し, 6時間閉塞群では血流再開後4時間で動物は全例死亡した.組織学的にも脳浮腫, 脳組織の破壊は, 虚血時間の延長, 再灌流により増悪し, 6時間閉塞2時間再開通動物には虚血巣内に出血も生じていた.
  • 寺田 友昭, 西口 孝, 兵谷 源八, 宮本 和紀, 駒井 則彦
    1989 年 11 巻 1 号 p. 18-25
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    脳血管障害 (脳梗塞, 脳出血) において, その経過中に, CT上で種々のcontrast enhancement (CE) が見られることが知られている.しかし, enhancedCTで見られるCEは, 血管床容積 (CBV) 拡大によるものと血液脳関門 (BBB) の破綻による二つの機序が考えられる.これらの病態を, ヨード造影剤急速静注によるdynamicCT (DCT) を用いて検討した.BBB破綻組織を造影剤が通過する際に, 組織へのleakが起るためBBB破綻の程度はtime-densitycurveのpeak後の平坦化に反映されると考えた.また, CBVはPHを用い評価した.本法を用いて検討した脳出血11例では, 血腫周囲のCEはBBBの著明な破綻によるものと考えられた.また, 11例の脳梗塞症例では, BBBの破綻とCBVの増加の程度は各症例で異なっていたが, CBVの増加の見られた症例は全例出血性梗塞例であった.DCTはBBB破綻とCBVに関する定性的な情報を与え, 出血性梗塞の予測や昇圧療法等の治療法を選択する際にも有用である.
  • 宇野 俊郎, 新川 修司, 野倉 宏晃, 大熊 晟夫, 山田 弘
    1989 年 11 巻 1 号 p. 26-31
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    横およびS字状静脈洞部の硬膜動静脈奇形でvascul arsacをともない, 小脳内出血で発症した極めて稀な1例を経験した.
    症例は62歳の男性で, 突然の頭痛にて発症し昏睡状態となった.CTにて小脳内出血があり, エンバンスにてvascularsacに相当する円形の高吸収域を右小脳橋角部に認めた.血管撮影にてmeningohypophyseal trunkより異常に拡張蛇行したtentorial arteryが造影され, vascularsacに流入した後, 横およびS字状静脈洞に注ぐ硬膜動静脈奇形を認めた.さらに小脳内の静脈も動脈相にて造影された.
    横およびS字状静脈洞の動静脈奇形は血管雑音, 頭痛, うっ血乳頭で発症する場合がほとんどで, 本症例のように小脳内出血で発症したものは稀で, 今までに2例の報告を認めるのみである.本症例のばあい, 硬膜動静脈奇形により小脳の静脈圧が上昇し, 小脳内の静脈が破綻したために小脳内出血が起こったと考えた.小脳内出血が起こる機序に関して文献的考察を加えた.
  • 羽生 春夫, 山口 克彦, 岩本 俊彦, 勝沼 英宇, 鈴木 孝成
    1989 年 11 巻 1 号 p. 32-39
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    Crossed cerebellar diaschisis (CCD) の発現に及ぼす要因を明らかにする目的で, 一側大脳半球病変例を対象に, I-123 IMP-SPECTを用いて検討した. (1) CCDは脳梗塞18/31例 (58.1%) や脳出血4/6例 (66.7%) 以外に, 脳腫瘍1/2例 (50.0%), 慢性硬膜下血腫1/4例 (25.0%) にも観察された. (2) 脳梗塞31例 (47検査) について数量化理論2類を用い解析した結果, CCDの発現には梗塞部位と梗塞範囲の関与が大きく, 運動麻痺, 発症後時間の関与は小さいと考えられた. (3) 梗塞部位との関連では, 前頭葉, 頭頂葉, 側頭葉を含む複数の脳葉の障害例や, 基底核, 内包を中心とした比較的大きな深部梗塞例でCCDは高頻度かつ高度にみられた. (4) 反復検査の結果, 小梗塞例では一過性可逆的であったのに対し, 中等大以上の梗塞例では長期にわたり持続する傾向がみられ, その発現には皮質橋小脳路の変性が推測された.
    以上から, CCDには病変部位と範囲によりreversible diaschisisとirreversible degenerationの両者の発現機序が示唆された.
  • 須山 徹, 玉木 紀彦, 大洞 慶郎, 藤田 勝三, 松本 悟
    1989 年 11 巻 1 号 p. 40-45
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    Transcranial doppler flowmetry (TCD) の使用により頭蓋内外血管吻合術後のbypassからの脳血流動態について検討した.頭蓋内外血管吻合術を施行した19例 (23手術) を対象とした.正常の中大脳動脈の血流とは逆の方向に流れるbypass経由の血流が到達する最深部を分水嶺とした.分水嶺は62%が中大脳動脈において40~50mmの深度で検出された.Bypass経由の血流速は68%が21~40cm/secであり, 分水嶺より深部の中大脳動脈の血流速は77%が21~60cm/secであった.分水嶺の深度, bypass経由の血流速, 分水嶺より深部の中大脳動脈の血流速そして吻合術からTCD検査までの期間の4項目の間には相関は認められなかった.今後, TCDによる分水嶺の臨床的意義をより詳細に評価されることが期待される.
  • 小松 修, 目時 弘文, 大池 弥三郎, 金沢 武道, 小野寺 庚午
    1989 年 11 巻 1 号 p. 46-52
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    昭和50年1月より昭和62年3月までの13年間に当院へ入院した脳卒中患者2,588例中に11例のChilaiditi症候群が認められた.男性7例, 女性4例, 発症時平均66.4±6.6歳であった.発症率は0.43%であり, 一般の集団検診における発症率より高く, 本症候群と脳卒中との関連が示唆された.全例とも特有の症状はみられず, 定期的な胸部X線写真により発見された.消化管の嵌入は一過性の場合が多く, その部位は総て結腸であった.発症の背景として, 全例に片麻痺があり, 頭部CT像および脳波から高度の脳機能障害の存在が推察された.100gGTT正常例は2例のみであった.腹部の合併症は, 胆石症と十二指腸潰瘍があり, 抗コリン剤の使用は2例であった.脳卒中発症から本症候群発症まで平均24.2±10.8ヵ月が経過しており, 長期のリハビリテーション治療を必要とする症例が多かった.成因として, 高度の脳機能障害による横隔膜および腸管の運動異常, および日常生活動作の著明な低下による腸管運動の低下などが考えられた.
  • 横山 達智, 織田 哲至, 阿美 古征生, 青木 秀夫
    1989 年 11 巻 1 号 p. 53-59
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    前大脳動脈から発生して中大脳動脈領域の一部を灌流する異常血管, 副中大脳動脈 (accessory middle cerebral artery) に合併した脳動脈瘤の報告は少なく, 今迄に13例報告されているにすぎない。今回, 我々は副中大脳動脈に合併した脳動脈瘤の一症例を経験したので報告する.
    症例は54歳の女性.1984年9月11日, 突然の激しい頭痛で発症.嘔吐, 硬直性痙攣を伴い, 傾眠状態であった.CTscanでクモ膜下出血の所見を認めた。脳血管撮影では左近位前大脳動脈一Heubner動脈起始部に動脈瘤があり, 左前大脳動脈のA1-A2junctionに始まり中大脳動脈水平部を併走している副中大脳動脈を認めた。10月1日動脈瘤クリッピングを施行した。術中, 副中大脳動脈が左A1-A2junctionより分岐し, Sylvian valleculaへ入るのが確認された。術後経過良好で, 10月22日神経脱落症状なく退院した。
  • 安藤 隆, 篠田 淳, 平田 俊文, 坂井 昇, 山田 弘
    1989 年 11 巻 1 号 p. 60-67
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    高血圧性被殻出血 (222例) を手術群 (146例), 非手術群 (76例) に分け生命予後および機能予後について比較検討した.1) 神経学的分類によるgrade I は原則として保存療法でよく, grade Vは両群とも予後不良で手術適応外である. grade IVは生命予後の面から手術群が良好であった.2) 毛様体脊髄反射消失などの眼症状を認めても, 手術により十分救命しうる可能性がある.3) CT上血腫径4cm, 第III脳室偏位6mm, 上下への進展4cm以上のものは予後不良であった.又, 脳室穿破はあきらかに生命予後を不良にする.4) 非優位側血腫例は優位側に比し機能予後は良好であるが, 生命予後には差を認めなかった.5) 手術時期については必ずしも早期程良好とはいえない.しかしながら, 待機中の増悪例を救命するには超早期手術が必要である.6) 機能予後については, 筋力高度障害例では両群とも回復困難例が多いが, やや手術群で良好である.しかし中等度~軽度障害例では両群間に差がみられなかった.
  • 大星 博明, 藤井 健一郎, 佐渡 島省三, 布井 清秀, 藤島 正敏
    1989 年 11 巻 1 号 p. 68-74
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    蛍光眼底血管撮影 (nuorescein retinal angiography, FAG) 後に脳血栓症が再発し, 症状完成までに12日を要した1例を経験した.症例は36歳女性.3年の糖尿病罹患歴があり, 14日前に右上肢に軽度の麻痺を認めた.糖尿病性網膜症の精査のためFAGを施行したところ, 1時間後より右片麻痺や運動性失語が出現し翌日入院した.X線CTでは左前頭葉皮質に小梗塞を認めた.髄液の乳酸値 (第22病日) は異常高値を示し, positron emission CT (第30病日) ではX線CTに比しより広範囲に脳血流量, 脳酸素消費量の低下がみられた.完成した右片麻痺は徐々に回復し第68病日に軽快退院した.
    FAGの合併症として脳虚血症状はまれであり, その機序や, 本例における症状完成までの遷延と糖尿病の関係についての考察を試みた.
  • 濱田 潤一
    1989 年 11 巻 1 号 p. 75-80
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    脳軟膜動脈壁より導出した自律神経活動電位に対する迷走神経の関与について検討した.
    (対象および方法) 成猫12匹を用い, まず迷走神経刺激時に脳軟膜動脈壁から得られたaveraged action potential wavesに対する軸索伝導抑制剤tetrodotoxin (TTX) 投与の影響を観察した.次に脳灌流圧変化に対する脳軟膜動脈活動電位の反応性を観察し, 節神経節の吻側における迷走神経切断前後で比較検討した.
    (結果) (1) averagedaction potential wavesは, TTX投与後7例中5例に振幅減少あるいは消失を認めた。 (2) 迷走神経切断により, 脳灌流圧変動に対する脳軟膜動脈活動電位の反応性は低下した.
    (結論) 迷走神経は脳軟膜動脈より導出した活動電位と密接に関係し, 脳灌流圧変動時の脳血管反応性に関与していることが示唆された.
  • 嶋田 延光, 森本 一良, 早川 徹, 吉峰 俊樹, 最上 平太郎
    1989 年 11 巻 1 号 p. 81-88
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    高速液体クロマトグラフィー (HPLC) を用いて砂ネズミの脳組織内S-adenosyl-L-methionine (SAM) とその代謝関連物質であるS-adenosy1-L-homocysteine (SAH), adenosineおよびATP, ADP, AMPを測定し, 脳虚血におけるこれらの変動と脳内エネルギー代謝におよぼす影響について検討を加えた.その結果, 1) 砂ネズミの正常脳組織内SAM含有量は85±4.2 (SEM) nmol/g乾燥重量であった.2) FO-1561 (SAM250mg, mannitol 300mg/kg) の腹腔内投与により脳組織内SAM含有量は有意に増加し, 投与30分後に107±8.1nmol/g乾燥重量となった (p<0.05).3) 脳組織内SAM含有量は10分間の両側総頚動脈結紮による脳虚血で有意に減少した (P<0.05).しかもSAM投与後の脳虚血群でその減少が著明であった.4) 脳虚血時のATPの減少はFO-1561投与, 非投与両群間に差を認めなかったが, ADPとenergychargeの低下はFO-1561投与群で有意に抑制された.
  • 皆河 崇志, 田中 隆一, 佐々木 修, 小池 哲雄, 石井 鐐二
    1989 年 11 巻 1 号 p. 89-95
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    砂ネズミの脳微小血管内皮細胞の継代培養を行ない, 培養細胞の生物学的特性の一部を検索した.Bowmanらの方法を一部改変し砂ネズミの全脳から微小血管をとりだし培養に移し, 細胞が単層敷石状に配列した一つのコロニーのみを選択し, 継代培養を行なった.継代は多くの場合20代程度は可能で, 酵素抗体法による第VIII因子の染色では全ての細胞が陽性であった.また, 一部の細胞ではtube様構造を形成した.alkaline phosphatase (Al-P) とγ-glutamyltranspeptidase (γ-GTP) を組織化学的手法を用いて染色すると, Al-Pは初代培養ではほとんど全ての細胞で陽性であったが, 5代以後ではほとんど陰性になった.γ-GTPは, 初代培養で形成されたコロニーの中心の一部の細胞のみ陽性で, 二代以後では陰性であった.脳微小血管内皮細胞を培養に移した時, その特異な性格の一部は失われる可能性のあることが示唆された.
  • 山野 和成, 片山 真理, 木村 安志, 木村 泰三, 片山 宗一
    1989 年 11 巻 1 号 p. 96-98
    発行日: 1989/02/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    右三叉神経第一枝領域 (眼部) 帯状疱疹発症8週後, 同側の内頚動脈・後交通動脈分岐部動脈瘤破裂により, くも膜下出血を併発した57歳女性例を報告した.帯状痕疹に脳動脈瘤を合併した症例は, 文献上2例知られるにすぎないが, 動脈瘤形成・破裂は帯状疱疹ウイルス感染による血管炎に起因するものと推定されるため, 帯状疱疹では慎重な経過観察が必要と思われた.
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